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20の質問

作者: 苔石

初投稿です

よろしくお願いします

「これだ!?」

「あかり、うるさい。」


お姉ちゃんに怒られながらも、私、高田あかりは興奮を抑えきれなかった。


「聞いて、お姉ちゃん。光一の好きな人を聞く方法を思いついたの。」


光一は幼稚園の頃から仲の良い男友達。そして私の初恋の人である。


「20の質問って知ってる?'はい'か'いいえ'で答えて、思い浮かべている物を当てるゲーム。これで好きな人を当てるゲームをするの。よくない?」

「アキネータ○みたいなことをするわけね。それはそうと、高校生にもなって告白もできないの?まぁ、あかりが良いのなら良いじゃん、子供っぽいけど。」


告白ができるなら苦労してないし、何年もこんな思いしてないよ…。子供っぽいってお姉ちゃんも酷いこと言うなぁ。


「肉食系女子なお姉ちゃんとはちがうんですぅ~。私は純情なんですぅ~。」

「はいはい、頑張ってね。」


妹のことを気にかけてくれないなんて、お姉ちゃんは薄情だなぁ。そんなことより光一の好きな人を聞くために作戦を考えなきゃ。





作戦を考えていたせいで昨日はよく寝れなかった。朝から席に座って眠りに落ちそうになっていた。


「あかり、おはよー。眠そうだね。」

「恵梨香おはよ。」


恵梨香は高校に入ってからの友達で同じ軟式テニス部に所属している。気さくな彼女と私は相性がいいんだろう。すぐに仲良くなった。


「ねえ、聞いて。光一の好きな人を聞き出す方法を思いついたの」


私は昨日思いついたことを話した。


「なるほど、アキネータ○みたいなことをするのね」


その反応、昨日も聞いた気が…


「だけどそんなことでうまくいくの?」

「えー、どういうこと?」

「まず彼に好きな人がいる前提じゃん」


た、たしかに。そこからいくつか問題点を指摘された。そして最後には、


「あと何より子供っぽい。聞いてて少し恥ずかしいよ。あかりってたまにめんどくさいよね」


なんかお姉ちゃんに似た反応されたんですけど。私ってそんなにめんどうなのかな?


「そこまでしても光一の好きな人知りたいもん」


そういって光一の方を見る。

光一と目が合った。そのとたん光一は鼻で笑ったかのようなそぶりをみせて目をそらしてきた。


「恵梨香今の見た?絶対私のこと見て笑ってきたよ」

「そーね、ツンデレってやつじゃない。」


そんな話をしていると朝のSH の時間になった。


「そんじゃがんばってね~。その相談には乗らないからね」


えぇ!作戦について相談しようと思ってたのに。ダメなとこ教えてもらえただけ良いか。

嘆いてもしょうがないので私は授業中や休み時間に作戦を練り直した。

そのたびに光一を見るんだけど、今日はやたらと目が合うような気がした。




今日一日かけて考えた作戦はこうだ。

まず、好きな人がいるか聞く。そこから好きな人がだれか言い合うように仕向けてそこであのゲームをする。

20個の質問も完璧に考えてある。光一の好きな人が私の場合もそうじゃないときも。

私じゃなかったらどうしよう。考えていたら悲しくなっていた。

意を決して光一に メールする。


『ねぇ好きな人っている?』


聞いてしまった。これでいないって言われたらどうしよう。恵梨香にも言われていたけどいない場合のことは考えていない。

もう日を超えそうだけど返信いつ来るかな。

10分もしないうちに光一から返信が来た。


『いるよ』


おぉ。第一関門突破。これはチャンス!


『ちなみにだれ??』


そのまま言ってくれたら一番楽なんだけど。


『恵梨香』


え!は!まじで!?


