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光と友と来訪者 【あとがきでお知らせアリ】


 ◇



 盛大に何かが始まろうとした。


 そんな予感がした一日だったが、あれから『一週間』。



 何事もなく平和に過ごせていた。



 新たな組織、新たな女神、そんなキーワードはキーワードのまま。日常の中に埋没してしまっていた。


 仮面の女……インナは言う。 



「私達『信仰』は、最近結成されたばかりで統率も何もないから、多分まともに動けないんだと思う」



 なんともお粗末な有様だった。

 8人目の女神。無の女神は、新しく出現した事もあってそういう組織の運用には慣れていないのだろうか。


 そもそも……根本的な目的が不明だ。インナが言うには、組織の目的は出来るだけ強い人物の捜索らしいが……どうして強さを持った人物が必要なんだ?


 そこを聞いてもインナは伝えられてないという。


 ……謎だけが残る。

 インナがあの時テロを仕掛けた時(因みに倒れた奴らは気絶しているだけだったらしい)は、その強者探しの一環だったとか。


 一応、女神二人にそれぞれこの事を伝えるも。



「女神の考える事なんてどうせ禄でもない事ばっかよ! 歯向かうなら全力でぶったおす、そうでないなら無視が基本ね」


「一応他の女神に情報は流し、かつ情報を仕入れておきましたが……その女神は連盟から満場一致で加入を断られているそうです。関わらない方が無難でしょう」



 と、何かあるまで静観の姿勢を薦められた。


 個人的にはとても気になる8人目の女神だったが、そこまで関わるなと言われれば、藪をつつくような真似はすまい。



「師匠。ラギ師匠」


「なんだ菊蘭」


「私……8人目の女神を倒したい!」



 いたよ、率先して藪つつく奴。



「私も! 私も倒したい!」



 増えたよ。インナが手上げてるよ訳分かんねぇよ……。



「まず一通り状況を整理するな? まずここはどこだ?」


「ラギ師匠の屋敷の庭です」


「ラギ師匠さんの庭だよ」


「そうだな。今お前らは何してたと思う?」


「ラギ師匠に効率のいい戦闘方法を聞いてました!」


「私はそれをいい感じに眺めてた!」


「そうだな。それじゃさっきの言葉もう一回言ってみな?」


「魔法少女、セーットアップ!!」


「……行っちゃうのね、8人目の女神を倒しに」


「行っちゃわねぇよ!! なにストーリー進んでんだよちげぇよ!! 菊蘭はそもそも弱いしインナに至ってはお前『信仰』の一人じゃねぇか!」



 俺がそう言うとインナは。



「あ、裏切る事に決めたから」



 と、仮面の下で笑う事も無く、あっさりと言ってのけた。



「待て待て待て、お前は無の女神に仕えてたよな?」


「信仰はしてたけど……ほら、流行り廃りってあるから。私今時の子だから。それに友達が無の女神倒そうとしてるのに、私だけ指くわえてらんない!」


「インナ……」



 最近、というか。

 菊蘭とインナが会ってから、気が合うみたいで仲がいい。


 友達の為に信仰を捨てるなんて……いい話じゃねぇか。



「インナちゃん! 指加えるとエッチだから、加えるのはゴムだけでいいと思うよ?」


「でも私、加えゴムもそれはそれでエッチだと思う最近の子だから」


「そっかぁ。なら仕方ないね!」



 台無しだった。



「師匠的にはどっちがいいんですか? 指をくわえられるのと、ゴムをくわえるの」


「なぁもっと有意義な事に酸素使いたくないか?」


「酸素濃度を高めて人体を間接的に殺すくらいしか思いつかないですね……」


「有意義かそれ!?」


「待って、菊蘭ちゃん。酸素って火をよく燃やすし、SMで使う蝋燭の火を更に加熱させるっていう使い方は有意義だよ!」


「さすがインナちゃん! それだ!」


「ごめん。菊蘭ちゃんの頭脳の更に上を行く秀才で本当にごめん」


「でも私達ズッ友ですよ!」


「もぅマヂ……ありがと……!」



 会話の着地点が神隠しにあっていた。

 俺も神隠しに会う前に稽古を一旦ここで切り上げ、光の女神の元へ行く。


 今日は魔王が、本来の職務に追われ帰ってこない。


 無用な邪魔が入る前に、話しておかなきゃならないこともある。



「おーい、はいるぞー」



 ドアをノックする。


 返事は無い……昼時なのにまだ寝ているのか?



