2話
父親は俺がスキルを持ってないことをしり、
「シルバーツ公爵家にはそんな低脳は要らん!」だの、「なぜこんなのが産まれてきた」だのいってきた。まぁそれだけなら良かったが、俺の母親、マルコシアス・シルバーツに手をあげるようになった、元の世界でいうDVだ。
俺は許せなかった。あんなにも優しい母親を殴り、蹴り、叩き、蔑み。だが、どうしてもスキルは発動させなかった。
そのせいで今、母親…いやお母様は病気になってしまっている。ラルゴラル病というこの世界の病気だ。それは仮死状態にし、少しづつ生命力を吸い取っていくものだ。最後は死が待っている。
薬はある。が、あのクソ親父が買わせなかった。
だが、やっと俺は母親を直せる。
この歳になると、冒険者としてやっていくことができる。そして俺はこの家を出ていくことにした。母親は従兄弟のところで保護してくれるそうだ。この話がまとまったのは、2年前だ。
従兄弟は、蔑まれ、いじめられている俺を、唯一いじめず優しく接してくれた人だ。
名前はクレア…クレア・ストラトスだ。
これまた公爵家。
シルバーツ公爵家は実力主義というやつで、ストラトス公爵家は平和主義というやつだ。
俺は、クレアに土下座をして頼んだ。
「お母様を絶対に治すから、治ったあと匿ってほしい」と。
クレアは俺の母親の扱いを知っていた。だから、クレアの父親、ハルク・ストラトスは快く引き受けてくれた。ただし、絶対に治してからでないと匿うことはしないという条件つきで。
そして、今俺は母親の元に来ている。
衰弱仕切った、母親の元に。
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俺はお母様の世話をしてくれていたメイドをさげ、スキルを発動した。
今回使うのは、スキル強化でLvをあげ、強化をした魔道図書館と回復魔法だ。
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回復し、目を覚ました。
「え?私生きていますの?」
「ええ。残念ながら。クスッ」
ガチャっ!!!「マリア様!!!???」
勢いよく、入ってきたのはアリスだった。
「お声が聞こえて…エグッ
ご無事で…グスッ…何よりでず…」
「あらあら泣かないの…」
アリスが泣き止むのをまって、匿って貰えることを母親にはなした。
「行けません。」
「お母様!何故ですか!!!」
「迷惑をかけるのは…」
「お母様、言っておきますが。
わたし、いや俺がプライドを捨てて土下座をしてまで頼んだものを捨てるのですか?」
その言葉を聞いたお母様は、絶句していた。
公爵家同士でも土下座をすることはありえないのだ。
そして、しばらくして母親は口を開いた。
「わかりました。匿ってもらいましょう。」
「よかっ」
「ですが、公爵家としてではなく、メイドとして働きます。」
「「えっ?」」
メイドのアリスと俺の声が重なった。
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母親の体力が回復するまで、まちストラトス公爵家へ行った。
「キョウカはどうするのですか?」とクレアが聞いてきた。
「ん?俺は冒険者になるよ。」
といい、クレアの父、ハルクのもとへむかい、挨拶と感謝を述べ、出ていった。
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「冒険者ギルドって、確かここだよな。」
看板を見ると、ギルドしか書いてなかった。不親切だ。
「とりあえず、登録してみるか」
そう言いながら入ってみた。
「意外と人が少ないな…
おっ、あそこが登録するところだな。」
そこには、スタイルのいい獣人の女の人が座っていた。
いざ、鑑定!
ラノア 17歳 ギルド嬢 だそうだ。若かった。そして、発育良すぎだろ。
「あのー、登録したいのですが」
「はい!それでは、この玉に手を置いてください」
ラノアさん曰く、簡単な鑑定装置らしい。
見えるのは名前とスキルと歳、そしてランクだ。
「はい。こちらがギルドカードとなります。
スキルは自分か、許可した人だけしか見えませんので。」
「了解です!」
「それでは、ランクの説明に入りますね。」
ランクはGから始まりAへと上がるそうだ、Cからはテストがあるらしい。
「これで説明は以上です!
ランクは依頼を達成すると上がるので頑張ってください!このまま依頼を受けますか?」
「お願いします。」
最初に受けれるのは、薬草の採取とゴブリン狩りだそうだ。数に応じて報酬を貰えるそうだ。あれ?スライムは?
それは置いておいて、その2つを受けることにした。
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森の近くへ行き、まずは薬草探し…と言っても。神眼で調べて取るだけの作業。
そんなことをしていると、後からギャーギャーと鳴き声が聞こえてきた。