プロローグ
ROM専でしたがぽっとアイディア思いついたので勢いで書いてみました。
ちょこちょこ更新いたします。
「あー次、えーと、珍しい名前だな、ラウド君」
「あ、はい…」
「はい、ではその辺のテーブルにペンがあるので、魔王申請書に名前と種族、得意な戦い方を書いておいてくれ、次ー」
「わかりました…」
その書類を受け取りつつ、俺ことラウド・エバランシュは混乱していた。
どうしてこうなった…?
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「ラウド君…何度言ったらわかるんでしょうか、もっと心力を意識して動きましょう。」
「もうっ…うるっ…さいん…だからっ…!」
口では文句を言いながら、父こと鬼教官に従い俺はもっと心力を意識して正拳を放つ。
この荒野で格闘鍛錬という変な状況は小学6年生から続いている。
ある日起床するとなぜか荒野にあるログハウスで寝ており、今日から数年私と本格的に鍛錬をしましょうとだけ言われ、日ごろからおかしかったがついに狂ったかと思い脱走を試みたが、
どれだけ走っても荒野だったので怖くなってすぐに戻った。
ネットも通じないし、使ってる気配はない。なんだここは…?
まあ朝起きたら、ジャングルだったり、高級ホテルだったりはたまにあったので、
あまり気にせずに鍛錬を続けていた。
「はぁ…もっと、こうです!!」
ズァァァアアアアアアアアッ!
激しい削る音とともに父が正拳を放つと荒野に亀裂が走る。毎度毎度思うが隕石が墜落した後か…ってレベルだ…こんなのできる気がせん…。
この非常識な破壊力を持つ父は高名な研究者…それもマッドがつく形で非常に有名であり、
さらに格闘技術の研究を行っていたらしい。しかもイケメン。ハイスペックすぎるだろ。
ちなみに俺は黒髪でごく平凡な顔。亡くなった母も美女だったはずなんだけどなぁ。
「おっと、時間ですね、今日はこれでおしまいです。ではそろそろご飯にしましょうね。」
「はぁ…はぁ…今日はなにー?」
「じゃーん!今日は、とろとろになるまで豚肉を煮込んでみました!あと野菜とごはんですよ。」
「おぉー!大好物じゃん!」
「ええ、特に今日は腕によりをかけて作りましたからね。」
この食料もそうだ。周りは荒野なのだが。なぜかウチの周りだけ家畜がいるし、なんでいろんな野菜が一緒の場所で栽培されているんだ…?トマトって地面から出てきたっけ?だが何度聞いてもはぐらかされるので、それもあきらめていた。学校に行かないのは悪くないからな。鍛錬好きだし。
「ここに来てそろそろ3年ですか。長かったような短かったような。」
「んぐ?」
俺は柔らかくほろほろになった豚肉をと白米を口に放り込みながら父の方を見る。
「ついにここから出る時が来たようですよ。」
「んむっ…出る…?帰るじゃなくて?急にどうしたの?」
父がニコニコしながら答えた。
「実は私死んでるんですよ。」
「…は?」