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謎のおっさんオンライン(改)  作者: 焼月 豕
Rising of the Tyrant
29/38

あの日の約束!今日こそ俺はあなたを超える!(前)

 四葉一夜という男は今から二十一年前……西暦二〇一七年に、四葉煌夜・桜夫妻の長男としてこの世に生を受けた。

 その少年はまさしく天才であった。何よりも特筆するべきはその学習能力と思考力だ。何をやらせて見ても短期間で完璧にこなせるようになり、乾いた砂が水を吸収するようにあらゆる分野の知識・技能を身に着け、自ら考えて応用し、そしてあっという間に教えた者を追い越していった。

 精神も同年代の子供に比べて明らかに異常な程に成熟しており、あまりにも異質な才を持つその少年を、周りの者は恐れ、敬遠した。

(こいつらはどうして、こんな簡単な事が出来ないのだろう)

(なぜ、出来ないと諦めるのだろう。考えて、出来るように努力しないのだろう)

 一夜もまた、そんな凡人達を冷めた目で見るようになっていた。天賦の才を持って生まれた少年には、出来ない凡人の気持ちが分からなかった。

 そんな時に、四葉一夜は不破恭志郎と出会った。

 妙に目つきの悪い、大柄でワイルドな風貌のその男は自分の叔父だと名乗り、多忙な両親に代わって面倒を見る為に来たのだと言った。

「おうカズ坊、なに辛気臭ぇツラしてやがる。よし、遊びに行くぞ!」

 その男は、何もかもに退屈して閉じこもっていた一夜の手を引いて、強引に色んな所を連れまわした。これまで出会ったつまらない大人に教えられた事とは違って、その男に教えられたのは大半が無駄で無意味な事だらけだったが、それはとても新鮮で、楽しいものだった。

「カズ坊、野球をやるぞ!俺が打つからお前ピッチャーやれ!」

「カズ坊、今から北海道に行くぞ!理由?ちょっとカニが食いたくなったんだよ。学校?そんなもん休め休め!小学生の勉強なんぞ俺が教えてやらぁ!」

「カズ坊、キャンプに行くぞ!着替えとテントと釣り竿を用意しろ!俺は今からバーベキューの材料を買ってくるからよ!」

「よしカズ坊、ネトゲやろうぜ!俺が前衛やるから、お前は魔法でサポートを頼むぜ。最近はスマホゲームに押されてMMORPGも下火だけどよ……煌夜の野郎も頑張ってるし、必ず復活する日は来ると思うんだ」

 四葉一夜にとって、不破恭志郎という男は父親のような存在だった。実父であり、当時から多忙で家を空ける事が多かった四葉煌夜と疎遠な事もあって、一夜はむしろ恭志郎のほうを実の父のように感じていた。

 そしてある日、一夜は恭志郎の下を訪れ、ある頼み事をした。それは一夜が十歳で、恭志郎が二十八歳の時だった。

「おっさん、頼みがある」

「何だカズ坊、改まって。つーか、おっさんはやめろ。俺ぁまだ二十代後半だぞ」

「小学生にとっては十分おっさんだろう?」

「くそがっ!言い返してぇが、全くもってその通りすぎて反論のしようがねぇ!」

 大袈裟に悔しがる恭志郎を見て微かに笑いながら、一夜は改めて言った。

「おっさん。俺に剣を教えてほしい」

「……お前、その意味を分かってて言ってんだろうな」

 その言葉を聞いた恭志郎は一瞬で真顔になり、真剣な口調で問う。

「確かにお前にはその資格がある。俺と違って不破と四葉の血をキッチリ引いてるし、剣の才能だけなら俺よりずっと上だろうよ。これが普通の剣術なら喜んで教えてやるところだが……生憎、こいつは普通の剣じゃねぇ」

