むー5ぶ
「あっ、店長さん。」
タモンは人払いと事情聴取のために働く事になり、店長を探して許可をとろうと探してやっと見つけた。
「ああ、どうかされましたか?」
「実はうちの松木は集中しだすと同じ部屋に誰かがいるだけで荒れるくらいヤバいやつなんですよ。
それで集中モードに入ってしまったのであの部屋に人を近づけないで頂きたいです。以前、うっかりと集中を乱してしまった時に椅子が飛んできて脳しんとうで救急車で運ばれた事がありまして。身内だったので事件にはしなかったんですけどここで同じような事が起こるとそうも言えなくなるので。」
「な、なるほど。わかりました、従業員に連絡しときます。」
「あっ、それと私が暇になってしまったので何かお手伝いできる事はありますか?さすがにレジ打ちは信用がないと任せられないと思うので品だしとか荷物を運んだりとかやらせて貰いますよ。
人手不足なんですよね?」
「えっ?いいんですか?」
「ええ。松木の集中モードはいつ終わるかわからないので呼びに来るまではお手伝いしますよ。もちろん、お給料はいりません。
どうでしょうか?」
「いや~ありがたいです。ホントに猫の手も借りたい気分でしたから。では、うちのエプロン渡しますね。
内線で松木さんと佐和さんの事も伝えておきます。
色んな所に行って貰うと思うので佐和さんにも内線の使い方教えますね。」
「ありがとうございます。」
エプロンを受け取り内線の使い方も聞いて、段ボールを運び始めた。品だしをしている人の所に段ボールを運ぶ仕事をまかされた。必要なら段ボールから出して並べるのも手伝う事になったので品だしの人と話す事もできるだろう。
段ボールを言われたところに持っていくと中年の女性が商品を並べていた。
「すみません、段ボール持ってきました。」
「あら、探偵さんありがとう。
それにしても大変ね、お仲間に追い出されたんでしょ?」
「いえいえ、自分で避難したんですよ。
まぁ、彼女の集中力によって手がかりが見つかることは多いので、こうしてる価値は僕にもあるわけですけどね。」
「あの仏壇が壊されたの調べてるんでしょ?」
「そうですね、あの事件の日も働かれてたんですか?」
「えっ?もしかしてアリバイとか聞かれてる?ドラマみたいね。」
「事件当日どんな雰囲気だったのかなと思いまして。
別にあなたを疑ってるとかはないですよ。」
「あははそうよね。私はあの時レジにいたわ。
ちょうど混む時間だったから長蛇の列を見てうんざりしてたら、店長達があわてて倉庫に走ってくのを見たのよ。
何かあったのかなくらいに思ったけどレジの仕事があったから見にもいけなかったわ。」
「じゃあ、レジ打ちが終わってから事件を知った感じですか?」
「そうね。警察とかも来てたからかなりヤバい感じはしたけど本当に何があったのかを知ったのは帰る時だったわ。
店長さんがみんなを集めてそういう話をしたの。」
「内線があるのにそれはつかわれなかったんですか?」
「ああ、そう言えばそうね。店長もパニックになってたから忘れてたんじゃない?」
「そうですか。」
もう少し聞こうとしたら内線で次の場所に向かって欲しいと連絡が来たので挨拶をして次に向かった。