「おーい。クソ女神ー、おーい」



 ……? なんか、微かに話し声が聴こえる。


 一体誰と……?



「おい、入るからなー」


 

 俺は鍵の開いていたドアをゆっくりと開き。



「あ、ラギ。ちょうどいい所に」



 視線が。一方向に、固定された。


 思考回路が一瞬にして乱雑になる。

 視界にくぎ付けになる。



「紹介するわね。水の女神の『ルシフ』よ!」



 見たこともない。もう一人の女神の存在から、目が離せなかった。



「初めまして。水の女神よ」


「……あ、あぁ。初めまして」



 あろうことか、動揺のあまり普通に挨拶を返してしまった。

 『ルシフ』と呼ばれた女神は、聖女の如き布を羽織り、水色の長い髪と慈悲をたたえた優し気な瞳が特徴の……。


 例えるなら……母性の塊のような、存在だった。



「私の事は、ルシフでもいいし……お母さん、でもいいのよ」



 意味を理解するよりも早く、女神ルシフは慈愛に満ちた抱擁で俺を包む。

 状況から察するにとても落ち着いてなどいられないのだが……何故か、心からその抱擁は俺を落ち着かせる。


 幼き頃、母親に子守歌をうたわれながら腕の中で眠りに落ちた記憶が断片的に蘇る。


 心身共に安らぐ、ふわふわとした感覚……。


 あぁ、このまま眠ってしまいた。



「はっ!? い、いや、離してくれ!」


「あら、そうですか?」



 俺は無理やり、豊満な胸の中にいた自分を女神から引き離す。


 ……なんてことだ、この俺が……まさか懐柔されそうになっただと……!?



「ぷーくすくすー! 流石のラギも夢見ごこちねー!」


「黙れ駄女神!」


「こら! 汚い言葉を使っちゃ駄目ですよ! 母は許しません!」


「いや、俺はお前の母親じゃないんだが。母ってどういう事だよ」


「あのね、私が、ラギは故郷から一人で出てきたとか、ずっと死にかけてたとか話したの、そしたら」


「……今まで辛かったでしょう。寂しかったでしょう、よく頑張りましたね。私はいつでも貴方の母です、もっと甘えても良いのですよ」


「って、感じ」



 ……なんだ。


 土の女神も、合理的過ぎて周りが見えていない所もあったし、光の駄女神も自分しか見えていない。そしてこの女神もまた……。


 女神には、なんかキャラ濃くないとなれない決まりでもあんのかよ……。



「それで、母親自称するのは分かったが、どうして俺の屋敷に?」


「えぇ。実は相談ごとがありまして……それでレーネに話しを聞いてもらっていたのです」


「レーネ?」


「あ、私、私ー。光の女神『レーネ』よ」



 ……今更、初めてコイツの名前を聞いた。



「お前、名前あったんだな」


「どういう意味よそれ。というか、感謝しなさいよねラギ! 貴方の目的である女神をこうして誘いこんでやったんだから!」


「待て、俺の目的話したのか?」


「えぇ、もちろいひゃひゃはやひゃ! つぅー! なんでほっぺ捻るのよ!」


「アホか! お前は天性の馬鹿なのか!? 俺の目的をわざわざ女神に話すメリット何てどこにもねぇだろうが!!」



 『神狩り』なんて、いうなれば女神に対する宣戦布告。


 そんな事話せば、隙を見せなくなり、スキルが上手く奪えない可能性も出てくるってのに……!



