表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/193

第19話 そういう設定

 隠れるようなところは無いし……仕方ないわね。


「こんなところでなにをしている」


 薄汚れた作業着姿の男だわ。こんなところになにしに来たのかしら。


「ひっ、だ、誰ですか」

「俺はここで資源回収をしてる五十三(よみ)拾十(ひろと)だ。お前は?」


 資源回収? この辺のガラクタを集めてるってことかしら。


「私……は……那夜(なよ)

「なよちゃんか」


 〝那夜(なよ)ちゃん〟?!

 そこまで幼く見えるのかしら。


「こんなところでなにをしてるんだ」

「ここ? ここ……は……何処?」

「ん? ここはもう使われなくなったところだ。俺たちはここから資源を回収しているんだ」


 〝俺たち〟ってことは、他にも誰か居るのね。


「なよちゃんもそうなのか? 見ない顔だな。許可証はあるのか」


 資源を回収するにも許可証が必要なのね。


「許可証? えっと……」

「うーん、身分証を見せてみろ」

「身分証……うう、思い出せないわ」

「思い出せない?」

「気がついたらここに居たの。ね、ここは何処なの? 貴方はなにをしているの?」

「おいおい、大丈夫か? 頭でも打ったのか?」

「頭……うっ、痛い……」


 このまま記憶喪失ってことで通せないかしら。


「しょうがないな。付いてこい」

「?」

「病院に連れてってやるから」


 病院もちゃんとあるのね。でも連れて行かれるのはマズいわ。


「病院……いやっ! 怖い」

「怖くないって。ほらっ」

「いやあっ!」

「「「がうるるるるるる!」」」

「うおっ! な、なんだこいつ」


 あ、バカ! なに出てきているのよ。隠れていなさいよ、もう。


「三つ首の犬?! 奇形……処分されずに捨てられたのか?」

「「「ぐるるるるるる」」」

「くそっ。なよちゃん、逃げるんだ! あっち行け!」


 あっ、ポチに石を投げないでよっ。当たったら痛いでしょ。


「ダメっ!」

「なよちゃん、逃げろっ。なにやってんだ」


 私がポチに抱き付いたから石を投げるのを止めたわ。よかった。


「虐めちゃダメっ」

「なよちゃんっ! ……え?」

「「「くうーん。ぺろぺろぺろ」」」

「きゃははっ、くすぐったぁい」


 って、いい年してなにやらせるのよ。まったく。あー恥ずかしい。


「大丈夫……なのか?」

「虐めちゃメッ!」

「う……ご、ごめん」

「「「がうっ!」」」

「ひぃっ」

「ポチ、食べちゃダメ」

「「「きゅーん」」」

「食べっ……ゴクリ」

「大丈夫だよ。ポチは優しいもん。ねーっ」

「「「わんっ!」」」

「そ、そうか……は、ははははははは。ほっ。もしかしてなよちゃんの飼い犬なのか?」

「んー、多分」

「多分なのか……しかし突然現れたように見えたけど、こんな大型犬が何処に居たんだ?」


 今まで首の後ろに隠れていました……なんて言える大きさじゃないわね。

 大きさに関しては自由自在なのかしら。もしかしてタマも?

次回、死体運搬?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