隣のあの娘はくーる?
ルーレットで決めた設定
女主人公
現実
恋愛なし
バトルなし
ファンタジー要素なし
登場人物9人
1000文字以上書く
比率男が多い
高校に入学して1ヶ月。
クラスメイトのこともある程度わかってきた。
「うぇーい、マジ朝だりぃわー」
「それな、まじそれな」
「灰になる。朝は我々闇に生きる者の敵だ」
馬鹿の池田。
相槌マスターの多田。
深淵なる中二病の深田。
田んぼ4銃士のうち3人がいつも通り朝からかみ合ってるようなずれているような会話を繰り広げている。この三人が話しているともう一人の銃士もすぐにやってくる。
「お前ら三人ともうるさいぞ」
「委員長、おはー」
「委員長、それなそれな」
「委員長よ、おはようと言っておこう」
我らが委員長の和田。
男子ではこの四人が一番目立っている。
女子で目立つのは3人だろう。
「今日はマカロンを作ってきたわ!」
「おおーお母さんののスイーツぅぅ!!」
「もう、抱き着かないでよ。って誰がお母さんよ!」
スイーツを持ってきたのは金髪ギャルに見えるけどお菓子大好き、作るものはプロ並み。みんなのお母さん、母妻さん。
お母さんに抱き着いてるのは食べるの大好き、お母さん大好き。クラスの娘、小子ちゃん。
そしてもう一人。学校内で1位2位を争うほど美人。近づくものはその美貌に凍ると言われている。クールを極めクールの申し子とも呼ばれている。女王、氷川さん。
そんな彼女と隣の席な私は毎日ドキドキしている。いやドキドキとは違うかな。によによしちゃう。たまに気持ち悪いと言われるぐらいに。
もうそろそろ彼女が来る時間ね。
ガタッ
来た!
「氷川さんおはよう!」
「ええ、おはよう」
そっけなくクールに返事を返す氷川さん。お楽しみはここからだ。
彼女が椅子を引くと――
「ふぐぅ!」
いつも通り、脛に椅子をぶつける。
本当の彼女はクールでは全然ない!
隣の席な私だからこそ見れるこの景色。ごちそうさまです!
きっ!
いつも通りによによしていたら睨まれてしまった。
「なに見ているのかしらっ!」
「な、なんでもないです!」
「ふん」
ドスン
「いったー!」
「ぶふっ」
2コンボ目。次は椅子に座りそこねました!
良いシーンありがとうございますっ! ご飯3杯はいける!
「椅子がボイコットしているようね。私はクールだから特別に許してあげるわ」
だめだ、自分で自分をクールって言ってる。笑いすぎて、お、お腹が痛い。
「なに笑ってるのかしら。気持ち悪いわ」
「ぶふっ。ご、ごめんね。お詫びにこれあげるから」
机の中から私はバームクーヘンをだす。
この1ヶ月彼女を観察し続けた私はとっくに好みなんて把握しているに決まっている。
「え、いいの?! じゃなかった。ありがたくいただくわ」
素の言葉が出た。彼女のクールはおそらくわざとだ。おそらく本当に氷川さんはど天然だろう。それにおそらく甘えん坊だ。なぜなら
「んー! ママこのバームクーヘンおいしい!」
顔をきらめかせながらこちらを見てくる。いつも家ではこんな感じなんだろう。
それにしてもママ、ママって。あ、やばい鼻血がでそう。
によによ「氷川さん、家ではママって呼んでるんだね」
「なっ、違うのよこれは! そうマンマミーヤといったのよ!」
「マンマミーヤ!!」
「なによ?!」
だってマンマミーヤだよ?
ママって言ったのを誤魔化すためにもっと面白いことになってるよ。
さらにご飯がすすむね。
「おーい、そろそろ席に着けー」
先生が教室にはいってきて、ようやく氷川さんの天然ボケは一旦区切りがついた。
そう、ただ一旦なだけ。学校は始まったばかり。彼女の天然はここからが始まりだった。
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・・・
・・・・・・
持ってきたご飯足りるかな。おかずが尽きないね!