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勇者と魔王は月光の下で踊り狂う  作者: みのまむし
第一章 片目の少年
14/59

其之十ニ 女騎士と片目の少年

〜石竜歴 418年7月〜

トリフェ領辺境ーペンタル村



「援軍はまだか?」



 隣にいる副官は静かに首を振った。



「伝令は来ないか?撤退の命令の?」



 また副官は静かに首を振った。

 今日何度めか分からない問いを部下に投げかける。

 帰ってくる答えも同じ、部下達はただ黙って首を横に振るのみ。



「くそ!」



 私は口汚く罵った。

 見目麗しい……かは分からないが、あまり女性の口にする言葉ではないし、本来の私なら絶対に人前では口にしない言葉。

 部下の数人が心配そうにこちらに視線をよこし、辛うじて更に怒鳴り散らしそうになるのを無理に飲み込む。

 しかし現実は変わらず無情であり、我等この身の破滅の時は一刻、刻一刻と迫っている。



「明日……明日までの命」



 私も。目の前の私の部下も。

 この詰所の外で慌てて避難準備をしている、この村の村人たちも。

 何もしなければ明日には平等に死が訪れる。

 そう、この村にはある厄災が迫っている。

 トリフェ辺境の静かだったこの村に、森近くの見張りから凶報が届いたのが二日前の夜だった。

 息を切らし恐怖に震える斥候。


『ハイウルフが大量に発生し森の獣を食い散らしながら、こちらに向かっている。その数、千を超える』


 村の先、草原の森の中でそれを見たのだと言う。報告を受け私の脳裏にある言葉が浮かんだ。


『災害的魔物発生』


 先の紅月戦争からはるか以前より、魔物が大地を埋めるかの如く数で大量発生し、獣も、動物も、人種、そして同種である魔物や、遂には上位の魔族すら胃袋に収める為に幾つかの魔物が大量発生する事がある。

 今日まで原因は不明だが、かの英雄アルスバランの時代にもそれは発生し、何度か遭遇し危機に陥ったようだ。

 彼によれば『未だ人種の知らぬ『大空洞』の如きダンジョンがまだこの世界には多数あり、ダンジョン内の魔物同士の闘争に勝った魔物、もしくは負けた魔物がダンジョンから溢れ、餌を求めて大地を盲進するのではないか?』と記載していたらしい。


 アルスバランは『個人での迎撃は不可能。城壁に囲まれた村か街での防衛』を唱えており、『魔術師や弓兵による遠距離からの迎撃』を称えている。

 今回は忌まわしい歴史に刻まれた『『飢えし百万のオーク』に比べるれば高々、千と程度ではないか』と未来の歴史家は鼻を鳴らすかも知れないがトリフェ領辺境に位置し、城壁どころか村を守る掘すらなく、あるのは粗末な柵が村を囲むだけの農耕に精を出すのどかな村人達にとっては生きるか死ぬかの瀬戸際だった。

 報告を受けた私は、駐屯騎士達と村長に有りのまま伝えると、村に駐留する我等は兎も角、村人達は大混乱に陥った。


『魔物の大群が災害の如くこっちに向かってくる』口々に叫びながら、ほんの数日前までのどかと言うしか無かった村人達の表情ら一変した。


 結果、私のいる指揮所の外には村人達が怒鳴り子供は泣き叫びながら家財をまとめ荷馬車に積み込んでいる。村人たちが家財道具を引っ掴み、古びた荷馬車に押し込み荷馬車は突然舞い込んだ重労働に悲鳴を上げた。そんな大人の行動に子供が訳が分からず泣き叫び、本来宥めるべき親にそんな余裕はありはしない。

 仕方なく手の空いた騎士達が宥め役に回る。

 本来は宮廷で淑女とダンスを踊っていた騎士が、必死に淑女というには些か年齢の足りないオシメが取れたばかりの若すぎる女性を必死に宥める姿は、滅多にお目にかかれないだろう。



