むー7ぶ
次の場所に向かっていると女性のパートさんに呼び止められた。
「探偵さん、少しいいですか?」
「はい、どうかされましたか?」
女性はこっそりと
「実はあの事件があった日におじいさんが倉庫の方に歩いていくのを見たんです。
ただ、見た事もない人だったので誰かはわからないんです。」
「そのおじいさんの特徴とかわかりますか?服装とか体格とかですね。」
「そんなに特徴的な感じはなかったです。服装も良く見るおじいさんって感じでしたし、体格とかは背は高くなくて太ってもなかったなくらいしかわからないですね。」
「なるほど、何色の服でしたか?」
「灰色のシャツだったと思います。そういえば黒色のキャップもかぶってました。」
「なるほど。どっちの方向から倉庫に向かってましたか?」
「レジの方からです。」
レジは入り口の近くにあるので、入り口から直接、倉庫に向かったのかもしれない。
「ちなみに倉庫の向こうには何の売り場がありますか?」
「それが高齢者の方とかが興味ありそうな園芸の物だったり、洋服とかもあるので絶対怪しいとはいえないんですけど、高齢者の方はだいたい同じ人しか来ないのでわかると思うんです。」
「なるほど。他には何か気になった事とかないですか?」
「すみません、それくらいですね。」
「そうですか、ありがとうございます。」
女性が仕事に戻っていくと無線から
「探偵さん、お疲れ様です。そろそろ休憩に入ってください。」
「了解しました。」
タモンは答えて無線を切った。
少し加工した耳栓を外して、周りの音に集中する事にした。




