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序章 彦根と世界遺産

『彦根城を世界遺産に』をスローガンにしている彦根では不可解な出来事が多発していた。

特に誰かが傷ついたり金銭的な不利益を被ったわけでもない。

むしろ話題を集めて観光客を集めているので悪い事ばかりではないが、不思議な事件が解決されないままに放置されているのは少し現地の人間としては居心地の悪さを感じる。

そもそも彦根市は滋賀県の東部に位置し人口11万3,700人くらいの街である。

戦国時代好きなら知らない人はいない石田三成や徳川家康の重臣であり徳川四天王として有名な井伊直政が治めていたという歴史的にも伝統がある街である。

その伝統を象徴するものが彦根城である事は間違いない。

現在、国宝になっている彦根城の天守が完成したのは西暦1606年の事であり約420年の歴史を持っている。

明治時代になると多くのお城が取り壊されていたが彦根城は大隈重信の上奏によりそのまま残されたとされている。その彦根城を世界遺産にしようとする動きは歴史的な価値からすれば当然ともいえる。

ユネスコの定める10項目の登録基準のうち6項目が文化遺産、残り4項目が自然遺産のものである。

当然、彦根城の登録を目指すのは文化遺産でありその項目は

(1)人間の創造的才能を表す傑作である事

(2)建築、科学技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展に重要な影響を与えた、ある期間にわたる価値観の交流又はある文化圏内での価値観の交流を示すものである。

(3)現存するか消滅しているかにかかわらず、ある文化的伝統又は文明の存在を伝承する物証として無二の存在(少なくとも希有な存在)である。

(4)歴史上の重要な段階を物語る建築物、その集合体、科学技術の集合体、あるいは景観を代表する顕著な見本である。

(5)あるひとつの文化(または複数の文化)を特徴づけるような伝統的居住形態若しくは陸上・海上の土地利用形態を代表する顕著な見本である。又は、人類と環境とのふれあいを代表する顕著な見本である(特に不可逆的な変化によりその存続が危ぶまれているもの)

(6)顕著な普遍的価値を有する出来事(行事)、生きた伝統、思想、信仰、芸術的作品、あるいは文学的作品と直接または実質的関連がある(この基準は他の基準とあわせて用いられることが望ましい)。

とされており、おもに(4)と(5)のあたりの基準での評価が期待されるところである。

ただ彦根城のみの存在で評価されるわけではなく、それを取り巻く伝統的・文化的な要素が求められている部分も少なくない。特に文化的な行事が開催されているのかという部分で彦根市はあまり多くないために難しいとされる見方も存在しているのが現状であり、そんな中で不可思議な事件が起き始めているのであった。

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