「……ああ、分かっている」

「なら、こいつを受け継ぐ事の意味も分かってるな」

「ああ。使命を背負う覚悟は出来ている」

 不破恭志郎が義父・龍斎より学んだ剣術は、彼が言った通り普通の物ではない。

 その剣術の起源は古く、およそ千五百年ほど前まで遡る。

 伝承に曰く、かつて神秘がまだ人々の身近にあった時代に、この国には一頭の龍が棲んでいた。それは、夜の闇を固めたような黒き邪龍であった。

 暴れ狂い、人に災いを成すその龍は七日間の激戦の末に、八人の戦士によって討伐され、湖の底にその身を封じられた。

 その八人の勇者達が振るっていた剣術は、それぞれの家で受け継がれ……それは科学の光によって未知という名の闇が暴かれ、神秘が失われた現在に至るまで連綿と受け継がれている。

 人外の化物と戦い、討ち、封じ、それらから人を護る為の封魔の剣。それこそが恭志郎が使う剣術の正体であり、その流派の名を、【封龍八門】と言う。

 そう、この西暦二〇三九年の近未来においても、滅多に現れる事は無くなったものの、妖怪や悪霊、悪魔といった超常の存在や、それによって引き起こされる災いは確かに実在していた。

 ゆえに封龍八門の剣技を受け継いだ者は、同時に例外無く、それらと戦う使命を背負わなければならないのだった。

 一夜の目をじっと見つめていた恭志郎はその覚悟を感じ取ったのか、やがて根負けしたように両手を広げると、渋々ながら頷いた。

「わかった。なら今日からお前は俺の弟子だ。やるからには半端は許さねぇぞ」

 厳しい表情と声で言う恭志郎に、一夜は力強く頷いた。

 そして、それから数年の時が流れ……

「……まさか十歳で始めて十四歳で皆伝とはな。歴代新記録だぜ。俺は物心ついてからすぐに始めて、皆伝したのは十五の時だったってのによ」

 中学生になり、すっかり背が伸びて子供らしさも無くなってきた頃に、一夜は封龍八門の四葉流と不破流の皆伝を授かった。

 なお、悔しそうにそう言った恭志郎だが、彼の十五歳で皆伝というのも十分すぎる程に異常な記録であるのは言うまでもないだろう。それも恭志郎の場合は、不破流のみならず八つに分かれた流派全ての皆伝を十五歳で授かっているのだから。

「……おっさん。以前から一つ気になっていた事があるんだが、聞いてもいいか」

「だからおっさんじゃ……いや、俺も三十超えたしもうおっさんでいいか……それで、いったい何が聞きてぇんだ?」

 おっさんと呼ばれる事を、遂に諦めと共に受け入れた恭志郎に、一夜が訊ねる。

「おっさんはどうして、刀を使わないんだ?」

 四年近くに及ぶ修行期間中に、恭志郎は一度も刀を持つ事が無かった。時々、指導や手合わせのために木刀を使う事はあったものの、真剣を使った事はただの一度もありはしなかった。一夜がそれについて疑問に思うのも当然だろう。

 おっさんはその問いに、少し待てと答えてその場を離れると、数分後に戻ってきた。その手には一振りの、鞘に入った野太刀が握られていた。

 おっさんがそれを鞘から抜く。すると、元は相当の業物だったと思われる野太刀の刀身は真ん中付近でへし折れ、そこから先端にかけての部分が失われていた。

「見ての通り、俺の刀は折れちまってんだ」

 恭志郎が愛用していた刀は、若い頃の戦いで修復不可能な程に破壊されていた。一度だけ修理を試みた事はあったが、最上級の鍛冶職人の手でも二度と、当時の輝きは取り戻せないだろうと言われた事で諦めた。

