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警察を呼び事情を説明した。
高田さんはショックが強くて気を失ってしまったため、今は休んで貰っていた。いろはとタモンの二人で警察の対応をして、鑑識の人がナッツちゃんの死体を確認していたのでタモンが
「すみません、死亡推定時刻などはわかりそうですか?」
「私も犬のこういう事はした事がないので正確だとはいえないのですが、硬直具合から言うと死後2日または3日は経過していると思います。詳しく検死されますか?」
「それは飼い主の高田さんのご意見を聞かないといけないので、こちらからは言えないですね。
死因とかはわかりますか?」
「首輪の周りにヒモのような物の跡がついてるので絞殺だと思います。かなり強い力で絞めているようなので強い殺意があったのではと思います。」
「なるほど。ありがとうございます。」
タモンは礼を言って離れるといろはが
「さっきの話だと、身代金を受け渡す予定の昨日には既に殺されていた事になりますね。
つまり、最初から身代金は受けとるつもりがなかった事になりますね。」
「怨恨で連れ去ってたなら、しつけのできてない犬をそのままにしておくわけもないとは思ってたけどな。」
「確かにそうですね。
そうなると身代金を要求した理由がわからなくなりますね。連れ去っただけなら接点も少なくできて捜査を難航させられますし、何より死体を送りつける行為が一番なぞですね。必要性を感じませんね。」
「恨みの先がナッツちゃんという犬ではなく飼い主の高田さんならそれも納得だろ。
高田さんを悲しませるために誘拐して、助かるという希望を与えて絶望させる。高田さんが苦しむのが目的なら効果はあったんじゃないか?」
「確かにそうですね。」
二人で話していると警察官が来て、
「あの~高田さんがまだ目を覚まされないのでお聞きしたいのですが、今回の件をどう取り扱えばよろしいですか?
動物愛護法違反、器物損壊罪などの適用になると思うのですが?」
「ああー、とりあえずその辺で捜査を進めてください。
どうするかは高田さんと相談させて貰います。」
「了解です。死体の方は警察で一度お預かりします。
殺害現場に関する情報などがあるかもしれませんので。」
「ありがとうございます。よろしくお願いします。」
警察官達は荷物などをまとめて帰っていった。