「隊長!伝令が戻りました!」



 その時ばかりは信じていないイシス神に私は深く感謝した。

 昼夜を問わず駆けたであろう泥だらけの伝令をすぐに呼ぶ。室内が汚れるなどは言ってられなかった。



「してトリフェ卿はなんと?援軍の規模と日数は?防衛の兵と近隣の村人や町人達は何処に避難する予定だ?」



 私は頭の中で算盤を弾く。

 ハイウルフが千と仮定し、この村にいる30余の兵ではどう足掻いても、勝てない、守れない。

 定跡として防衛設備のある、最低でもハイウルフの跳躍が届かない高さの城壁のある街や城に村人達を避難させつつ、我等も集結しなければならない。


 一番防衛機能が高いのはトリフェ中枢都市ジグダリエだが距離がありすぎる。

 ついで次点はトルシアの街だ。

 アルスバランのお膝元、あの街の城壁ならば充分に防げる。

 他にも幾つかの候補はあるが対応を間違えれば、城壁の存在しない中小の村や町は全て喰われかねない。



「それが……トリフェ卿は『援軍は送れぬ』と。『撤退を許可するので村人たちを護衛しつつ、ハイウルフの領土進入の遅延に努めよ』と」


「……なに?」



 理解が追いつかない。

 村に籠って時間を稼ぐのはまだ理解できる。本命である大都市の防衛体制を整えるにしても、背後に広がる広大なトリフェ領に住む人種の避難にしても、時は必要だ。


 しかし……。


 援軍に来る派兵の規模や日数次第では、我等も村人と共に村を放棄しなくてはならない。

 恐らく明日にもハイウルフは森を抜けここへ来るのだ。

 落ち着け私、貴方は指揮官なのでしょう?

 指揮官はいつも冷静に部下に動揺を見せてはいけないのよ?知っているでしょう?



「再度聞く。お前はトリフェ卿に会ったのだな?」


「はい。確かにトリフェ卿御本人様とお会いし、御本人様から直に先のお言葉を賜りました。更に『援軍は送れぬが代わりに近隣の冒険者ギルドに通達を出し冒険者を向かわせる』と。以上が全てです」


「……トリフェ卿は兵を招集し軍備を整えられていたか?」


「はい、確かに整えられていましたが……」


「規模は?目算と勘で構わない」


「……私の目算では200です」


「何を考えておられるのだ!あの弟御は!」



 私は力無く崩れ落ちそうになった。辛うじてそうならなかったのは、紅月戦争より付いてきてくれた部下達と、偶然部屋に備え付けられた古い机に手を付くことが出来たからに他ならない。

 自分が叱られた訳でもないのに、ビクリと肩を竦めた哀れな伝令をに視線を戻す。



「よくぞ務めを果たした、ゆっくり休むが良い」



 隣に控えた副官に、主要な隊長達をここへ呼ぶ様に伝える。直ぐに集まった隊長達にあらましを伝えると一つの返事が返ってきた。



「捨て石にされましたな、我等」



 副官の言葉に私は頷いた。集まった部下達は先代トリフェ卿と共に紅月戦争を掛けた歴戦の猛者達。

 その視線が私に集まるが無論、彼ら以上の戦歴を持つ私は狼狽はしない。

 ……例えその身に着けた鎧が色褪せ、白銀の輝きを失っていても。



「そんな事は分かっている。問題は我等が捨て石になったとして、時を稼いでも、その後に動く兵が200らしい」


「ハイウルフ1000に対して兵200であたる……ですか。先の戦争時には考えられぬ程の余裕ですなぁ。我等が知らぬ間に中枢は一騎当千の強者で溢れているようですし、是非その秘訣を教わりたいものです。その教練方法を十年……いやいや、五年早く教わっていれば先の紅月戦争、死ぬ兵が大分減ったでしょうに」


「皮肉を言うな。我等がこの地に来て三年余でこの有様だ。大変申し訳ないが、今代のトリフェ卿……あの弟御には軍才な無いな、まぁ分かっていた事だが」


『我等がトリフェ中枢にいれば常駐兵の削減など絶対にさせぬものを』


『平和な世界では軍費は縮小されるべきである。だが、必要以上に先細りさせ、いざという時を来ないようにただ祈るのみ、というのは為政者としては失格であろう』


『それこそ今更です。本当に才が有れば我等をこんな地に派兵するものですか。まぁ……お陰でこの魔物の大量発生するに気づけたんですがね。他の奴らなら今頃、高いびきして気づいた時には胃袋の中って感じでさぁ』



 兵達が口々に騒ぎ始めるが一通り発言し終わった後、最初に発言した部下が私に顔を向けた。



「それで、如何なさいます?我らトリフェ騎士団三十名、ガルティール様亡き今、貴方の命令あらば他国への逃亡だろうと、ハイウルフの胃袋の中であろうとお供いたしますが?噂だとキルギス国あたりは未だに魔物が跋扈しているとか、彼の国に新たに我等が旗を新たに建てるのも悪くはないでしょう?」



 ……そうだろうな。我等ならば重宝してくれる国はあるだろう。左遷されたこの村にいるよりは給与と刺激に溢れる事だろう。

だが……な。



「命令は命令だ、従うさ。この村でハイウルフの遅延に務める。若い奴らは避難する村人の護衛に回せ、ここに戻さなくていい」



 何人かが不満そうに眉をしかめた。

 彼等のその不満が私への怒りや憎しみではない事は長い付き合いで分かっていた。



「……了解しました。冒険者はどうします?トリフェ卿が招集を掛けているならばそれなりの数が……」


「間に合わないだろうな。まして今のトリフェにベテランの冒険者など残っていないだろう。駆け出しの新米を掻き集めて何が出来る?」



 私の淡々とした冷たい現実は、集まった部下達から士気を奪おうとしていた。彼等はそんな事を承知だからこそ私に逃げ道を作ってくれたというのに。はぁ、これではどっちが上官なのか分からないな。



