「あー6」
「目撃者に目立った交遊関係や接点はなし。
だからこそ、裏で繋がっているなにかがある可能性は否定できないな。目撃した日にも周期的な感じはなしか。思った以上に難しそうだな。」
タモンはいろはに渡された目撃情報を見ながら言った。
「友人の友人とかの可能性までは調べられてませんし、何かのイベントでたまたま知り合ったという可能性もありますからね。
そう言えば、後藤さんが目撃したっていう情報をSNSで強く否定してる人がいましたね。他の人には言わないのになんで後藤さんの時にだけ否定するのかなと不思議だったんですよ。」
「眉唾な噂にここに来て飽きてきた、あるいは後藤さんが嘘をついていたのを知っていたからって可能性もあるな。」
「犯人が自分はやってないから、嘘だってわかり真似するなって感じで攻撃してきたみたいな?」
「可能性はあるだろ。
俺らからしたら下らない事をしてると思ってるけど、犯人からすれば重要な意味があってやってるわけだからな。
何も知らないくせに勝手な事をするなと思ったとしてもおかしくはない。その攻撃してる人の特定は?」
「できますよ?でも、やるとなると責任の所在とか色々とヤバイ事がありますけどね。」
「知り合いの知り合いだったで誤魔化せばなんとかなるだろ。
犯人じゃなくても何か知ってるかもしれないしな。」
「わかりました。他に調べることはありますか?」
「その人はどんな感じで否定してるんだ?」
「え~と『あの人の目撃情報には論理的な部分がない、ただ騒いでいるだけの迷惑な野次馬だ。』って感じです。」
「論理的な部分か。この程度の批判なら誰でもできるだろ。目撃情報に関しては他の人達もそんなに変わらないしな。」
「それがちょっと違うんですよ、この人は後藤さんに対して『目が光る意味も知らないのに』と後藤さんからの返信に対して、さらに返してます。目が光る方法とかではなく『意味』であるところが他のアンチとの違いです。」
「ただの批判じゃなくて一歩踏み込んだところまで話してるのが違う感じか。
意味があるというところまで知っているなら犯人説が濃厚だな。」
「調べときます。観光関係の方は調べますか?」
「まあ、観光を盛り上げる目的の人間の可能性もあるから一応頼む。」
「タモンさんは何をするんですか?」
「目撃者に接触してみる。何か知ってるかもしれないしな。」
「後で住所とか送っときます。」
二人で捜査方針が決まったところで二人はいったん別行動をする事になった。