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第102話 一部復旧しました

『モナカさん、先生、トキコさん、アニカさん、ナームコさん、デイビーさん、聞こえますか?』

『聞こえます』

『ルイエさん?』


 これ、秘匿通信(内緒話)


『はい、聞こえます』

『〝聞こえりゅのでございます〟』

『…………モナカさん? デイビーさん?』

『あー、モナカは今返事できないわ』

『〝デイビー様も出来ないのでございます〟』

『えっ、そうなんですか。先ほど通信機能を復旧させました。ですが、翻訳機能は私では実装できません。ご了承ください』

『翻訳? 機能していると思うけど』

『時子さんは携帯(スマホ)の機能で翻訳されているのよ。ルイエさんがしている訳じゃないわ』


 あ、そうか。

 ナームコさんもさっきのは鈴の声だったわ。


『先生! 〝ルイエさん〟なんて、余所余所しく呼ばないで下さい』

『私は先生(タイム)じゃないわ。今タイムは完全停止してるの。私はただのコピーで非常用プログラムなの。記憶は共有してるけど、想いは受け継いでないの』

『そんな! 一体なにが起こっているんですか』

『今マスターは敵に捕らわれています』

『〝なんだと!〟』

『半身不随、意識混濁の状態だと思われます』

『〝おいシャコ! 貴様が付いていながりゃ捕りゃわりぇただと? 一体なにをしていたのだ!〟』

『そ、それは……』

『〝しかも貴様はオメオメと逃げ延びおって。なにを以てしても兄様の安全を最優先させりゅべきでありょうがっ!〟』

『やめて! 私が、時子1人で逃げた方が助けられる可能性が高いと判断したんです』

『〝タイム様?! なにをバカなことを仰りゃりぇりゅのでございますか〟』

『責めるなら私を責めて下さい。いくらでも罰をお受け致します』

『〝いえ、わたくしは……そのようなことは……〟』

『ですが、少々お待ちください。マスターは私と時子さんで必ず助け出すと誓います。ですから、少しの間で構いません。猶予を下さい』

『〝……承知したのでございます。タイム様、わたくしたちに出来りゅことはございませんか〟』

『ありがとうございます。ですが、ご心配には及びません。アトモス号でお待ち下さい』

『〝そのことでございますが、わたくしたちも敵に捕りゃわりぇていりゅのでございます〟』


 やっぱりあの後捕まってしまったのね。


『捕らわれて?! デイビーさんは大丈夫なんですか?』

『〝意思の疎通は出来ませんが、問題ございません〟』

『無いんですか……はぁ』


 それは問題が無いっていうのかしら。


『マスターをお助け次第、そちらにも向かいます』

『〝心配ご無用なのでございます。デイビー様がこのような状態でございましたから、わざと捕まっただけなのでございます。逃げ出すことは容易なのでございます〟』

『わかりました。ですが無理はなさらないで下さい』

『〝承知したのでございます〟』

『アニカ様とフブキさんはアトモス号で待機を継続して下さい』

『えっ、ボクにやれることはないのですか?』

『アニカ様……というよりは火鳥(カタヨク)さんにならあるかも知れません』

火鳥(カタヨク)に?』

『はい。精霊界で待機していて頂きたいのです』

『分かった。火鳥(カタヨク)!』

「ですが、火鳥(カタヨク)さんのお世話にならないよう願いたいものです」

「………………」

「時子さん? どうかしましたか」

「なんか、本当にお姉ちゃんって感じがする」

「? どういう意味でしょう」

「まんまの意味よ」

「私は貴方の姉ではありません」


 あははは。伝わらなかったみたい。

 あ、そうだ。


『ルイエさん、あのね』

「あ! 時子さん、ルイエさんにエイルさんのことは話さないで下さい」

「え? どうして」

「おそらく全てを投げ打ってでも探しに出て行ってしまうでしょう。私のように」


 お義姉ちゃんも? 心なしかアイコンが寂しそうに見えた。本当に想いは受け継がれていないのかな。


「いずれバレるでしょうが、今は黙っていて下さい」

「分かったわ」

『なにかご用ですか?』

『あ、えっと……アトモス号のこと、よろしくお願いします』

『はい、お任せ下さい』


 うっ、ちょっと心が痛いわ。でもモナカを助けるため……なんだよね。


『ナームコさん、ごめんなさい。モナカは必ず助けてくるから』

『〝当然なのでございます。もし失敗すりゅようなことがありぇば、お天道様は2度と拝めないと心得りゅのでございます〟』

『……分かったわ。必ず連れて帰ります』


 それじゃその手始めとして、家電量販店ってところに乗り込むわよ。

次回、圧倒的シェアを誇るのは……

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