「……すまん。我等は命令通りに時を稼げばいい、我等はもはや騎士団を率いている訳ではないのだ。

末端は末端らしく考えずに歯車として動き、壊れるその時まで回り続ければ良いのだ。分かったなら動け、歯車としてな!何をしている!時はないぞ!」



 何人かの兵が何かを言いたげに私を見たが私は気づかないふりをした。私が話を聞く気がないのを確認した彼等は、気を取り直し直ぐに持ち場へ駆け出して行った。



「……全く、お人好しの不器用な奴等だ」



 私が居なくとも十分に指揮官足り得る人材達だ。

 自分達だけで逃げて他国へ行って職には困らないだろうに。

 左遷され辺境に追いやられた私を、自ら騎士団内の地位を捨てて、付いて来てくれた部下達。

 彼等は、ここで『死ね』という私の命令を聞き、それでも自らの命より、明日死ぬ私の生命を惜しいと悼んでくれるのだから。


 だからこそ彼等は言ってくれたのだ。

 『他国へ行ったらどうか』と。

 そんな選択肢もあるぞ、と。



「……逃げられないよな、私は。彼の率いたトリフェ騎士団の一員だもの」



 そっと腰に手を当てる。手に触れたのはあの方から頂いた一振りの剣。

 あの方の懐刀として各地で勇名を馳せた私達が、私が……。こんな地方で人知れず歯車として死んで行く。



「死にたくないなぁ……」



 呟いた後に、自然と足は村に一軒だけある酒場に向かった。

 部下の目を避けるように、ただ一人で。

 元々優秀な部下達だ、方針さえ示せば後は個々に最善を尽くすだけの能力も経験ももっている。

 私の指示は魔物が来たその時まで、最早必要ないだろう。


 そう考えていると、酒場に着いていた。

 酒場の店主は逃げ出す準備で忙しそうで、客など迷惑そうだったが、村に残って戦う死に行く女騎士に文句は言わなかった。

 気つけに一杯のつもりだったが自然と酒が進む。

 飲まねばやってられない。

 私は一人、酒が進む。


 …………。

 ………………。

 ……………………。


 気がついたら酒瓶が積み上がっていた、どれだけ飲んだのろうか?



「ベーチェット様……」



 いつの間にか若い少年が酒場で私の正面に座っていた。

 村では見ない顔だ、招集の掛かった冒険者の一人だろうか?

 酒のせいか、ぼやける眼で私は酒臭い息を吐き出した。



「少年、何故私の名前を知っている?」


「えっと……。さっきお互いに名乗りましたよ……。大丈夫ですか、本当に?お酒飲み過ぎなのではないですか?お水いります?」



 私を覗き込む様にやや困ったような少年の顔が酒場の机に突っ伏した私の顔に間近に迫る。

 その時になって私ははようやく、彼が頭に包帯を巻き、左目を隠しているのに気がついた。

 その包帯から飛び出る様に、炎の様に赤い髪が治り悪く出ている。

 残る右目は笑いかけるかの様に細められ柔らかい表情をしている。

 年の割に日焼けの少ない白い首筋が見えた。それが冒険者らしくない……ああそうか、新米なんだな。


 太陽の届かぬ部屋に篭って英雄譚ばかり読んだ少年が遂には耐えきれずに飛び出して来たのだろう。

 私は艶かしい白い肌を見ながらそんな想像を巡らせた……。

 お互いの吐息が顔にかかる様な距離。

 思わず年甲斐もなくドキリと心が跳ねてしまった。

 真新しい冒険者証を首から下げているが、酔いのせいか書かれた名前はぼやけ、その文字は良く見えなかった。



「それでお話の続きなのですが……」


「……?」


 ……ああ、そうか。増援に来た冒険者の中に新米がいたから追い返そうとして……そこから『昔話』に話が変わった……んだったかな?


 …………。

 ………………。

 ……………………。


 ……本当にそうだったか?

