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越冬

 越冬に入りました。

 私はウォルテールについてまわり、その都度その場で彼にやるべきことを指示し、考えるべきことを伝える日々となりました。


「見た目と名前、匂いを覚えなさい。顔と匂いを一致させるのは得意でしょう? そこにもう少し加わるだけです」

「書類仕事のできない従者など役に立ちません。

 サヤ様はこちらの文字を一文字も知らない状態から、十日も掛からず全て覚えたのですよ」

「剣を使えるようになる意味は当然あります。

 貴族の方々は正しい剣の扱いを身に付けておられます……つまり、基本に則った動きが多い。なので剣術を知れば先読みも容易(たやす)いです」


 ウォルテールにとってはかなり厳しい日々でしたでしょうが、彼は気合で食らい付いてきました。

 泣き言を言えば従者に適さないと言われてしまうと思ったのでしょう。本当に、鬼気迫る様子でしたね。

 彼を徹底的にしごく私に、武術訓練中の衛士や騎士らも引き気味でした。そうやって連日ウォルテールは、精神力と体力の限界まで挑む日々となったのです。


 それに合わせ、私も彼から犬笛の音の聞き分けを学びました。


「舌を使って音を震わせるんだ……」

「一文字ずつ喋るより、決まりの語句を覚える方が早い。だから、文字はどうしてもそれでは表せないものがある時に使う」

「文字で表現するときはまず合図を挟むんだ」


 今まで聴き続けておりましたし、なんとなく漠然と意味を理解していた音もございましたから、さほど苦にはなりません。

 一の月が終わる頃には、簡単なやり取りならばこなせるようになっておりました。


「……ハインさんって……頭良かったんだ……」

「良くなくて従者が務まると思うのですか」

「いや……なんか興味ないって風にしてること多かったし……」

「そうしておく方が良いのですよ。余計なことを知っている従者など、害にしかなりません。

 ですから、聞いていても聞いていない風に振る舞うのです」


 獣人は学が無いと思われているでしょうからね、その先入観を利用なさいと言うと、微妙な顔をしてましたね……。


 更に並行して、私が住む家を確保するため、晴れた日には空家巡りを致しました。

 これにはギルが付き合ってくれましたので、大変助かりましたね。雪の中で杖をついて歩くのは、とても難しいことでしたので。


「本当に平家で良いのか? 絶対上階が必要だと思うぞ?」

「この脚で二階が使えるとお思いで?」

「いや、お前は使わなくても、住み込みになる使用人とかが使うんじゃねぇの?」

「……成る程」

「あのなぁ……」


 ガシガシと頭を掻いて唸るギル。

 彼も半月ほどは私の説得に明け暮れていたのですが、このアヴァロン内で家を買い住むことを告げますと、やっと納得してくれました。

 メバックに来い、うちに住めとも言われたのですが……それも拒みました。

 世話になり続けるなど嫌でしたし、やはりレイシール様に何が起こっているかは、把握しておきたかったのです。

 アヴァロンを離れてしまっては、せっかく覚えている犬笛も意味をなさなくなってしまいますし……。


「……やっぱりメバックに来りゃいいんじゃねぇ?」

「くどいです」

「……だってお前……使用人を雇えると思うのか?

