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「彦根城を世界遺産にする取り組みは大まかに説明すると1992年に世界遺産の暫定一覧表に記載され、2020年に滋賀県と彦根市が世界遺産に関する協定を締結、2021年から2022年にかけて推薦書素案を推敲し、今年の2024年にかけてユネスコによる事前評価が行われ、来年の2025年に国内で推薦候補に決定できたら、2026年にユネスコに推薦書を提出してイコモスによる審査が行われて2027年に世界遺産登録ができたらという流れになっています。」
田中さんが世界遺産登録までの流れを説明してくれた。いろはが
「彦根城の世界遺産登録にむけての取り組みはネットで『彦根城世界遺産』で検索したら出てきますけど目に見える事は多くないですね。」
「だいたい2024年の五月に滋賀県と彦根市の協定の再締結をする感じで、9月に事前評価申請書を提出する事になってます。彦根市のお店や企業の協力でポスターを張ったりしてい貰ってます。
後はホームタウン契約をしている滋賀レイクスターズの試合でのアナウンスなども行われてます。
世界遺産の登録のメリットは、観光業の振興やその収益による世界遺産登録されたものの維持・保護費用に充てられる事が期待されてます。」
田中さんが言ったのに対してタモンが
「でも、デメリットの方が市民の生活に支障をきたすわけですよね?
観光客の増加が道路の渋滞やお店の混雑、マナーの悪い人間によるポイ捨てや迷惑行為なんかもあるでしょう。現在でも町中にたばこやごみのポイ捨てが目立ちますよ。この対策も何もしないで世界遺産登録って名分だけでなく、彦根市民に対してのメリットをもう少し発信してもらいたいですね。
せめてポイ捨てとかを厳しく取り締まる条例などの制定はしないとダメですよね。」
「それはもちろんですね。色々と市民生活に支障を与えないように整備しないといけない事はまだまだ多いです。ところで・・・・・今回の件の犯人については?」
「お蔵ですね。犯人に繋がる物は何も出ませんでした。ただ、現在私たちの頭を悩ませている件に関係するものが見つかっているので、引き続き捜査を続けていきます。」
「なるほど。では、私の依頼はここまでで結構です。何か進展があったら教えてもらえたらくらいです。」
「承知しました。ではご依頼終了に関する書類に署名をお願いします。」
いろはが書面を渡した。
これで一応の依頼が終わった。形になったがまだまだ色々と課題は残ったままになった。