 酒浸りの脳は私の疑問に答えを出さず、ただ視界を左右に揺らすのみ。

 私がその疑問を口に出すより僅かに早く、少年の質問が私に投げかけられた。


「それでお話の続きなのですが……。あいつ……いえガルティール様はどの様に亡くなったのですか。噂では病死、心の臓の発作だったとお聞きしまたが……」


「はっ!!」



 私は馬鹿にする様に鼻を鳴らした。怒りに任せて真実を一息の言葉に乗せて告げられるように。



「心の臓が喉にあるものか!」



 私は少年を馬鹿にする様に嘲笑した。



「魔王討伐の後、閣下は直ぐにアブトス城呼び出された。そしてアブトス王との会食後に突然喉を掻きむしって血を吐かれた。私は慌てて、医者とイシス神官を呼ぶ様に頼んだ、なのに……なのに!!

王城に最低二人は控えているはずの奴らが来るのに30分以上もかかった、駆け付けた時にはすでに閣下はお亡くなりになっていた。

私たちはただ人工呼吸と心臓マッサージを続けただけだったよ。

あの時ほど自身に治癒魔法の才がない事を呪った事はなかった」



 いや、少年だけでは無い。真実を知らない世界の全ての人種達を嘲笑するかの様に。



「王は……毒を盛ったのだ」



 呟くように、噛みしめるように。私はポツリと言葉を紡いだ。



「……大分、酔っていらっしゃるようですね」



 少年は私の発言を聞き、残る右目で辺りに視線を飛ばす。

 酒場には、私達と酒場の店主しかいない。酒場の主人は村から逃げる準備でどの酒を持ち出すか必死にリストを書き出している。酔っ払いの会話に耳を傾ける暇はないだろう。



「馬鹿者め!私は酔ってなどいない!」



 と言ったつもりだったが、呂律が怪しく、『びゃかものめ〜、ぁたしは……』と、この舌は我ながら聞き苦しい。



「……酔ってますって、絶対。マスター、お会計を。こちらの騎士様の分も僕が持ちますから」



 酒場の主人はようやく店じまいができると嬉しそうだった。

 少年は足どりの覚束ない私を詰所にある私の部屋まで肩を貸して運んでくれた。

 見た目は細い華奢な少年なのに鎧を着た私に肩を貸しても全くよろめく気配もない。服の下に感じるのは若いながら良く鍛えられた筋肉の感触だ。

 気がつくと詰所内にある私の私室に運ばれていた。

 粗末な机と簡易的なベッド。数枚の着る機会の無い色褪せた私服の入った洋服ケース。

 それしか無い部屋だ。



「すまんな、そこでいい」



 私をベッドに丁寧に降ろす少年に、礼を言いながら、机に乗っていた酒瓶に手を伸ばしコルクを抜いた。ベッドに倒れこみ、寝そべりながらも酒を更に胃に送り込む。



「まだ、飲むのですか?」



 呆れ顔の少年は勝手に机に備え付けられた椅子に勝手に座り込み私を眺めていた。

 さっさと出て行けば良いだろうに、酔っ払ってベッドに寝そべる、女盛りを過ぎた年増を眺めても得などありはしないだろうに。



「勝てないからな」


「そう、それですよ。僕は村に来たばかりで良く分かっていないんです。何をそんなに自暴自棄になっているのですか?」



 その言葉に私は呆れた。

 少年は酒に浸かる私に呆れているが、この少年の呑気さも余程では無いか。

 私は少年にハイウルフの群れが迫っており、援軍が絶望的で、この場にいる左遷された30余名の騎士達では防げそうに無いことを伝えた。



「村人は今晩の内に後方の村へ、少数の若い兵を護衛を付け搬送。残る兵は村の跡地を利用して魔物の遅滞戦闘を試みる。村人達が隣村に着くまでの時を、我々がここで稼ぐ」



 少年は微笑を崩し眉をしかめ考えこんでいるようだ。



「村人たちを護衛という名目で一緒に避難しては?名目上の言い訳はできますよね?」


「ハイウルフは平原で最大の脅威を発揮する。村周りの堀や柵を利用した方が、撤退し移動する中、草原で捕捉されるよりはまだマシ……というのが我々の判断だ」


「冒険者の援軍は間に合いませんか……」


「ああ。間に合ったのが君だけだ。それに今のトリフェ領にベテランの冒険者は残っていない。居るのは君ねような新米ばかりさ、君はハイウルフの群れと戦った経験はあるか?」


「残念ながら」


「だろうね。対魔物の専門家たる冒険者ですら新米はその程度だ。まして千のハイウルフとなれば、かの『魔断』クラスの中核を担う戦力が必要だ」


「『魔断』と言うと?」


「ああ、『勇者』だよ。今はあまり『勇者』と呼びにくい時代になってしまって残念だがね」


「ああ、あの『裏切りの勇者』ですか……遺体は罪人墓地に纏められかつての勇者は墓すら無い。いくら名を上げても冒険者の末路は哀れなものですね」


「いや、墓は遺品によってだがあるよ。ささやかながら私が建てた」



 その言葉に少年は残る片目をいっぱいに見開き、片目で両目分の働きをさせる様に驚いた様に私を見た。



「魔断の武器や防具、他の者達の金目の持ちものは全て没収されたが、該当しないものは討ち捨てられたからな。新領主の許可を受けて回収し、埋めてある。遺体は無理だったが……遺品ぐらいはきちんと埋葬してやりたったからな。もっとも、私が回収してあげられたのは王家の宝物庫に入れられなかった勇者とそのパーティーの装備、防具だけだがな。勇者の愛剣は宝物庫に入れられ、私ではどうしようもなかった」