 お前が獣人だってことは、もう知れ渡ってるんだぞ?」


 まぁ傷だらけで手足を欠損し、片目が無い獣人は特徴的ですからね。


「他より良い給金で雇いますので平気です」

「…………それで済むとも思えねぇんだよなぁ……」


 苦い顔でそう言うギル。

 何かうだうだと考えていたようですが、結局痺れを切らし。


「……あぁもう、正直に言うぞ! あのな……お前は結構な小金持ちで、体を不自由にしてる。

 そんな奴は抵抗なんざできない良いカモだろ? 家のものを持ち逃げされたりとか、下手したら強盗とかだな……」


 正直にと言ったくせに、獣人だから、不安や怒りの捌け口にされるのでは……とは、言わないのですから、甘いですね。


「アヴァロン内でそのようなことをしても無意味ですよ。

 吠狼の目があるというのに……」

「そりゃ強盗は捕まるだろうけど! その前にお前が害されでもしたら、レイはどうなる⁉︎

 あいつをこれ以上悲しませるようなことにはしたくねぇだろうが!」


 私がどうなろうとも、彼の方はもう崩れたりはなさいませんよ。

 と、そう口にすることは控えました。

 レイシール様は、もう私がおらずとも立ち上がることができる方です。けれど……傷つき悲しまれることもまた事実ですから、それをさせたくないと言う彼の言葉は否定できませんでした。


「……男の使用人は雇わぬように致します……。

 女性ならば、まぁ……そこまで遅れは取らないと思いますしね」

「……でも、しばらくはうちからの使用人を通わせる。それだけは納得しろ。

 丁度研究所を立ち上げるついでだから…………って、嫌な顔してんじゃねぇぞクソがぁ……っ!

 お前が一人暮らしに慣れるまでの間で妥協してやる気がなくなるだろうが⁉︎」

「致し方ありませんね」

「感謝する気も無しか⁉︎」


 そんなやくたいもないやり取りをしながら家々を回り、治療院のほど近くにある一軒家に決めました。どうせ医師の世話になることも多いでしょうし、吠狼の隠れ家も近かったのです。


「食事なんかはどうすんだよ……」

「作れる使用人を雇うか、食事処を利用しますよ」

「……お前、自分でそれができねえのが……辛かったり、しないか?」

「そのようなこと、言ったところでどうしようもないでしょうに」

「そりゃ、まぁ……」


 だけどなぁとまた、表情を曇らせるギル。

 考えても苦しくなるだけのことは、考えない。それが今私にできる唯一のことです。


「……たまに遊びに来てください。暇が潰れますから」

「…………おぅ」


 どうせこれからの人生、暇ばかりですからね。


 その言葉は飲み込みます。

 私が現状をどう思っているかを知れば、この男はどうせ、やっぱりメバックに来いと言い出すのでしょうし、それすら苦しいのだと知れば、考えても仕方ないことでまた頭を悩ませてしまうのでしょう。

