けー2
「それで?玄宮園に爆弾が仕掛けられてるかも知れないから探してくれって、見つけても処理もできない俺達に頼んできたって話か?」
「爆弾と決まったわけではないですし、そんなものが仕掛けられてたら職員の人だけで見つけけられると思うんですよ。
そうなると超小型爆弾なのかそもそも嘘なのかという話になります。わざわざ何かを探させようとするって事は裏で何か目的があるのかなとか考えちゃうじゃないですか?」
「話題作りにその人達が騒いでるだけじゃないか?
玄宮園って言っても要は庭だろ?枯山水とかみたいな派手な演出があるわけでもないわけだし。」
「何を言ってるんですか。玄宮園は玄宮楽々園として彦根城に付随する遺産として日本遺産に登録されてますし、藩主が隠居後に生活していた楽々亭の改修が最近終わって公開に向けて動いてるなんて話もあるくらいです。そもそも第四代藩主の直興の時に整備された庭園は中国の洞庭湖にある唐時代の玄宗皇帝の離宮を真似て近江八景を模して作られた歴史的にも文化的にも意味が深い庭園なんです!」
「そ、そうか。」
いろはの勢いに負けつつタモンは答えた。おそらくこの依頼を受けた時から色々と調べ出していたのだろう。
何かを検索し始めるとマニアになるまで調べ尽くさないと気が済まないいろはの性格とそれを調べきる事ができるスキルを持っているためどこまでも深く探求していたのだろう。
「そうです。それとこの話を聞いた率直な意見をお聞かせください。」
「そもそも、誰かに危害を加える目的なら予告何てせずにいきなりドカンの方が良いだろう。
例えば探しに来るだろう誰かを狙ったとするなら一回目の捜索の時にすでにドカンっとなってるはずだろうしな。
だから、この事件は誰かに何かを発見させる事が目的で爆弾は仕掛けられていないと思う。
あと気になるのはPSのところだろうな。
『足りない頭でも八岐大蛇のように頭を増やせば妙案も浮かぶだろう』って言うのがわからないな。撹乱目的かそれともこれ自体がヒントになってるかだな。」
「そうですね。とりあえず現場に行ってみませんか?
ほら、刑事ドラマとかでも現場百回って言ってるでしょ。」
「まぁ、いいか。現場を見て見ないと実際に何がしたいのかわからないからな。」
とにかく二人は玄宮園に行ってみる事にした。




