けー3
玄宮園の表口には『本日諸事情により閉園』と書かれた看板が置かれていた。道は整備されているが4つの池を九つの橋で周回する庭園となっているため老若男女誰でもすいすいと歩けるほどバリアフリーが進んでいるわけではないし、あまり整備しすぎても庭園としての美しさを損なってしまうだろう。
爆弾が仕掛けられているかもしれないからヘルメット等をかぶった職員の人達が探し回っている。
あまり人数がいないのは人手不足なのか、あまり大人数でやって騒ぎになるのを警戒しているからなのかはわからないが確実に人数が足りていない。
あるかもわからないが無視もできない探し物ほど精神的にも体力的にも辛いものはないだろう。
「どう思いますか?」
考え込んでいたタモンにいろはが聞いた。
「どうもないだろ。人数は少ないけど協力すれば二・三日あれば全面探すことはできるだろうな。いうならバラバラに探すよりは横一列になって探した方が見落としがなくてよくなるだろうくらいだな。手分けしすぎて余計に作業を増やしてるイメージだな。ただ、爆弾が仕掛けられてるかもだからまとまり過ぎてるのもダメな気はするな。」
「何個仕掛けられてるかもいつ爆発するかもわからないならこれが素人にできる限界って所かもしれないですね。
それにしても侵入して仕掛けをしたとして、何か痕跡は残ってなかったんですかね。監視カメラとかもあるみたいだし。」
「残念ながら映像には何もなかったみたいだし、人の足跡何てたくさんありすぎて判別も無理だろうな。
侵入予測地点はこの入り口か?」
「楽々園の方に勝手口があります。そっちからも入れますし深夜なら石垣を登ったり、他の場所から石垣を伝って入ることもできないわけではないでしょうね。」
「じゃあ俺は石垣を誰かが登った後がないかを調べてくるからお前は地図とかで怪しい場所がないかを考えといてくれ。」
「了解です。」
タモンは石垣の方に向かうために歩き出した。