「因みに彼らの遺品は何処に?」


「ルトーシェの故郷の村だ」


「……しかしあの村は盗賊に滅ぼされた筈では?」


「だからこそさ。遺体の罪人墓地からの回収はどうしても王家の許可が出なかった。

あそこは墓地とは名ばかりの……打ち捨てられた遺体が多かったから。せめて遺品だけでもと、遺体の代わりに遺品として没収されていた装備品を回収して、代わりに村に埋葬したのさ。

焼けた廃村だが遺品ぐらいは勇者の故郷に、と思ってな。廃村ならば盗掘する輩も『勇者』の遺品があるとは気がつくまい。

同時に、勇者以外のパーティーの遺品もまとめて埋めた。焼けた廃村に彼一人では寂しかろうと思ってな。遺品の代わりに、彼の仲間達が持ってた手紙は宛先が分かる限りは私自らの手で届けたよ」


「……お優しいんですね。本当に貴方は」



 初めて会った頃の微笑では無い、本当の感謝の顔がそこにあった。心の底からの綺麗いな笑顔がそこにあった。勇者に憧れ冒険者になったクチだろうか……。

 その顔を見ただけで私は上に睨まれ左遷される危険を冒してまで、起こした行動が少し報われた気がした。



「騎士の名誉に掛けて、受けた恩は返さなくてはならないのさ。

トリフェ騎士団は勇者に借りがある。

いや、この世界の人種は勇者に借りがある。

世界の人種の大半はその恩を恨みに変えてしまったがな。

だがトリフェ騎士団は知っている。

先代トリフェ卿の偉大さを。

そして彼が任命した『勇者』の為したことを。

それは忘れてはならない事だ。それは忘れられる訳がない事だ。

トリフェ騎士団の名誉に掛けてね。その名誉すら無くし生き方を守れなかった時、私は騎士ではなく単なる酔っ払いに堕ちた時さ」



 私は自嘲するように酒瓶を振るが中身は空だった。



「さて、未来のある少年への土産話はここら辺にしよう。これ以上長引くとうら若き少年を連れ込んで年増が何をしていると勘ぐられかねないのでな」


「僕、貴方の事好きですよ?僕の初体験を貴方に捧げるくらいには。それくらい貴方は魅力的な女性だ」


「ははは!悪いな、私は渋い年上専門なのだ!」


「それは残念」



 私は再度真剣な目を向けた。



「いいか?さっさと逃げ出せ。こんな辺境の村で僅かな小銭の為に、君が魔物に喰われる必要なんかありはしない。冒険者ギルドには私から手紙を書こう。

手紙を見せれば任務未達にはなるだろうが、任務逃亡として冒険者ギルドから叱責される事はないはずだ」



 言いつつ酒に呑まれた私は普段とは及びもつかない汚らしい字で手紙をしたためた。



「優しいんですね。本当に惚れちゃいそうです」



 朗らかな、柔らかい笑みを向けられた。

 しかしらなぜだかその目は何処か未練を湛えていた。

 ペンを走らせ終わると私は冒険者ギルド宛の手紙を渡した。



「では、改めてありがとうございます。この御礼はいつの日か、必ず」


「はははっ!言ったろう、私は明日死ぬんだよ……。」



 乾いた酒臭い声が室内に満ちた。



「じゃあ、一緒に部隊の皆さん引き連れて逃げましょうよ?『こんな辺境の村に価値はない。』でしたよね?……こんな辺境の村人数百人の為に命を賭ける価値はないんじゃないですか?

助けたって翌月には貴方の名前すら忘れているかも知れませんよ?

先の戦争で貴方の活躍を記憶されている諸侯は多い。

貴方程の才があればどこでも出世はできるのではないですか?

