「あー8」
「現在、話を聞けてるのは何人なんですか?」
いろはが聞いた。
「今のところ4人だな。残り二人はまだ接触できていない。」
「残りの二人はどんな状況なんですか?アポは取れましたか?」
「連絡すらついてないな。まあ、いきなり探偵から連絡が来て会いたいなんて簡単に対応しない方が良いに決まってるからな。」
「まあ、うさん臭さでいうと息子が家にいるのにオレオレ詐欺の電話がかかってきた時くらい怪しいですからね。話の聞けた二人はどんな感じでした?」
「Cさんが60代男性で元警察官の人で交番で働いていた後輩に差入を持って行った帰りに目撃したらしい。本人曰く、心霊現象とか全く信じてないし実際に銅像の目が光ったとしても見間違いだと自分に言い聞かせてその場を立ち去ったらしい。家に帰った後で家族にその話をしたところ、家族はすでに噂になっていた直政像の件をCさんに話して見間違いではなかったのではないかとなったらしい。本人は全く納得できていないらしいが家族が広めたらしいな。」
「話を聞いた範囲では全然怪しくないですね。おかしなところはなかったんですか?」
「何でその日に限って、差入なんか持って行ったのかという話は奥さんがしてたよ。本人はその日はそういう気分だったってだけと言ってたけどな。」
「怪しくもないって感じですね。話を聞けてるもう一人はどんな感じなんですか?」
「Dさんは60代女性でパートの仕事帰りに駅から帰ろうとしたところで目撃しました。正直に言うとこの証言は嘘だろうなと思うな。近所の人の話ではDさんは少し虚言癖があるらしい。
パートとかは本当だし仕事帰りに駅を通ってるのも本当だけど、目撃した時の状況とかが不自然すぎてこれは話を盛ってるなという感じだから被疑者にも入らなそうだな。」
「他に気になるところとかはなかったんですか?あえて虚言癖とかを前面に出してごまかしている可能性とかもあるわけじゃないですか。」
「正直ない。正面から話を聞いてても自分をよく見せようって感じが出てたし、常に話を盛ってるイメージしかなかったな。」
「なるほどね、そういえば例のアンチの人も調べられたけど色々とわかりましたよ。
聞きたいですか?」
「もったいぶるって事は何かわかったって事だよな。」
「フフフ・・・」
いろはは意味深に楽しそうに笑った。