 それが理由の一つであり、そしてもう一つは……

「戦うべき相手が、居なくなっちまったからな。俺が刀を振るうに相応しい敵が、もうこの世には居なくなっちまったのよ」

 そう言っておっさんは、かつては存在したであろう強敵を懐かしむように目を細めた。

「だから俺は、もう剣は握らねぇ。それが寂しく無ぇと言ったら嘘になるが……まあ仕方ねぇさ。戦う相手が居ねぇなら、剣なんぞ無用の長物に過ぎねぇんだからな」

 そう言ったおっさんに、カズヤは微笑みを浮かべて言った。

「安心しろよ、おっさん」

 そしてカズヤはおっさんと、とある約束を交わしたのだった……。


  *


 そして、それから更に七年後の二〇三九年。仮想電脳空間に作られたゲーム内の世界で、師弟は対峙していた。

「おっさん、勝負だ。あの日の約束を、今日こそ果たす」

 カズヤが背中に背負っていた二本の長剣を抜く。

「今日は、一人の剣士として挑ませて貰う」

「そうか……なら、俺も只の剣士として受けて立とうじゃねぇか」

 カズヤの挑戦を受けて、おっさんはアイテムストレージから、一振りの野太刀を取り出して実体化させ、それを鞘から抜いて装備した。

「その刀は……!」

 カズヤはその刀に見覚えがあった。それはあの日に見た、折れた野太刀であった。だが無残に破壊されていた筈の刀身は、このゲームの世界では見事に修復され、思わず見入ってしまうような輝きを放っていた。

 そしてカズヤは知る由も無い事だが、その刀はあの不破龍斎に扮したドッペルゲンガーが使用していた物と、全く同じ見た目をしている。

 その野太刀の銘は【八咫鴉(ヤタガラス)】という。不破恭志郎が皆伝の際に龍斎より贈られた、不破家に代々伝わる大業物である。

 現実世界に存在する本物は、十年以上前にとある存在との戦いに勝利した事の代償として折れてしまったが、おっさんはドッペルゲンガーに敗北した後、闘技場の建築と並行して八咫鴉を再現するべく、鍛冶を行なっていた。

 記憶にある不破龍斎を完璧に再現したドッペルゲンガーに勝利するのは、再び刀を握る必要がある。そう考えたゆえの行動だった。

 おっさんが再現した八咫鴉は火霊窟や試練の塔で幾つか入手したオリハルコンをベースに、各種希少鉱石を混ぜたオリハルコン合金を使用し、おっさんがこれまで培った技術をフルに使って、誤差一ミリの狂いも無く本物を再現した物だ。その品質は、最高値である10だ。

「始めるか」

 おっさんがそう言って、野太刀を構える。両手で長い野太刀の柄を力強く握り、大上段に構えた攻撃的なスタイルだ。

 対するカズヤは両手にそれぞれ持った長剣を下段に構えた防御寄りの戦い方だ。

 対照的な構えを取った両者が、一定の距離を取って向かい合う。

「封龍八門・四葉流第五十三代継承者、並びに不破流皆伝、四葉一夜」

「封龍八門・全門派皆伝、不破恭志郎」

「「いざ尋常に……勝負ッ!!」」

 堂々と名乗りを上げた二人は様子を伺うように慎重に、ゆっくりとその距離を詰めていく。その緊張感に、観客がごくりと生唾を飲む。

「始まったぞ……!」

「どうやら剣での勝負に拘っているようだが……」

「それは……大丈夫なのか?カズヤさんは剣と魔法のコンビネーションこそが最大の持ち味だろう?そりゃ剣だけでも十分凄いのは分かるが、それでも剣だけでおっさんに勝てるのか?」

