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やー9

野瀬町の佐々木さん宅に着くと60代くらいの女性が近づいてきて、

「探偵さん?お二人とお聞きしてたんですけど?」

「ああ、すみません。探偵は私とヘッドホン男です。

それでこちらの方は考古学者の小窪先生です。

たまたま西今の方で調査をお手伝いしてたので、古い井戸なら専門家なのではないかご同行をお願いしたんです。」

いろはがそれらしい説明をしてくれたのだが、『ヘッドホン男』については文句を後で言おうとタモンは思った。

「そうでしたか。私たちはこの井戸を『触らずの井戸』と呼び、管理とか何もしてこなかったんです。

そしたら最近、急に声のような物が聞こえるようになって、いわく付きなら近づいて呪われるとかも嫌じゃないですか。

でも、野良猫とかが落ちちゃったとかなら助けてあげたいと思うし、そうでなくても不気味でしょうがないんですよね。」

佐々木さんがもっともらしい事を言うが、これもたまたま西今町の近くに佐々木さんが住んでいて、さらに偶然に敷地内に古い井戸があるという奇跡的な事象が重なったために協力をお願いしただけで実際にそんな声が聞こえるとか国司の一族だったなんて事もない。ただの古い井戸を警戒しながら近づき様子を見る。

もちろん何も起こるわけがない。小窪は慎重に近づき、

「佐々木さん、井戸に触ってもいいですか?」

小窪からすれば、この井戸は『触らずの井戸』なのだから勝手に触るわけにはいかないと思ったのかしっかりと確認をとっている。このへんはかなり真面目なんだなとタモンは思った。

「ええ、お願いします。私達は触れないので。」

小窪が井戸を調べ始めた。井戸の中を光で照らして覗き込んでいる。何もないはずなのにかなり真剣である。

「佐々木さん、この井戸は枯れてからかなり時間が経ってますね。中には何もいないのでご安心下さい。

ちなみになんですがこの地図でいうと、この場所はどこに当たりますか?」

小窪は持っていた地図を見せて場所の確認をした。

「ふむ、なるほど西今からそんなに離れていないが物理的に難しいな。となると、この井戸の場所と形状は気になるな。」

独り言をぶつぶつと言い始めた小窪を佐々木さんが見ている。

「すみません、考察モードになってましたね。

もしかしたら井戸の中あるいはそこの方に穴があってそこから風が入る事で音がなってる可能性がありますね。

私は幽霊とかおばけは信じてないので穴から吹くすきま風が原因だと考えますね。あまりにも気になるようでしたら中にはいって貰って穴探しをしてださい。」

小窪はそう言って、井戸から離れていった。

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