 ですから、私も思考を切り替えました。そんなことに(かかずら)っているより、越冬のことです。


「それよりも、この冬に研究所を立ち上げる話を持ち出したのも……どうせ口実なのでしょう?」

「………………」


 おおかた、冬の間に獣人と人の摩擦が大きくなることを懸念して、ここに顔を出す理由が欲しいと思っていたのですよね、貴方は。


「レイシール様も察してらっしゃいますよ、それ」

「分かってる! けどな、少しでも理解者は多い方が良いだろうが!」

「言い当てられたことに腹を立てるなんて大人気ないですよ」


 そう言うと、ギルは子どものように口元をひん曲げました。

 年下の面々には見せない、聞き分け皆無な姿……。それを私に晒すようになったのは、いつからだったでしょうね……。

 言葉で何を約束したわけでもありませんでしたが、彼は私を友と認識しており、そのうえ対等な相手と思っているのだから、おかしな話しです。

 今だって、越冬中とはいえこうして獣人の私と歩いている。

 自分こそ、メバックでも、それなりに苦労しているのでしょうに……。


 こんな風に、本来なら得られなかったはずのものが、いつの間にやら手中にある。

 これを幸せと言うのでしょうし、私はもう、それだけのものを得ているのです。これ以上など、考えては天罰が下ります。

 私としたことが、随分と贅沢に慣れてしまっていたのですね……。

 これほどに得ているというのに、不満だなんて。


「……時間の問題ですよ。そのうち嫌でも皆慣れますから、あまり焦らないことです」


 何をどう言おうが、世界の歯車はこのように噛み合いました。

 フェルドナレン王家が受け入れたのですから、この国はもうこの道を進むしかない。

 衝突が起きようが、死人が出ようが、陛下の御世にこれが覆されることはまず起こらないでしょう。

 だから、今の状況にあまり気を落とさないことです。

 そう言ったのですが、ギルはやはり納得いかないという風に、その美しい(かんばせ)を歪めたままです。


「けど……獣人だって知らなかったうちは、普通にやりとりしてたんだ……。

 お前らは何も変わらないのに……なんでそれが伝わらねぇかな」

「貴方やレイシール様のような危機感の足りない者ばかりでは、社会が成り立ちませんよ」

「あぁ⁉︎」


 (いきどお)りを滲ませて、そう言ってくれる貴方がいるから、私はそのうちきっと、人と獣人が上手くやれる世になると思えるのですけどね。

 無論、本人には言いはしませんけれど。


「まぁ、時間にだけ解決を任せているのも良くありませんね。

 ギル……貴方からとして、レイシール様に進言していただけますか?

 越冬最中に、メバックやセイバーン村に吠狼の犬橇による送迎を行い、獣人の有用性を示してみるのはいかがでしょうかと。

 どうせ貴方がここに来るのにも、利用しているのでしょう?」


 そう言うと、嫌そうに表情を歪めます。


「自分で言えよ……」

「私はでしゃばらぬ方が良いのですよ。もう引退する身ですからね」

「……二十代で堂々と隠居生活かよ」

「えぇ。悠々自適というやつです」


 取り合わない私にまた嫌そうな顔をしつつ、それでもこの男は、どうせ断れないのだと知っています。

 無駄に世話焼きで、情に厚いと苦労しますね。


 そうして結局、私の提案は受け入れられることとなりました。

 越冬のこの時期に、本来ならばあり得ないことですからね。この事業は大いに歓迎されたのです。



 ◆



 意外に思うかもしれませんが、現状に狼狽えているのは主に人側で、獣人の方は案外落ち着いておりました。

 まぁ、アヴァロン内では……と言う注釈がつくのですが。

 領主が我々獣人を認め、我々の主であるという特殊な街ですから。ここ以外がそんなに容易く回っていたとは思いません。

 けれど、この国内に、北の地以外でここまで獣人が集っている場所は他に無いでしょう。

 そういった意味で、人と獣人が共存できるかどうかは、この街の行く末にかかっていたと言えます。


 レイシール様は人に対し獣人らのことを理解してもらえるよう心を尽くし、獣人らには人の考えや不安を話し、寛容であるよう言葉を尽くして、間を保つことに尽力していらっしゃいました。