「そこは不安だが、おっさんだって元々は銃や格闘がメインで、生産系スキルにもリソースを割いてる人だぞ。条件は同じ……いや、むしろおっさんが不利じゃないか?」

「さて、どうだろうな。だが……どちらにせよ、俺達に出来るのはここで見守る事だけだ。見届けようじゃないか、あの二人の戦いを」

 会場内にある全ての視線が二人に集中する中、最初におっさんが、次に一瞬遅れてカズヤが、その姿を消した。

 いや、実際には消えていない。だが殆どの者の目には、二人の姿が消えたように見えた。それほどの速さで動きながら、二人は突然現れて剣を交わし、かと思えばまた姿を消す。

「消えた!?」

「いや消えてないぞ、音はちゃんと聞こえる!だが速すぎて何処にいるのか、そして何やってんのかがサッパリわからねぇっ!」

 一般プレイヤーの観客に捉えられるのは、二人が残す残像と剣戟の音のみであったが、その中に彼らの姿をはっきりと視界に捉えている者達が居た。それは男性一人と女性二人からなる三人組であり、真ん中に座っているのは中性的で整った顔をした、金髪で重厚な騎士甲冑を着た少年、シリウスだ。その右側には長い黒髪の巫女装束を着た美女、反対の左側には赤い髪の、これまた赤い戦装束(バトルドレス)を着た美少女が座っている。彼女らの名はカエデとレッド。現実世界では実の姉妹であり、共にシリウスの幼馴染だ。

「二人とも、見えていますか?」

 カエデの問いに、シリウスは苦々しい表情で口を開いた。

「……僕は何とか目で追えている程度ですね。レッドは?」

「今俺に話しかけんな……集中させてくれ」

 素っ気ない返答にシリウスが左を見ると、そこには目を見開いて歯を食いしばり、拳をきつく握りしめて闘技場を凝視する幼馴染の姿があった。その瞳が忙しなく動いている。

 レッドというプレイヤーの最大の強み、それは天性の動体視力と反射神経である。

 おっさんの豊富な実戦経験と戦闘知識による未来予知じみた先読みや戦闘センス、カズヤの思考力とゲーム知識による何十手も先まで読み切って詰める戦術。それらとはまた違った、だがそれらに匹敵する程の優れた武器。相手の攻撃を見てから咄嗟に動き、上回るほどの驚異的な反応速度こそが、レッドの持つ最大の武器であった。

 それを最大限に活用し、レッドの目はおっさんとカズヤの一挙手一投足をしっかりと捉えていた。それでも……彼女の目をもってしても、あの二人の動きを追うのは尋常ではない苦労を強いられる。極度の集中と負荷によって目や脳に痛みが走り、現実世界で装着しているVR機器がそれを感知し、ログアウトして休息を取る事を勧めるメッセージが表示される。だがレッドはそれを無視して、より深く集中しておっさん達の戦いを見続けるのだった。

 そしてその一方で、レッドの真剣な様子を見たシリウスもまた、全力でおっさん達の姿を目で追い続けていた。

(……遠い、な)

 おっさんとカズヤ。彼らとの差を痛感して、無力感と嫉妬の感情に包まれるシリウスだったが、そんな彼の脳裏に突然、以前戦ったモヒカンの姿がフラッシュバックした。

 パァン!と、甲高い音が響く。シリウスが自分の頬を両手で叩いた音だ。

(何を腑抜けているんだ、僕は……!自分があの二人よりも格下な事くらい、ずっと前から分かっていた筈だろうッ!()()()()の事でウジウジするなッ!)

 自らを叱咤激励し、シリウスは目を限界まで見開いて集中して闘技場を凝視する。

(それでも、やるって決めたんだろう!だったら諦めるな、勝つまで止まるんじゃない!器や才能の差なんか、気合と根性でフッ飛ばせばいい!)

 覚悟を決めて、絶対に見逃さないとばかりに、己の先を行く者達の戦いを必死に追うシリウス。そんな彼を、カエデは優しい目で見守り……そして、心の中でエールを送った。口に出しても、今の彼にその言葉が届かない事を分かっている故に。

(ただ、やるんだ……!がむしゃらに全力で!あいつらのようにッ!)

