にー6
『いや~報告書を読みましたよ。
暗礁に乗り上げてるみたいですね~。』
「調査のしようもないのですが、何か助言とか解決の糸口になる情報など頂けると助かります。」
『おや、タモン君もお手上げですか?
アドバイスとか言われても私も本業が探偵ではないですからね、お二人に何かを偉そうに言える立場じゃないですよ。』
「我々の知らない事の一つや二つご存知かと思いましたが?」
『あの辺の古民家は長らく放置されていた節がありますね。
道も細いですし現代的な生活をするのも少し難しいし、お城の近くという事もあり、観光客が間違ってウロウロとしている事もありますから住民の中には気にする人もいるかもしれませんね。
更地にして新しいおうちを建てられるなら、対策もできますが家が残ったままだと色々と大変そうです。
そんな所ですからお値段もお安めなのではないかと思います。
まぁ私は不動産の専門家ではありませんから実際はどうか知りませんけどね。』
「あの場所を調べる事が意味を持たない事はわかりました。
それでは何を調べれば良いんですか?」
『タモン君にしては珍しいですね。働き過ぎてお疲れなんじゃないですか?
初歩的な所から調べ直さないといけないんじゃないですか?』
「初歩的な所?・・・・・なるほどそういう事ですか。
じゃあ、そこから調べ直しますよ。でもそれって依頼される前に調べといてもらえるものではないんですか?」
『まあ、何もない所から調べるのも悪くはないと思いましてね。あとは単純に飛び込みだったので調べてる時間がなかったというのもありますからね。色々と確認してみたら面白い事もあるかもしれませんね。』
「わかりました、調べてみます。」
『それではお二人からの楽しい報告を待ってますよ。』
社長は明るく言って電話を切った。
いろはがこっちを見ていたので
「とりあえず依頼人の方から調べ直そう。もしかしたらそこら辺に糸口があるかもしれないからな。」
「そうですね、そっち方面は全く調べてなかったですね。経歴とか調べてみるので人柄関係の事とかご近所さんに聞いてみてください。」
「そうしよう。じゃあ、また調べられたら共有しよう。」
色々と調査の方針を決めてこの日は解散した。