 その中の行事ごととして、ひとつ行われたことがございます。


「とーちゃ、かーちゃ!」


 ぶんぶんと手を振るロゼ。その肩に手を置き、やって来る橇を待ち受けるその叔母、スザナ。

 街人らが見守る中、遠くに動く小さな影が現れ、少しずつ大きくなってきました。

 街の入り口付近で本日は、新たな村人を迎えるために、レイシール様を筆頭とした代表者と、街人らが集まっておりました。

 本日は、ウォルテールは出席を控えておりますため、致し方なく、私が従者を務めております。


 まだ遠い影を前に、我々は黙ってただ、立ち尽くしていたのですが……。

 そこから、不意に影が飛び出しました。黒い小さな塊でしたが、それが思った以上の速度でこちらに迫ってまいります。


「レイル、サナリー!」


 そう叫ぶロゼ。そのロゼに思い切り体当たりしてきた影は、叔母ごとロゼを押し倒しましたよね。


「ねーちゃ!」

「バウワゥわうホぅ!」


 変な吠え方をしているのはレイルです。押し倒したロゼの顔をベロベロと壮大に舐め回しております。

 我々がロゼと出会った頃は、ロゼが丁度これくらいだったのだ……と、そう思うと感慨深いものがありました……が、唾液まみれはいかがなものかと……。

 そんな姉弟の戯れを見守っていた中から、レイシール様とサヤ様が進み出て参りました。

 急に近付いてきた人に、一瞬で幼い二人が警戒を示しましたが……。


「サナリ、レイ様とサヤ様は怖くない! 臭いだって知ってるでしょ?」


 そう言ったロゼの言葉で、表情に困惑を滲ませました。


「……れいさま?」

「そう! レイルとサナリのお名前、もらった人だもん。怖くないよ!」

「クウゥゥ?」

「あれ、臭い覚えてない? 二人とも遊んでもらってたよ」

「ロゼ……もう四年も前のことだから……流石に難しいと思うよ」


 連日の疲れが抜けきらない様子のレイシール様でしたが、そう言いつつも表情は穏やかでした。

 そうこうしてる間に橇もアヴァロンに入り、我々から少し離れて止まって、小さな女児を抱えた、顔がほぼ狼のそれであるノエミと、ホセが揃って橇から下りました。

 周りで様子を見守っていた街人らが、騒めきます。

 明らかに獣人であると分かるノエミと、連れ立って歩くホセの姿にです。ホセを知る者はこの街に多くおりましたし、尚更でしょう。

 腕に抱えた幼児は、一見すると人となんら変わらぬように見えました。

 大きな毛皮に包まれた幼児は、状況が理解できていないのかキョトンとしておりましたが、しきりに鼻を鳴らしております。知らない臭いが沢山あることに興味を惹かれているのでしょう。

 その三人に歩み寄る、レイシール様。


「あぁ……カロン……だよな?」


 その言葉にオドオドと落ち着かない様子を見せつつも、ノエミが頷きます。


「良かった。去年はお前たちを失ってしまったかと……もうカロンには会えないのかと、思っていたんだ。

 申し訳なかった。急な状況に、きっと慌てさせてしまったろう。

 今回だって、良く……村を出る決心をしてくれたね、ノエミ……。ありがとう、ホセ」


 この家族は、アヴァロンに移り住む決意を固めたのです。

 アヴァロンで幼年院に通いつつ、嗅覚師としての職務もあるロゼ。彼女を一人この地に置いておくことをやめ、家族揃って暮らすことを選んだそう。

 離れ離れで、お互い寂しい思いや、悲しい思いをしないよう、共にあることを決心したのです。


 あの騒ぎでホセたちも、アヴァロンに預けていたロゼを失ったと考えたのだと、聞きました。

 懇意にしていたウォルテールが街で獣化し、貴族を襲ったとエルランドから聞いた時は、頭が真っ白になったと言っておりましたね。

 そんなことがあるはずない。彼は我々と共に暮らした仲間なのだから。


 そう思いつつ、何かの折にふと、視線を彼方にやって陰った表情を見せるウォルテールに、気付いていたそうです。

 何か事情があるのかもしれないと思っていたけれど、踏み込まないでいた。人の世から逃げて倒れていたと聞いていたのだから、手を差し伸べてやるべきだったと。


 街のことを知らせてくれたエルランドらに、ここへ来るのが精一杯で、ロゼたちを連れ帰れなかったと聞いても、彼らを責めなかったそうです。

 そんな行動が取れる状況ではなかったと、察していたから……。


 少なくとも、ロゼとスザナは人でした。

 鼻が獣人以上にきくのだとしても、形からは獣人との縁を感じることはありません。

 だから、敢えてこの村への報告を優先し、脱出することを選んだと、理解していたのです。


 それから直ぐ、獣人らはいざという時のために用意していた避難場所へと移動したそう。

 越冬間近であったから、軍や神殿騎士らが村を襲撃してくるかどうか、可能性は半々。どうするにしても、準備をするための時間稼ぎが必要です。なのでまずは避難を済ませ、次に考えたのは北への逃亡。避難場所には吠狼らの橇もありました。