 あの時のモヒカン達との戦いは、シリウスにも良い影響を及ぼしたようだ。今は遠くても、彼はいずれ必ず、おっさん達の背中に追いつくだろう。

 そんな彼らの熱視線を浴びるおっさん達の戦いは、より加速して激しさを増していた。

「はあああああああッ!」

 カズヤが両手を大きく広げた構えのまま、一足跳びでおっさんの懐に飛び込んで剣を振るう。これは二刀流スキルに属するアーツの一つで、敵に突進しつつ攻撃を行なう技なのだが、その初撃が左右の二択となるため非常に防ぎにくい事で知られている。そして初撃が当たればそのまま高速の六連続攻撃へと繋げる技、【飛天鶴翼連斬】だ。

 さて、最初の一撃は右か、左か。この選択をミスって防御に失敗すれば、直後に連撃を食らって一気に追い詰められる事は明らかだ。

 だが両者の選択は、そのどちらでもなかった。

 カズヤは初撃を繰り出す直前に【飛天鶴翼連斬】の発動をキャンセルし、そのまま別のアーツを発動させる。カズヤの突進の軌道が変化し、上空に飛び上がるように急上昇しつつ、衝撃波を伴う蹴りを放った。

 彼が発動したのは、二刀流と格闘の二つのスキルを一定以上まで上げる事で習得できるアーツ、【飛天斬空脚】である。二刀流のアーツを途中でキャンセルして放つ事が出来るこの技は、敵の防御やカウンターに対して虚を突く事が出来る使い勝手の良い物だ。これに限らず、習得条件に複数のスキルを要求する技は、強力だったり使い勝手が良かったりする傾向にある。

「甘ぇっ!」

 おっさんはカズヤの蹴りに対して、自らも蹴り技で応戦した。腰を落とし、低い姿勢から跳び上がって上段蹴りを放つ格闘の初級アーツ、【昇竜脚】だ。【地龍昇天脚】や【秘拳・青龍】といった奥義の前提となる技で、威力だけを見ればそれほど高くはないが、出の速さと隙の少なさから強く成長した後でも愛用する格闘家は多い。

「オラァアアアアッ!」

「セイヤアアアアッ!」

 気合の入った叫びと共に、両者の飛び蹴りが交差する。それはどちらも相手に命中し、ダメージを与えるが……

「まだだ!」

 どうやらそれは完全に入ってはおらず、ダウンさせるには至らなかったようだ。二人はほぼ同時に空中を蹴って更に高く跳び、上空で再び交錯する。

「食らいやがれ!」

 おっさんが野太刀を袈裟斬りに振るう。その長い刀身には雷が纏わりつき、バチバチと危険な音を立てている。おっさんが使っているのは刀スキルに属する、切断属性の物理ダメージに加えて電撃属性の魔法ダメージを与えるアーツ【鳴神】だ。

 カズヤがおっさんの電撃を伴う斬撃を、両手の剣を交差させて受ける。ジャストガードによりダメージはあまり通らずに終わるが、おっさんの攻撃はこれで終わりではない。

「【建御雷(タケミカヅチ)】!」

 再び放たれるのは雷を伴うアーツ。しかし今度のそれは、先程の物とは比較にならないほど強力だった。おっさんが紫電を纏う刀身を振るい、無数の斬撃を放つ。その様はまさに疾風迅雷。長く、取り回しが難しい野太刀を使っているとは思えないほどの速さと鋭さを持つ奥義が、カズヤに襲い掛かった。

「【双龍連牙】!」

 カズヤはそれに対して真っ向勝負を選び、乱舞系の奥義で対抗した。二刀流による高速連撃技による相殺を狙ったのだろう。彼の持つ二振りの長剣が、それぞれ刀身に赤色と青色のオーラを纏って、矢継ぎ早に振るわれる。

 その奥義同士のぶつかり合いは、互いに攻撃を全て相殺し合う結果に終わった。一発毎の威力はおっさんが上だが、カズヤはそれを手数で補って互角に持ち込んだようだ。

「チッ……やるじゃねぇか!」

「おっさんこそ……な。計算上では上回っていた筈なのだが」

 おっさんの野太刀とカズヤの二刀が正面からぶつかり、押し合う。互いに一歩も退く気は無い以上、後はどちらか、あるいは双方が倒れるまで斬り合うのみだ。

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