るー13
「犯人は誰だと思いますか?」
いろはの問いには疲れがにじみ出ていた。高田さんはショックが強すぎたのか寝込み続けていて、その面倒を見ていたいろはも疲れてしまったようだ。
「念のために高田さんに家事手伝いとしての派遣という形でいろはを雇って貰ってるから最悪働いた分の給料は貰える事になってる。だが、アルツハイマーの症状がある以上は専門家に介護を頼んだ方が良さそうだな。」
「本人は頑なに否定してますよ?家族でもないから無理矢理に施設に入れる事もできませんし、ヘルパーさんの要請も今の状況では難しいですよ。」
「その辺は社長に報告してから対応を丸投げするとして、この後の捜査を継続するかどうかの判断も任せようと思うがどうだ?」
「まあ確かに社長に任せた方がよさそうですね。報告は任せますよ?」
「わかった。」
タモンはそう言って電話をもっていろはから離れた。
『いや~お疲れ。どう何か進展はあった?』
「依頼人が記憶系の病気だった事で犬の件についての捜査どころじゃなくなってますね。
いろはに関しては別途で申請は出しましたが対応をお願いします。
あとは今後についてはどうするべきかは社長の判断に任せたいと思ってます。」
『犬の件に関しては警察にお任せしましょう。ただ、依頼人の高田さんの問題はある程度解決しておかないとその後に問題が起こると困りますからね。依頼人を少し調べて貰ったのですが親戚や親類がいるわけではないようなので行政的な手続きで対処しようと思います。
そっちは私の方でやっておきますが、本人に自覚を持たせる事はお願いしたいですね。』
「善処します。ところで今回に関して他に何か知ってる事とかはないんですか?」
『そういう風に言われると困りますね。高田氏に関しては別部署ではありましたが相談がありました。
まあ、近所迷惑を解決してほしいというのはありました。ただ、相談が取り下げられたので解決したのかと思ってました。もう半年前の事だったので少し記憶に残ってなかったんですけど改めて見るとおかしな話ですよね。』
「その依頼の依頼者は誰だったんですか?」
『正式に依頼を受ける前に取り下げられたので依頼者は匿名状態でした。』
「なるほど、その辺に関しても少し調べときます。
何かほかに情報があったらまたお願いします。」
『わかりました。頑張ります。』
社長の訳の分からない返答に納得できなかったが電話が切れてしまったので諦める事にした。