 ローシェンナには、万が一があった時は北の地へと逃げるよう言われており、村に残っていた少数の吠狼らもそれを勧めたといいます。

 けれど、村人たちは、避難場所に残ることを選択致しました。

 もし、ロゼやスザナが村まで逃げてきた時、ここに何も無く、誰もいないでは、二人を死なせてしまうことになるからです。

 村人の決意を知り、村に残っていた吠狼らもその場に全員残ると決めました。

 もしもの時は、村人をギリギリまで守るために。

 人数が少なかったため、一人でも戦力が欲しい状態だった彼らは、伝令を走らせることも諦めました。

 結果……。

 陛下の決断。

 そしてアヴァロンから急使が走り、村の獣人らは陛下の保護下に入ることが告げられ、命が繋がることが決まりました。


 この決断が急がれたのは、ロジェ村が干し野菜の製造拠点であり、アヴァロンの越冬食糧の一端を担っていたというのも大きな理由でしょう。

 まだ干し野菜は全てが運ばれておらず、半数近くが輸送待ちの状態でしたから。

 勿論、ごたごたのせいで干し野菜の輸送は大いに遅れ、越冬に入っても運び切れていなかったのですが、アヴァロンや村に残っていた吠狼らが、少ない獣化できる者を駆使して少しずつ運んだそうです。

 それによりアヴァロンは、獣人を恐れつつも食糧確保のため、彼らを受け入れるほかなかったということでした。


「ノエミ、カロンを抱かせてもらえるかな……」


 私が物思いに耽っております間に、レイシール様はノエミらと言葉を交わしておりました。その中で、最後のその言葉が耳に届き、私も思考を中断いたしました。

 ホセをチラリと見たノエミ。

 ホセは優しい笑顔で頷き返し、ノエミの腕からカロンを受け取り、レイシール様に歩み寄りました。

 勿論まだ幼いのですが、赤子という時期は過ぎているカロン。

 その小さくともしっかりとした生命の形を、レイシール様は大事そうに抱えました。


「あぁ、カロン……やっと会えた。初めましてだな。

 ありがとう、カロン。生まれてきてくれて。お前は、私の大切な希望。夢のひとつなんだよ……」


 そんなこと、幼子(おさなご)に言っても分かりませんよ……。


 そう思ったものの、本当に嬉しそうにカロンを抱く姿は、それなりに象徴的でした。

 右手の先がありませんから、とても慎重に抱えられたカロン。

 初めはびっくりしたのか硬直しておりましたが、急にくしゃりと顔を歪ませ、次の瞬間には盛大に泣き出してしまいました。


「あ゛ア゛ああぁぁぁぁ、にーちゃああぁぁ!」


 ……人見知りですね。


 ジタバタと暴れるカロンを落としそうになったレイシール様は、慌ててその場にしゃがみます。

 すると、駆けてきたレイルがレイシール様の腕に前脚を引っ掛け、腕の中のカロンをペロリと舐めました。鼻を擦り付けて、まるであやすかのような仕草。


「ははっ……レイル、お前ちゃんと、お兄ちゃんをしてるんだなぁ」


 もうそれなりの大きさに育っているレイル。

 レイシール様がカロンを地面に下ろすと、カロンはその短い足でレイルに歩み寄り抱きつきました。


「カロ、レイルはサナリのーっ!」


 途端に怒りだしたサナリ……。

 兄弟喧嘩勃発。

 呆気に取られる街人や我々の前で、幼子らは掴み合いの喧嘩となり、慌てて大人が仲裁に入り……。


「……平和でなによりです」


 周りの緊張感もなんのその。

 のどかなその光景に、私はそう、呟きました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 番外編の存在に気付かなかったやつ。お久しぶりです。 まぁ途中で気づきましたが、今更誤字指摘するのも(誤字だけかい)……と思いましたがやっぱ書きますw カナキュン、ちゃんと過去を乗り越えて…
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