『まあ嘘なんですけどね』

や、嘘でもあり得ないんだけど。

『冗談にしてはきついよ』

『そもそも名前で呼んだことないでしょ』

『ごめんごめん』


絶対悪いと思ってなさそうだけど今は気にしない。


『ほんとはだれなの??』

『秘密』

『というかお前こそ誰なの』


これを待っていた。


『私も秘密』

『だけどいい考えがあるわけよ』

『20の質問ってゲーム知ってる?』

『うん、どうしたん』

『それで好きな人当て合うのよくない??相手に質問して好きな人を予想するの』


既読はすぐについたけど返信が来るのに少し時間がかかっていた。


『いいよ』

『でもいくつか条件つけさせて』


条件って何よ。提案した立場だから文句は言えないけど。


『・質問の数は20ではなく5

 ・お前が先に五つ質問してそのあとに俺がする

 ・人を当てるのは互いが質問を終えた後の一回きり、それ以外は無効

 ・一回だけ質問に対して嘘をついてよい

 ・二回以上嘘をついたら嘘をついた人だけが相手に好きな人を教える』

『これならいいよ』


こまかっ。なんでこんなにめんどくさいの。恵梨香、私より光一の方がめんどくさいよ、たぶん。というかこれじゃ準備した意味ないじゃん。質問の数少ないし。まぁ光一が受けてくれただけでいいか。


『おっけー』

『じゃあどうぞ』


とりあえず私の可能性を信じて質問してみよう。


『同い年ですか??』

『YES』


とりあえずは良さそう。同じクラスの女子より同じ部活の女子の方が少ないからっと、


『軟式テニス部ですか??』

『YES』


え、ほんとに?これはワンチャンあるかも。次はテニス部内で私を判別する質問ね。


『その人は普段裸眼ですか??』

『YES』


ほんとに!?ここまでくると私と恵梨香とあと一人しかいないよ。しかも恵梨香は違うってさっき言っていたし。


『その人の髪は長いですか??』


これは私と恵梨香に共通する特徴だ。これで'はい'なら…


『YES』


や、これもう私しかないじゃでしょ。こんなにわかりやすくしてくれるなら初めから私だって言ってくれればいいのに。


『それってわたし?』

『ルールどおりその質問は答えないよ』


あ、やらかした。


『これで五つの質問したから次は俺のばんね』


これはしてやられた。なんでこんなことにすぐ頭が回るのかな。


『ちなみに、一回は嘘つけるの忘れてないよね』


あ、完全に忘れていた。これもう何もわかってないのと一緒じゃん。もしもテニス部じゃなかったらどうしよう。せっかく光一の好きな人知るチャンスだったのに。何もできなかった。