貴方の部下達が誰もハッキリと言わないのなら僕が言いましょう」



 少年は一言一言噛み締めるようにゆっくりと。



「貴方は逃げるのが正しい選択です。死ぬのは無知蒙昧な無力な村人たちで有るべきだ」



 そんな騎士としては有るまじき、生き物としては当たり前の事を私に言った。



「所詮、大衆は王の言いなりの風見鶏です。貴方が命を賭けても、為政者が貴方を罵れば直ぐにそっぽを向いてそちらに迎合する自らの意思を持たない奴らです。

そんな存在に貴方が命を賭ける理由なんてありはしない。再度言います、逃げるべきです」



 それは魔王の一言の如き甘美な誘惑だった。脳内では何度も問うたが実際に他人から言葉にされると心が揺れる。



「逃げるのが正しい……か」



 理解はできる。

 この防衛が戦略的には無意味だからだ。

 我等が稼いだ貴重な時は、200の兵では有効に活かせない。

 活かしようが無い。

 せめて、意味のある死ならば納得も出来たのだが。


 ……私だけならば構わない。

 しかし部下達がやはり哀れだ、紅月戦争からの部下共だ。

 死なせたくない、死なせたくないな。しかし……。



「それは駄目だ。騎士は任務を全うしなければならない。

トリフェ卿からは村人を護衛しつつハイウルフの進入遅延を命じられた。

私達はそれを為さなければならない。

騎士は命令に従わなくてはならない。我らがトリフェ騎士団が名誉の為に。……言ったろう?その名誉すら無くし守れなかった時、私は騎士ではなくなる。単なる酔っ払いになってしまうんだ」



 その答えを返した時だけは、私から一切の酔いは消えていた。



「……不器用ですね。戦略的に全く意味のない命令じゃないですか。戦術的には数の絶対数が足りない、不可能だと貴方も分かっているでしょうに」


「そうなんだ、トリフェ騎士団はみな不器用なのさ。先代のトリフェ卿、ガルティール様のせいでね」


「先代トリフェ卿のせいですか?……はぁ、なら仕方ないですね」



 少年は呆れるように……癖だろうか?左目の包帯を、その下の見えぬであろう左目をなぞりながらため息を吐いた。

 呆れるのも当然だ。しかし仕方ないんだ。



「そう……何もかも、先代トリフェ卿の。……ガルティール閣下の……せい」



 瞼が重い。酒のせいか、また意識が遠のいて行く。

 部屋に戻って多少は覚めたと思ったが……今日の酒はタチが悪いな。

 薄れゆく視界の隅で紅い光が彼の方から差した気が……。

 眠気を払う為に目をこらし、瞬きを繰り返すが……不思議だ。

 瞬きを繰り返す事に眼前の人物が蜃気楼の如くボヤけて。


 このままでは、彼は村から帰らないかも知れない。

 手紙を持たせて……。

 話さないと……。

 話……?

 あれ、私。

 今……誰と話してたっけ?

 彼の方から……?

 彼って誰だったか……?





 瞬きを繰り返しそれでもボヤけた視線の先には、『髭生やした大柄な男』がいた。

 酔いつぶれ、瞼は閉じている筈だからこれはきっと夢なんだろうな。

 それは理解できた。


 夢の中、私の私室内で。

 私は二人、彼と。

 そう大柄な男に向けて語りかけた。



「ほんとやってられないですよ……ガルティール様……。騎士団を……私を置いて一人で逝ってさ……」



 そう、髭男は厄介な私の元上司だった。

 気がつくと男は困ったような笑みを浮かべていた。



「なんですか、その顔?一服盛られたぐらいで死なないで下さいよ。あれが……あの人工呼吸が私のファーストキスだったんですよ?いい歳した女性が大事にとっておいたキスが血と胃液混じりとかどうしてくれるんですか?!」



 摑みかかろうにも、私は酔っ払い五体は満足に動いてはくれなかった。



「お見合い相手紹介してくれるって言ったじゃないですかぁ〜。貴方がそんなだからもう三年も経って、もう直ぐ三十ですよ?二十才で生遅れ扱いされる世界で三十ですよ?! ……貴方が平民出身の私をポンポン出世させるから……相手がいなくなっちゃったんですよ?……閣下の、ガルティール様の馬鹿ぁ。貴方がいなければ多少……腕っ節の強いお転婆な娘として家庭を持てた筈なのに。そしたら私は……騎士様に憧れ、その身に合わない淡い恋を抱えただけの、ただの村娘でいられたのに。叶わない恋だって諦められた筈なのに……」



 あの日、私を颯爽と私を助けてくれた物語の様な騎士様に、近づきたいと、共にいたいと思ってしまった私。



「……このまま独身で死んだら、『大いなる原初』で散々怒鳴り散らしてやるんだから」



 その人は物語の騎士様より大分型破りだったけど。



「……嫌でしょ、勘弁でしょ?貴方、叱られるのが何よりも嫌いでしたものね。

でも絶対に許してあげませんから! 嫌だったら直ぐに現れて皆に謝りなさい」



 私の夢は半ば叶い、その人と一緒に数多の戦場を駆けた。



「……それで謝り終わったら。まぁみんな勝手に先に逝ったこと、かなり怒ってるんでまず許さないでしょうけど。でも……万が一みんなが許してくれたら……戻って来て下さい」



