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第25話 ポータルで移動

 テクテクと歩く男の腕を掴みながら付いていく。

 工場内の建物に入っていくと、男は立ち止まって左掌を上に向けた。するとウインドウが現れた。


「えーと服屋に近いポータルは……何処だ?」


 知らないわよ。でもポータル?

 男がウインドウと格闘していると人がゾロゾロと入ってきた。


「じゃ、また明日な」

「ああ。あんま飲み過ぎるなよ」

「二日酔いで遅刻とかやめてよ」

「はっ、飲まなきゃやってらんねぇよ」

「そうだそうだ!」

「そう言って先週寝坊したのは誰だ」

「う……うるせーっ!」

「っははは」

「程々にね」


 飲みに行く連中は男と同じようにウインドウを出してなにやら操作しているようだ。それ以外はそのまま奥へ入っていったわ。残りの人たちもウインドウを閉じると続けて奥へと消えていった。

 あの奥にポータルがあるのかしら。


「あったあった。多分ここだ」


 〝多分〟なのね。不安だわ。


「よし。なよちゃんもポータルの登録をしようか」

「ポータルの登録? ってなに」

「え、これも忘れちゃったのかい? ポータルウインドウは出せる?」


 ポータルが分からないのにウインドウなんて出せるわけないでしょ!


「分かんなーい!」

「えっと……掌を上に向けてポータルウインドウ出ろって思ってごらん」


 そんなことで出るモノなの?


「んーと。ポータルウインドウ出ろーっ!」


 で出たら苦労……しないですって?!


「お、出たね」

「ひゃあ!」

「っはははは。大丈夫だよ」


 分かっているわよ。演技よ演技!

 え、なんで出たの?? 勇者小説が現実になったとでもいうの?

 前世や今世でも似たようなことは出来るけど、それはあくまで補助端末のお陰。私はここ用の端末なんて持っていないわよ。

 魔法的な干渉かしら。それなら魔力を辿っていけば……


「次は行き先だね。えーちょっと待って」


 行き先の隣に数字が書かれているわ。もしかしてお金掛かるの?! マズいわね。ここのお金なんて持っていないわ。


「あ、あれ? ウインドウが消えちまったぞ」


 ふむふむ、なるほど。この建物自体が大きな魔道具なのね。ならここからマザーにアクセスできるはず。

 うん、素直な子ね。よしよし。

 確かここにアクセスしてきたから逆に辿って……うん、他からもアクセスが集中しているから間違いなさそう。ここを適当に弄って、整合性を取って、後は足跡を消せば……よし。


「あ、出てきた。なんだったんだ。あれ、やり直し? なんかトラブったのかな。ごめんね」


 その原因は私だけどね。


「えーっと……よし。さ、服を買いに行こうか」

「うんっ!」


 元気に子供っぽく返事を……なんだかもうどうでもよくなってきたわ。あ、でも少し冷静に……ダメ、素に戻ったら恥ずかしくなる。吹っ切るわ!


「ねー、どうやって行くのー?」

「ははっ、こっちだ」

「こっちー?」


 やっぱりこの先にポータルってのがあるのね。

 ……特別なにかがあるようには見えないわ。ただの行き止まりの部屋ね。


「なにこの部屋」

「ここがポータルの部屋だよ。さ、行こうか」


 説明下手か。色々端折るな!

 手を引かれて部屋の中央まで行くと内臓が浮くようなフワッとした感覚に見舞われた。

 と思った瞬間、目の前の壁が通路に変わった。

 えっと……今ので跳んだってこと? 男はさも当然のようにそのまま通路に向かって歩き続けた。


「えっ、何処ここ。怖いよっ!」

「ははっ、大丈夫だよ。移動しただけだから」


 だから説明下手かこの馬鹿たれ! ま、いいわ。予想は付くし、データベースに潜れば分かることよ。

 通路を抜けると先程とはまったく違う光景が広がっていた。

 うわっ……人が一杯。こんな人混み、前世以来だわ。それに懐かしい服装。前世と大きく変わりがないみたい。分かれて進化したはずなのにね。

次回、女には守らなければならないことがある

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