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携帯は魔法杖より便利です 第6部 古の都  作者: 武部恵☆美
第1章 それぞれの半年
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第13話 最後に希望を残して

 俺と時子とフブキはオオネズミ狩りにいそしんだ。このくらいしか家計の足しにできるようなことがないからな。

 トレイシーさんは気にしなくていいと言ってくれるけど、やっぱり気になる。

 それに山なら模擬戦をしても周りに迷惑が掛からないからな。魔神(まがみ)や神獣の立体映像を町中で出すわけにもいかない。

 時子は日に日に携帯(スマホ)を使いこなしていっている。今では模擬戦で魔神(まがみ)王と1人で渡り合えるほどだ。

 俺? んー、魔神(まがみ)王2人に勝てないくらいかな。

 え? デニスさん? 聞かないで…………


 夕方には帰ってダンスの練習。

 ……本当に意味があるのだろうか。

 そして寝るときにタイムが作った脳内ゲーム・塔の登頂を試みる。そもそも最上階って何階なんだ? 今居るのは何階だ?

 終わりは……来るのだろうか。


 ナームコと鈴ちゃんは工房のお手伝い。

 あの1週間以来、俺と離れても駄々をこねなくなった。これが親離れってヤツか。ちょっと寂しい。

 夜はアトモス号の整備だ。

 なので鈴ちゃんと全然遊べない。子離れが出来ないってヤツだろうか。


 アニカは相変わらず本契約のため修行中だ。

 同じ山に居るけど場所が違うので会うことはない。

 中々成果が上がらないようだ。


 デイビーは普段は中央で仕事だから顔を合わせなくて済む。それでもデニスさんのデータ解析が出来て場所が分かったときに連絡をよこしてくる。

 今度こそエイルに会えるだろうか。

 でも何処も彼処もハズレばかり。結界は張られていたものの、中は既に滅んでいた。結界すら無く、ただただ灰が一面に広がっていたところすらあった。かろうじて残っている瓦礫も触れば崩れるほど脆い。

 そんなところにエイルが居るはずもなく、デイビーが調査し終えるのをアトモス号の中でボーッと待つだけ。ボーッとしていると魔神(まがみ)王のやっていたこともあながち間違っていなかったのでは……と思ってしまいそうになる。いや、きっと見つけていないだけで結界都市(ラスティス)みたいに生き残っているところもあるさ。


 そういえば大穴が開いていたことがあったっけ。あれはなんだったんだろう。

 デイビーが〝最近人為的に開けられた穴の可能性があります〟と言っていた。

 人為的……エイル? まさか……ね。


 そんな日々を過ごして半年、また連絡が届いた。解析可能なデータはこれで最後だという。

 これでエイルに会えなければ当てもなく探すしかなくなる。或いは帰ってくるのを待つだけに……

 待つのはイヤだな。

 でも当てもなく探すのは鈴ちゃんの負担になる。

 何処に行ったんだよ、バカ野郎。

次回からエイルのターン

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