表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
166/193

第166話 二度と会いたくない

 嘘……ナームコさんが鈴の命令に従った? そもそも鈴がナームコさんに命令をしたの?

 どういうことよ。


『時子さん、チャンスです』

『お義姉ちゃん? なによ、チャンスって』

『今全員の意識が鈴ちゃんに向かっています。今ならマスターを再起動して連れてくることが出来るでしょう』


 確かにお義姉ちゃんの言うとおり、全員の意識が鈴に向いている。エイルさんも鈴とお父さんを見て呆然としている。


『どうやって再起動するの? 幾ら意識が鈴に向いているといっても、下手に動けば直ぐバレるわよ』

『動きません。私が再起動させてきます』

『お義姉ちゃんが?』

『はい。私が再起動キーですから。なので先輩の携帯(スマホ)を止められたら、マスターを再起動させるのが非常に困難になっていたんですよ。あのときは本当に肝が冷えました。肝なんてありませんけど』

『ごめんなさい』

『こら。そこは笑うところだぞ。ふふっ』

『う……』

『でも、短い間でしたけど、楽しかったわ』

『え?』


 なに、急に。


『お義姉ちゃんって呼ばれて本当に嬉しかった。だからもう……二度と貴方には会いたくないわ。さようなら』

『え? お義姉ちゃん?』

『ちゃんと喜ぶのよ!』


 どういうこと?

 あっ、AR(拡張現実)表示が消えていつもの風景に戻った。なんで?

 あ……そうか。お義姉ちゃんはモナカが緊急事態に陥ったときに起動する非常用プログラムだって言っていた。つまり、緊急事態が解消されれば、必然と要らなくなる?

 そういうことなの?


『お義姉ちゃんっ!』


 返事が無い。やっぱりそういうことなの?

 返事が無いってことは、再起動に成功したってこと?


『再起動できたの? ねぇ! どうなの! お願いだから返事をしてよっ!』


 けど、返事はいつまで経っても返ってこなかった。

次回、長い眠りからの目覚め

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