 いつの間にか私は鼻水混じりの涙声で。



「……また、大笑いしながら馬鹿な作戦閃いて、皆を困らせて下さいよ。一人で勝手に突撃して私を慌てさせて下さいよ。私は貴方の下でならどんな作戦だって遂行して見せますから……。必ずやり遂げてみせますから……」



 死者には届かないと知りつつ私は語る。



「貴方の命令ならば、貴方が居てくれるだけで……私は誰よりも気高い騎士で居られる。貴方の必要とする『トリフェの懐刀』であり続けられる。酒になんて頼らない強い私のままでいられる。

だから……帰って来て下さいよ……ガルティール」



 夢の中で私は、再び彼に向かい手を伸ばした。

 しかし、やはり私は夢の中でさえ、彼を掴む事は遂に出来なかった。

 だけど、彼はそっと酔いつぶれた私の顔に手を近づけた。

 ……私の涙を拭うその手は、とても温かかった。

 ……ほんとに酷い人だ。

 私に多くのものをくれたのに、私からは何一つ返せなかった。



 だから彼は、酷い人だ。



 ……。

 ……………。

 夢の中で更に意識が遠くなる。……夢の中の私に声が聞こえた。



『……しばしお休みベーチェット、尊く優しい女騎士。そして目が覚めたら、もう酒はやめておけ。自分の無力を責める事も。

今、トリフェにはお前が必要だ。

トリフェの懐刀と言われたあんたがさ。

あんたの抱えた悲しみは全て『俺』が貰う。

過去しか見ない後ろ向きに歩くのは、俺の役目だ……俺だけの役目だ。お前は前を向いて新たなトリフェ卿を……あいつの弟を助けてやれ。……後はそうだな。

顔は洗った方が良いぞ。お前には化粧もだが、泥に汚れた泣き顔は似合わないからさ』



 どこか懐かしい、揶揄うような声が。

 どこか悲しそうな。

 でもとても懐かしい。



 誰だったかな?