『俺から質問行くよ』

『あなたは彼のことを世界で一番愛していますか』


何この質問、光一ふざけているのかな。


『うん』

『へー』


興味なさそうな返事しないでほしいな。


『実はな、このゲーム必勝法がある』


まだふざけているし。私もりんごの投票のやつ好きだけどさ。


『あなたは次の質問で肯定をしますか』


なにこれ。


『うん?』

『あなたは男ですか』

『女に決まってるじゃん、なに言ってるの?』

『じゃあ二回目の質問に嘘ついたことになるね』

ほー、そういうことね。ってそんなのずるでしょ。これを見越してのあの条件だったのね。


『四つ目の質問は、次の質問で否定をしますか』


こんなのどう答えてもだめじゃん。


『はい』

『最後は、あなたは高校生ですか』

『はい』


こんなのひどいよ。こんなこと一瞬で思いつくなんて。真面目に作戦練っていた私がばかみたい。


『これで二回目の嘘ついたね』

『ルール通り教えてもらうよ』


あーあ、こんなことになるのならこんなゲームするんじゃなかった。


『それといいかげん打つのめんどくさいから通話しよ』


光一から通話がきた。せめて私の返事待とうよ。確かに私は暇だけどさ。


「もしもし光一。通話するなんて初めてじゃない?」

「そーかもね。それよりあれはずるいよ。あんな風に質問してくるなんて」

「だから俺がルール作ったんだよ。まあ、ルールはルールだよ」


ほんとにずるい。


「ほんとに言わなきゃだめ?なんとかならない?」

「諦めが 悪いな。ちゃんと言ってよ」


やっぱり光一って理屈っぽいな。


「と言いながらもこんな一方的じゃつまんないでしょ」


つまらないとか知らないし。乙女心をもてあそんだ光一の罪は重い。


「知らないよ」

「そう怒んないで。今から新しいゲームをしよう」


光一は私を馬鹿にしているのかな。


「光一は私に何をしたいの?」

「まぁまぁ、単純だから聞いて。今から俺の質問にはいかいいえで答えるだけだから」

「さっきのと何が違うの。やっぱり光一は私のこと馬鹿にしてる?」

「してないって。とりあえずする?しないなら好きな人聞かせて」


光一の提案に乗るのは癪だけど、このまま光一が好きっていうのもなんかあれだしとりあえずのっみる。


「しょうがないいからする」

「いいね。なら始めるよ。嘘なしでこたえてね」

「ん」

「まず彼のこと大好きってのはほんとだよね」


いきなりそれか。少し意地悪な質問してくるなぁ。


「そーよ」

「あかりは彼のことが好きで彼の好きな人を知りたかったよね。それにちょっとは自分のこと好きなのかなーって思ってたでしょ。あと彼のこと結構長い間好きでしょ」


嘘、もしかして光一が好きってことばれていた?というか私のこと好きって聞いたときかな?


「そうだよ。ねぇ光…。」

「そこからは俺のセリフだよ。多分」


そこは自信持とうよ。


「次の質問にはぜひYESと答えてくれると嬉しいんだけど・・・」


そんなかっこ悪い前置きはいらないから。早く次言ってくれないかな。


「俺あかりのことずっと好きだったんだよね、昔からずっと。あかりといると楽しいしこれからもずっと一緒にいたいと思うん。だから俺と付き合ってくれませんか。」


あー、思っていた通りの言葉でよかった。というか光一もずっと私のこと好きだったのね。そんなことならさっさと告白してくれたらよかったのに。いつでも私も好きですって言ったのに。


「私も光一が好き、これからもよろしくね」


光一のため息が電話の向こうから聞えてきた。


「よかった。こんなことまでして俺の勘違いだったら恥ずかしさで死んでしまう」


たしかに、若干うぬぼれた感じだよね。相手が自分のこと好きだって思ってなきゃできないもんね。


「私は私で結構焦ってたんだよ。光一の変な条件で好きな人言わされそうになるし。というかあれ一瞬で思いついたの?」

「んなわけないじゃん。昨日の夜にこれならあかりの好きな人が聞ける!って思たんよ。だけど今考えると性格悪すぎでしょ」

「自覚はあったんだね。よかったよ」

「まーね。あかりから20の質問しようって来なかったらそのままあかりに好きな人言わせてたかも。あかりがしようって言ったときはもしかして俺とおなじで好きだから好きな人を知りたいのかと思ったからね」

「それだけで私が光一が好きだと確信したの?」

「それもあるけど一番は私のことすき?って聞いてきたからかな。あれはもう好きですみたいなもんだと思った」


やっぱりそうだったのか。あれは失言だったな。


「何であれこれからは幼馴染ってだけじゃなく彼氏彼女なんだからいい思い出作ってこうぜ」

「なんかいい風にまとめているようで言ってることが適当なんですけど」

「なんかあかり手厳しくない?」

「そんなことないと思うけど」

「まあいいよ。日も超えたしそろそろ寝ようか。夜更かしは美容に悪いらしいしね」


光一にしては気遣いができていると思う。でも、


「せっかくなんだからもっと話してたいよ。初めて光一と通話したんだから」

「そーだけどさ、俺眠いんだよ。昨日あかりのこと考えてて」


嬉しいこと言ってくれる、って思ったけど私に好きな人を言わせようとしてただけだよね。でもちょっと嬉しかったり。


「その理由なら寝ることを許してあげる」

「あんがと、じゃあおやすみ」

「おやすみ光一」

「好きだよ、あかり」




あいつ最後になんてことを言うの。しかも言い逃げって。あんなのずるい。今日の光一はずるばっか。こんなのじゃ寝られないよ。もう、明日は私が好きって言って光一のことさせないんだから。でもどーしよ、このままじゃ寝れないよ~。


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