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るー5

山中さんの家に行くとおばあさんが出てきた。

「どちら様?」

「高田さんの家の犬にご友人が怪我を負わされたとの話を聞きまして、それを詳しくお聞きしたいのですがいかがでしょうか?」

「ああ、さっちゃんが襲われた事ね。本当にさっさと殺処分して欲しいくらいよ。私も5年くらい前に足を怪我してね。

色々なところに歩いていく事もできなくなってお友達が遊びに来てくれるのが唯一の楽しみだったのにあんな事があったせいで誰も来てくれなくなったの。

さっちゃんからもその家族からも私は何も悪くないって言って貰えたんだけど、前と同じようには皆が遊びに来てくれなくなったわ。騒ぎ回るし、人に怪我をさせるしで迷惑でしかないのに私達は何もできないからね。あそこの家の人が周りのおうちに謝ったりしてるのも見た事ないし、うちにも一回も来てないのよ?

確かに私は被害にあってないけど迷惑はかけられてるんだから一言あってもいいと思うの。」

「高田さんとは面識はあるんですか?」

「あるわよ、ご両親とはお付き合いがあったから小さい頃とかも知ってるけどご両親が亡くなられてからは道であっても挨拶すらないの。私らみたいな老人とは考え方が違うのかと思って特に何も思ってなかったけど、今回の事はどう考えてもおかしいと思うの。」

「自治会とかで問題になったりはしないんですか?」

「一回、騒音がひどいってなって抗議文をつくって渡した事があったけど無視よ。それに注意されたら逆ギレっていうの?ヒステリックになって騒いだから、今じゃあの人の相手を誰もしたがらないのよ。」

「なるほど。ご友人のさっちゃんさんにはお話を聞かせて貰うこととかはできそうですか?」

「それが動けなくなってボケが進んじゃったみたいで認知症っていうの?になったらしくて今は施設に入ってるの。

まともに話は聞けないと思うわ。」

「そうですか。お時間いただいてありがとうございます。」

「あそこの犬を何とかしてくれるの?」

「どうなるかは保証できないですね。」

「そう、さっさと処分して次の被害者がでないようにして欲しいですよ。」

山中さんはそう言って動きにくそうに家の中へと入っていった。

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