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第104話 身分の確認

 さっきの店員さんを呼べばいいのかな。

 あ、居た。


「すみません」

「はい、お決まりですか」

「これをお願いします」

「かしこまりました。では機種変更手続きを行いますので、こちらへ」

「えっ……えーと」

『新規よ』

『機種変じゃなくて?』

『先輩の携帯(スマホ)から乗り換えるつもり?』


 あ……そっか。


『それにそんなことしたら契約会社も乗り換えることになるからここでしか使えなくなるし、魔法も使えなくなるわよ』


 それは困る!


「新規でお願いします」

「えっ、新規ですか? かしこまりました……新規……」


 新規っておかしいのかしら。

 なんか凄く怪訝そうな顔で見られてるんだけど……


「ひとつご確認をさせて頂きたいのですが」

「はい、なんでしょう」

「お姉様がお使いになるとのことでしたが、お姉様はこちらにいらっしゃいますか」

『居ないって言って』

「居ません」

「では、契約の委任状はお持ちでしょうか」

『契約は時子さんがするんですよ』

「えっと、使うのはお義姉ちゃんですけど、契約は私がします」

「分かりました。ではこちらにお掛けになってお待ち下さい」

「はい」


 こういうのって初めて……じゃなかったわね。

 こっちに召喚されたときにやったのを思い…………なにしたっけ。


「おい、新規だってよ」


 ん? 私のこと?


「なんの?」

「携帯だよ、け・い・た・い!」

「あっそ」

「信じてないな」

「そんな金持ちが来店するなんて聞いてないわよ」


 え、新規契約ってそんなにお金掛かるの?

 た、足りるかなぁ。


「ホントなんだって」

「あっそ。それで? その冷やかし客は何処に居るの?」

「あそこに座ってる女だよ」


 マズいわ。目をそらしておきましょう。

 私はなにも聞こえていませんよー。


「普通の女じゃない。新規契約できるようなヤツに見えないわ」

「そうなんだけど!」

「だったら確認してから契約を進めなさいよ」

「分かってる」


 戻ってくる!

 聞いていません聞こえていません。


「お待たせしました」

「は、はい」

『声が裏返ってるわよ』

『う……』

「えー、新規契約なのですが」

「はひっ」

「高額商品となっておりますので、いろいろと確認させて頂きたいのですが、宜しいでしょうか」

「確認ですか」

「はい」

『了承して下さい』

『え、でも』

『早く! 怪しまれます』

「はいっ! だ、大丈夫……なはずです」

『はぁ……』

「……そ、それでは身分証を確認させて下さい」

「身分証?!」


 えっと、携帯(スマホ)を見せればいいのかな。


『掌を相手に見せて』

『あ、うん。こう?』

『相手に向けてどうするのよ。上に向けて差し出すの!』


 うう、なら最初に言ってほしいわ。


「……ありがとうございます」

「ひゃあ!」


 掌の上になにか出てきた!


「お客様?」

『慌てないで。言われたとおりにしていなさい』

『う、うん』

『ほら、店員さんが心配してるわよ』

「なんでもありません。ど……どうぞ」

「では拝見させて頂きます」


 言われたとおりにしたけど、大丈夫なのかな。

 店員さんが身分証を手に取り、なにかを確認しているみたい。


『大丈夫かな』

『……』

『私、ここで身分とか無いはずよね』

『……』

『それにもしかしたらもう指名手配されてるかも!』

『……』

『身分証なんて見せたら分かっちゃうんじゃないかな?』

『……』

『お義姉ちゃん? 聞いてるの?』

『話しかけないで。今偽装で手一杯なの』

『ご、ごめんなさい』


 偽装?


「ありがとうございました。少々お待ち下さい」

「はい」


 なんとかなった……のかな?

次回、1人で契約できたかな?

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