「そんなに怒ってはなりませんよ、それに私は貴方に『神域』をお譲りしますから」


「な、なに!? それは願ってもないが……」


「その代わり。私の『相談』を解決してほしいのです」



 憂い気に、水の女神は話す。



「……あ、でもお譲りするのは『神域』だけですよ。母と禁断の一線を越えたいというのは……その、母にも準備が必要で、いえ、嫌という訳ではなくてですね」


「早く話してくれ」


「離して……!? まさか親子の間柄を離れ、男と女の関係を望むのですか!?」



 言葉って……難しいなぁ……。



「違うわよ、ぽよぽよ頭発情させないでよね。ラギが言いたいのはどんな『相談』かって事」


「あ、あぁそうでしたか……私ったらつい……ごめんなさいね」



 レーネは、自分が女神に俺の目的を話すという迂闊な事をしてしまった自覚が出てきたのだろう。

 どこかばつの悪そうに助け船をだした。


 ……ふん、素直なところもあるじゃないか。



「そうしてりゃ、お前もちっとは可愛げもあるんだがな」


「は、はぁ!? な、なに言ってんの可愛いとか!!」  


「あぁ? なに焦ってんだよ」


「焦ってないし! バーカ!」



 レーネは急にそっぽを向いてしまった。まるで何かを猛烈に恥ずかしがるように。


 馬鹿特有の発作だろうか。



「すまん、ちょっと話がそれたな。教えてくれ、『相談』ってやつを」



 水の女神は、俺の言葉に一度は戸惑ったものの。


 ゆっくりと唇を開いた。


【あとがき】


ここまで読んで下さりありがとうございます、作者です。

過去に「サーバルちゃんでも『貴様はのけもの』って言うだろうな」と言われた経験がありますが、ジャパリパークにすら居場所が無いなら、きっと宇宙の真空空間くらいでしょう私の居場所は。


あぁ。もはや一部界隈では定まりつつある『作者が言われた言葉シリーズ』ですが、まだまだストックは切れないのでご安心を。


二日ほど時間が空きましたがいかがですか? 私は、新作が早速うまいことウケなくて打ち切りが決定して悲しいです。

しかしこれも自分で決めた事。新しい彼氏が出来た女のように『それはそれ』と切り替えていきましょう。


しかし別れもあれば出会いもあります。


そう、ついに本日、待望の新作が発生しました。果たしてコイツはどこまでやれるのでしょうか。


実に見物ですね。


その名も。【強くてニューゲーム】を【繰り返す】!?~最凶の加護【旅人】を手にした俺は【神殺し】の為に世界を渡る~


です。


恐らくコロコロタイトルは微妙に変わると思うのですが、これが私の最新作です。


題名の通り、強くてニューゲームを繰り返す話ですね。


主人公は神を殺す為に、様々な世界を渡り歩きます。

ある時は奴隷になったり、ある時はモンスターになったりします。


説明が難しいのですが、簡単に言えば、汚いキノの旅です。


これを言うとキノの旅ファンに磔刑の後に火あぶりをされても文句いえないのですが、そのくらいしか上手い例えが思いつきません、ニューロンが足りないのです。


毎回毎回、異なるルールの世界(といってもファンタジーなのは変わらず)で、主人公が神から下されるミッションをこなしていきます。


頑張って書いたので是非、ブクマやらポイント評価やらお願いします。

勿論この小説の方も、まだ評価をしていないという方は

ぜひ↓にある『ポイント評価』を、その場の勢いで最大評価でお願いします。


これで1000善くらいの効果があるので、一日一善を約2年半続けた事になります、お得ですね。


あと、感想もお待ちしてます。具体的に私の励みになりモチベーションに繋がります。


もうそれ全部やったよーという方。


たぶん来世は神です。おめでとうございます。



こんな感じのテンプレートを毎回あとがきに貼って行こうと思います。


言葉は伝えないと伝わりません。

伝わるのはギャルゲやらエロゲなどのフィクションだけです、悲しいですね。


現実に『ファミチキください』『こいつ脳内に直接!?』はありえないのです夢がない世界ですね。


そんな世界だからこそ、私のつくる小説という世界で楽しんでいただければこんなにうれしい事はありません。


そろそろ今年も終わりそうです。

お体に気を付けて、取りあえず生きてみましょう、多分来年位にいい事ありますよ。


それでは、長々としたあとがきを終わります。


また次回。


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