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けー10

玄宮園の内堀側に移動していくと古い柵のようなものが見えてきた。

男性職員が

「あの辺が春風埒(しゅんぷうらつ)と呼ばれる所ですね。一応玄宮園と区切るために壁が作られてますが、この辺の区間を区切るためにも柵が作られてます。この柵をまとめて春風埒と呼びます。」

「この辺が近江八景にどう関係してくるんですか?」

いろはが聞くと男性職員が

「粟津の晴嵐について晴れた日の露の事を表してる場所の事なんですけど、晴嵐の所に着目すると青嵐(あおあらし)も同じような読み方をする青嵐の方は五月くらいの荒れた天気の事を言うのでもしかしたら晴嵐の部分で春風を表してるのかなと思いました。」

「なるほどそれは確かにそうかもしれませんね。柵のあたりを探してみますか?」

いろはが言って全員で柵の周りを三人で探した。十分くらい探したところで柵の色に塗られた紙が貼りつけられていたのを見つけた。

「え~と、市役所のとある課の課長は不倫してる。市役所の若い職員と彦根市内にあるお店の店員の二人としている・・・か。かなり重めの内容だな。市役所内でも不倫してて他のところにも不倫してる相手がいるとかやばいな。こればれたら大変な事になりますよね?」

「えっ?もちろんヤバいですよ。いやどこで働いてるとか関係なしに不倫してるのはヤバいですし、しかも二人と同時にとかもっとヤバいですし、課長っていう役職がありながらこんな事をやってるとか許されるわけないですね。」

「ちなみにこのとある課っていうのはあなた方の課ではないんですよね?」

タモンが聞くと男性は焦ったように

「もちろん違いますよ。うちの課の課長は愛妻家で定時で家に帰って家族サービスとか頑張ってる人ですから不倫してるとは思えません。でも他の課に関してはどんな人が課長かも知らない所もありますから誰かを特定できる人間の方が少ないかもしれませんね。」

「なるほど。こんな話ならうちの社長の方が詳しそうですね。いろは、社長にメールしといてくれ。」

「了解です。」

男性職員が

「でも、さっき見つけたやつと違って暴露される人の範囲が広がったように思うのですがわたしだけですかね?」

「確かにその通りですね。文化財保護課の人達を狙った暴露なのかと思ってましたが市役所全体の話なのか、見つけた順番的にたまたま違う所の話になっただけなのかもわからないので引き続き探していきましょう。」

タモンが言って三人でとりあえず他のところを見て回る事になった。

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