 聴いたことがある気が……。

 だけどここ最近じゃない。

 その声がどこの誰かは思い出せなかった。

 だけど、私の大好きだった彼といつも話していた、あの声に何処か似ている気がした。

 そして……今度こそ私の意識はまどろみに落ちて行った。




ーーーーーーーー




「……生きている」



 翌朝、小鳥の囀りと健やかな日の出と共に

 私は目を覚ました。

 目が覚めると自分の部屋で鎧を脱ぎ下着姿でベッドに寝ている自分を認識した。

 同時に酷い二日酔いも……。

 理解すると同時に、慌てて鎧を着て村の外周部に向かう。

 見張りの兵士たちが徹夜の為か、目を真っ赤しながら『異常無し』と報告した。

 朝日に照らされた村の外周部を急ごしらえの柵沿いに一周するが魔物の魔の字もなかった。


 ……そう。魔物は来なかったのだ。


 狐に化かされた様な、マンドラゴラとダイダル草を合わせて呑んで、夢現つの様な気分だった。

 もしかして、すでに私は死してイシス教の言う『大いなる原初』にているのでは無いだろうか……。

 頬をつねってみるが頬の痛みはキチンと私の脳に伝達してきた。

 同じく不思議と不審を混じり合わせた隊長達と打ち合わせ後、偵察騎兵を送り出す。

 無論、警戒は解かない。

 魔物に『タイミングをずらし警戒を弱め、緩んだ隙に攻めかかる』なんてそんな知恵は無い。だが相手が油断した瞬間を見逃す魔物はいない。


 魔物は生き物を狩るということに掛けては、決して人種の及ばぬ天性の狩人なのだから。

 何組かの偵察隊を送り出し、数刻後。

 全ての偵察兵が同じ報告をした。

 そして……報告を受けて私は、私達は更に混乱した。



『草原の先、森近くで魔物全てが打ち倒されていると』



 訳がわからなかった。

 しかし、分からないなら分からないなりに行動しなければならない。

 私は指揮官なのだから。


 半数の兵を村に残し、残りは私と共に馬を繰り出し報告のあった現場に走る。


 馬で半刻も走っただろうか。

 見渡す限り草原だった視界に違和感が生まれる。

 初めは視界の先に、緑の大地の先に見える僅かな黒い染みだった『それ』が距離が詰まる程ひ広がり視界を占めていく。

 距離が詰まるにつれ、驚きが理解に変わり始め、残り数百メートルの距離になって私達は息を飲んだ。

 数百、千、いや……二千に及ぶかもしれないハイウルフの群れが……全滅し死骸が大地をびっしりと覆いつくしていた。

 生き残り身動きする個体は一体もいない。


 その全てに、魔術で焼かれ、氷柱で貫かれ、雷で焦がされ、そのいずれの傷もない個体には、的確に致命傷の刀傷が刻まれていた。

 恐らく私は大口を開けて間抜けな顔をしていただろう。


「隊長が昨晩の内に人知れず倒したって訳はないです……よね?」


 そして、同じ顔をしているポカンとした副官が辛うじて口を開いた。

 普段は有能な男なのだが、今ばかりはその言葉は抜けている。 

 質問と願望をごちゃ混ぜにしている。

 普段の私なら叱る所だ。



「馬鹿を言うな。鍛え、武装した兵が戦えるのは一人良くて十匹が限度だ。……知っているだろう?」



 しかし、私にできるのは、そんな推察混じりの返答。

 当然だ。

 ハイウルフに対峙するならその言葉通りの数が。

 更に数千のハイウルフを全て駆逐するならば囲い込めるだけの兵力。

 最低でも……ハイウルフと同数の兵が必要だ。


 部隊ではない。

 軍団規模の兵が必要なはずなのだ、数千に及ぶの人種の戦力が……。

 そして、今のトリフェ領にはそんな兵力は存在しない……はずなのに。

 それなのに……。


 天を仰ぎ何気なく呆然と地面を見ると、足跡があった。

 そう、足跡。

 足元には私達のものでない足跡がちらほら死骸の隙間の大地に伺い見える。

 まだ新しい、そして比較的小さい、女性か小柄な……子供か?

 そう、恐らくだが歩幅は子供か小人種くらいに思えた。


 一部の兵に足跡を含め現場の検証を命じ、斥候にも他国の軍団の進行を警戒し辺りの偵察を命じ、私達は村に引き返した。……何はともあれ、魔物の厄災という危機は去った。

 昨晩の内に村から避難していた村人に伝令を送り、その日の夕刻には村人達が帰還してきた。

 私がここに左遷されてから数年、すっかり顔なじみになった村長達からは涙ながらに礼を言われ、子供達からは羨望の眼差しを贈られた。


 左遷された哀れで愚かな騎士とその部下達。

 それが村人たちから私達に時に向けられる視線だった。

 子供達もそんな空気を読み取ったのか騎士には憧れていたが、あまり私達には近付こうとしなかった。

 しかし、今子供達は眼を輝かせ、興奮で顔を真っ赤にしながら握手を求めてきた。



 ……ああ、そうだな。



 私も子供の頃に、あの方にこんな視線を向けていたのだ。

 私とあの方には大きな差があるが、今の私に出来る全てだ。

 私は子供達の手を優しく握り返した。

 現実には私は何もしていない。

 正直気まずいが事実を話しても不安にさせるだけだろう。



『ならばせめて良い役者であろう』



 握手して顔を紅潮させた子供達を見送りながらそう考えた。

 やがて現場を検証した、盗賊上がりの兵士が自信なさげに報告して来た。

 現場にあった人種らきし足跡は十人に満たない。

 もしかしたら五人以下かも知れないと。



「何を馬鹿な……」



 五人に満たない戦力で勝てるものか。

 そんな存在があるとすれば、それは……。

 私は首を振り妄想を打ち払った。

 ……いずれにしても災害とすら呼ぶべき厄災は去り、私は命を拾った。


 それは私の行動とは関係ない。

 私の努力や行動とは、はるか別の所で何者かの意思により私は救われたのだ。

 後日、冒険者ギルドに問い合わせると、増援に送られて来た冒険者と、到着した冒険者の人数が合わなかった。

 到着した冒険者が一人多い……。

 私が話したと思われるあの少年の姿が。


 酒場の店主は顔すら覚えていないという。

 特徴的な片目の少年をだ。

 部下達も皆知らぬという。

 あの晩、出会った少年も、その後の夢も、全て幻だったのだろうか?

 これがイシス神の奇跡という奴だろうか?

 ……いや、物事をなんでも奇跡で済ましてしまうのは人種の悪い癖だ。

 全てを奇跡で思考停止させてら指揮官として失格だ。


 冒険者ギルドの書類のミスかも知れない。

 なれど夢の少年は私以外に誰も覚えておらず、私は生きている。

 この、事実は動かせない。



『少数の何者かがここで千を超えるハイウルフの群れと戦い全てを殲滅した。

ベーチェット以下、駐在部隊は戦わずに、結果的に命を救われた』



 これが事実だ。


 なればまず為すべきは騎士の務めだ。

 私はあの少年にしたように机から便箋を取り出した。

 私は、あの方の弟御である今代のトリフェ卿に、ハイウルフ討伐完了の手紙をしたため始めた。

 もう、私からは酒の匂いはしない。







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