大迷宮、そして・・・
大迷宮ガルド。そこは世界にある四大迷宮の一つ。何十層からなる巨大な迷宮で上層は新米冒険者、中層と下層は上級者の狩場となっている。二十層ごとにボスがおりそれを倒しレアアイテムをゲットできる。また、最下層の守護者を倒すことで神域という神のいる場所へ行くことができるといわれているがまだ誰も見ていない。
いよいよ実戦訓練が始まった。どうやらこのダンジョン相当に汎用性が高く初心者のステータス上げにもってこいなんだそうだ。そこでもっとステータスをあげ僕らをより強い戦力にするつもりらしい。
まず初日。この日はみんなでダンジョンに入ってその雰囲気に慣れていくという内容だった。
そして二日目以降、僕らは強いグループ、弱いグループに分けられその中でも5人グループに分けられ、それに騎士一人がつくということで訓練を行っていった。
「ほんと、安藤って使えないよね。水素を数メートル先に出せるだけの能力って弱すぎない?」
「ほんとそうだぜ。俺らに迷惑かけまくってることわかってるんだろうなぁ」
「ああ、分かってるよ。」
「いやいや、もっと感謝すべきでしょ。なんせお前は俺らがいないとすぐ死んじまうんだからな。」
ほんとこいつら何なんだろ。今僕はこのグループの中で散々こけおろされている。こいつらたいして強くのないのに・・・
この一週間は本当に面白くなかった。ダンジョンだから魔物とかと戦えるのかと思ったら、監督役の騎士から弱いからやめろと止められたり、夕食の一部を同じグループにとられたり。ほんとろくなことがなかった。
「じゃあそろそろ帰りますか。では、転移魔法を準備します。」
やっと終わったか。でも城の中でもいろいろと言われるんだよな。中には気を使って止めに入ってくれる奴もいるんだけどそんないい奴は少数だ。
「転移魔法の準備ができました。魔法陣の中に入ってください。」
魔法陣の中に入ると光に覆われていく。
目を開けるとそこは見たこともない部屋だった。いや、ホールといったほうが正しいかもしれない。それくらい大きな空間だった。
ふとこの空間を眺めていると奥のほうで何かが動いているのが見えた。それはとても大きな岩のようなものだった。のちに知ったことだがそれは中層最悪のボスでありメガロックゴーレムという名前の魔物だった。
ある騎士の視点
今回私に与えられた任務は二つ。一つ目は最底辺のグループである生徒たちを守ること。二つ目は安藤孝治という生徒を転移魔法でボス部屋に送り嵌め殺しにすることだ。
二つ目の任務を聞いたとき私はこの任務をしていいのかと迷った。
しかし、断ったらクビにすると言われたためせざるを得なくなった。それに転移魔法を使えるのは騎士団の中でも数少ない。
そして決行日当日。その日の朝になっても私はこんな事をしていいのかと悩んでいた。
迷宮に入るといつも通り安藤君はクラスメイトから罵倒されていた。
そして、転移魔法を使いかえる時私は妻と息子とのためと言い訳をしながら転移魔法を使い彼を中層のボス部屋へと転移させた。すまない安藤君。本当にすまない。
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