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全てを失った日
初投稿です!
よろしくお願いします!
ここは何処だろうか…?
周囲には、炎に呑まれた家や木々が建ち並ぶ。
肌を焼く様な熱さの風が、俺の頬を撫でていく。
ここは、何処だろうか…?
地面には、何やら黒い物体。
その物体の辺りには赤い斑が散らばっている。
ここは、何処、だろうか……?
広場の中央に、見覚えのある噴水が見える。
この村のシンボルだった噴水は既に枯れ、代わりに赤い何かが、池に貯まっている。
ここは何処だろう……いや、俺はこの場所を知っている。
この場所は、俺の故郷だ。
美しかった風景は、まるで地獄の様。
地面には、炎によって焼かれた同郷の人達。
喉をせり上がってくる物を必死に飲み込む。
止まるわけにはいかない、奴が来る!
必死に走って、走って……頬に伝う物を強引に拭い、ただただ走った。
炎に包まれた故郷を抜け、森の中を駆ける。
背後を振り返ると、奴が雄叫びを上げながら、故郷を蹂躙していくのが見えた。
────その日、俺ことエレウス・アーヴィングは、全てを失った。