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やー10

佐々木さんの家から西今町の方に歩いている間も小窪は何かを考え続けていた。そんな中で小窪は足をいきなり止めて、

「お二人は私が探している物についてどの程度ご理解して頂けているのですか?」

「弥生時代の行政的な遺跡をお探しなんですよね?」

いろはが言うと小窪は少し迷ってから、

「それはもちろんです。ですが、先ほどご案内いただいた佐々木さんのおうちの事を思うともう一つの探し物もお二人は気づいておられますよね?」

「佐々木家の埋蔵金ですか?」

タモンは実際はどのようなものかわかっていないが、それらしい事を言ってみた。

小窪はどう言うべきかを考えるように唸って黙り込んだ。

それを見たいろはが

「小窪さん、我々は依頼を受けてお手伝いをさせて頂いてますがご存じの情報を共有して頂けないと万全のサポートができないんです。私は遺跡の発見者として学会に評価されたい訳じゃないですし、埋蔵金のようなものがあったとしても対応に困るものは手に入れたいとも思いません。

つまり、遺跡の発見者という功績も埋蔵金も小窪さんのものであり、我々は部外者です。

もしも、そのあたりの事を気にして話せないと思われてるならご心配は必要ありません。」

「なるほど、確かに共有しておくべきだったかもしれません。

私は人生の中で肯定される事が多くなかった。

特別に頭が良いわけでもないのに学者に憧れ、学者になれても私のみる夢は他の学者からは異質に映り協力もして貰えた事がない。そんな私は誰かに頼る事も忘れてしまったんでしょうね。

親も友達も妻でさえも誰も私の夢を応援してはくれなかった。

だったら他人のあなた方も信じてくれさえしないと決めつけていたのかもしれません。

お話しさせてもらいます、私の夢を少しでも良いので信じて頂けたら嬉しいです。」

小窪はそう言うと目を一回つむり、続けて

「あれは私が准教授になったばかりの頃でした。

私は色んな人に論文を酷評されて落ち込んでいました。資料の整理をしていると心が楽になるので・・・」

小窪はゆっくりと語りだした。

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