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番外編~文化祭⑤~

 私たちは昼食を終えると、中庭に向かった。そこで、昼からステージで出し物を見ることができるようだ。パンフレットによると、バンドやダンスサークルが歌や踊りを披露するようだ。その中に、「死神たちの乱舞」という名の項目を見つけた。


 中庭にはステージでの出し物を見ようと大勢の人が集まっていた。私たちもその人ごみに紛れてステージがよく見える位置を探した。とはいえ、結構前から席を取っていたのだろう。よく見える席は人で埋まっていた。





「特等席にでも行こうかのう。」


 いきなりそういった九尾は、私たちを抱えてふわりと宙に浮かんだ。突然の行動に驚いた私は、同じく驚いているだろうジャスミンに目を向けた。ジャスミンも驚いてはいたが、なんだかとても楽しそうであった。まあ、こんな機会はめったにないし、すでに一度空を移動したこともあったので、驚きも薄まったのだろう。私も空中移動を楽しむことにした。


 ふわりと宙に浮かんだ私たちは、そのまま大学の屋上にたどりついた。日差しが強いが、ここならステージの様子がよく見える。私たちが飛んでいても誰も驚いていなかったので、九尾が何かしているのだろう。その辺はもう気にしないことにした。




 ステージの出し物が始まった。バンドによる演奏やダンスサークルによるダンス披露が行われているのを見ていると、やっと私が気になった「死神乱舞」が始まった。黒マントで全身を覆った集団がステージに現れて、音楽に合わせて踊りだす。


「この中にもし本物がいても、わからないわね。」


 ジャスミンのつぶやきに私も同意だ。しかし、死神は基本、人との接触を避けることになっているので、きっとこの中には死神はいないだろう。そう思いながら、その踊りに見入っていた。




 





 夜には夜の出し物があるようだったが、私たちはステージの出し物を見終わると、家に帰ることにした。帰りにもう一度、綾崎さんたちがいる講義室に顔を出したが、ちょうど綾崎さんは休憩中なのか、別の部員が店番をしていた。




「今日はありがとうございました。私たちはこれで帰ります。また、大学でいろいろ話し合いましょう。」


 スマホで綾崎さんにメッセージを送っておくことにした。こうして、学際は楽しい1日で終了した。




 次の日は、天気予報通り、本降りの雨で雷も鳴り、風も吹き荒れていたので、学際は中止になってしまった。一日でそんなに天気が変わるのは珍しいが、自然のものなのでそういうこともあるだろう。


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