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やー7

「結構簡単に見つかりましたよ、共通点。」

事務所でいろはがタモンに向かって言った。

「そんなに簡単だったのか?」

「ネットで調べたらすぐにわかりましたね。」

「それで?」

「宇多源氏佐々木氏ってご存じですか?」

「聞いた事がないな。」

「宇多天皇を源流とする源氏で近江を本領としていた佐々木氏っていう武士ですね。」

「佐々木さんが出てきたのはわかったが他は?」

「まあ、そう焦らないでください。

佐々木信綱という人には4人の息子がいて領地を分けて、泰綱という人が佐々木家の宗家となる佐々木六角氏になり、四男の佐々木氏信が佐々木京極氏になるんです。

鎌倉幕府の中では六角氏が近江守護になって六波羅探題などを任されていたり、京極氏も鎌倉で幕府の要職についてました。京極氏の家系の中からでた佐々木道誉(ささきどうよは足利尊氏と共に北条氏打倒に加わって足利政権では有力者になってます。

室町後期の戦国時代には六角氏の方が勢力的に強かったですけど、京極氏から下剋上した浅井氏に押されるようにもなりました。歴史的には佐々木から分流した六角・京極が近江を支配していたわけですね。

小窪さんが探してるのがこの人たちの子孫ならそれに関係する何かを探しているという事になりますね。」

「かなり昔から治めていた佐々木氏関係のお宝でも探している感じなのかもしれないな。」

タモンは冗談のつもりでいったが、本当にそうではないかと思えてきた。

「もしも、佐々木氏関連のお宝が隠されているという文献を見つけたけど場所の特定まではできなかった。または彦根市にある遺跡に隠したという所まで書かれていたが場所はわからなかった。

現在、見つかっている遺跡にはそれらしい宝が出土した報告はないから未発見の遺跡があるのではないかと思っている。」

「佐々木氏の宝を見つける事ができたら未発見の遺跡も同時に見つけられて手柄が二つになるし、遺跡の発見に紛れさせれば佐々木氏の宝はうやむやにして大金を手に入れる事もできそうだな。」

「タモンさんならどっちにしますか?二つとも発表して学者として有名になるか、遺跡だけを発表して現金を手に入れるかですね。」

「学者としてあまり評価されていない事に不満があるなら両方発表するだろうし、佐々木氏のお宝がすぐに現金化できる物ならいいかもしれないが歴史的な価値がありすぎると出所が問題になって責められるかもしれないから普通に両方発表する以外にないと思うな。」

「本当にあると思いますか?」

「戦乱の中で失われた物って色々とあるとは思うが、どこまで信じられるかはわからないな。」

「とりあえず、これを頭において小窪さん様子を観察した方が良いですね。」

本人から聞いたわけではないが細かい情報から少しずつ可能性を探っていくのは楽しいなといろはは思った。

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