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ケンタと魔王3

教室の扉を開くと担任の森山が怒鳴りつけてきた

「どこ行ってたんだ!早く座れ!」

ケンタは言い返す

「ああ!?うんこだよ、うんこ!」

「いっぱい出たかー!」

冷やかす声と爆笑が聞こえる


ケンタが声の方向を睨みつける

マサトシと目が合う


「テメエか・・」


それから教室中を睨みつける


「何がおかしい・・?死にてえかテメエら!?

てめえらはうんこしねえのかよ!?」


「何調子こいてんだ?」


「ああ?調子こいてんのはそっちだろうが!」


「なんだコラア!いつからそんな口利くようになった!?」


マサトシと一味が一斉に立ち上がる

ケンタはまったく怯むことがない


「手下ども、テメエらも『殺すリスト』に入ってるからな」


森山が怒鳴りつけてきた

「早く座れえ!!」

「あいつらには言わないんですかセンセー?

・・というよりも、言えないのかなあ?」


ケンタは悠然と自分の席に座る

そしてマサトシ一味との視殺戦を継続し続ける


終業のチャイムが鳴った

マサトシとその一味は担任に目をやる

「やりすぎるなよ」

そういって担任は2年B組教室から出て行った


ケンタはすぐさま囲まれる

生徒たちは退避し遠巻きに見守っている

職員室に知らせに行く者などもいない


「これが教育現場の民主主義ってやつか」

呟くケンタの肩をマサトシが突き押した

「おいケンタ!ずいぶんナメたマネしてくれたよなア?」

「・・というより治外法権か」

「何言ってんだテメエ!!」

マサトシが殴りかかってきたがケンタはニヤリとしながらかわす


「ほれよ、ライトな雷撃っ!」


あれ・・?そうか、ケンタの身体じゃ魔力が使えねえんだ


「なにが雷撃だ!笑わせんな!!」


マサトシとその一味はケンタを小突き回す

「さっさと謝れ!」

マサトシが胸ぐらをつかみあげると、ケンタの目を狙ってコブシを突き入れようとする


ケンタの身体がふっと視界から消える


「ケンタが傷つけちゃいけねえっていうからよ!」


身体を反転させての『体落とし』が小気味よく決まりマサトシは床に転がされる

ケンタがステップを踏みながら呟く

「ほう、ケンタのやつ、いいリキ持ってんじゃねえか」

「てめえ!」

いきりたった一味が猛攻を加える!

しかしケンタの『スウェイ』『ダッキング』『パーリング』によって

全て無効化される

「体のキレもいい、なるほど、ケンタのやつ・・」


イジメ野郎どもが狼狽の色を浮かべている

殴っても蹴ってもいつもと違って全く当たらないのだ


「それにしてもこいつら加減を知らんな」


攻撃の其々が急所を狙っており容赦も慈悲の欠片もない、

こんなことを毎回毎回大勢で1人にやってやがるのか!!


マサトシが凄む


「てめえケンタ、またパンツ脱がせてやろうか?」

「あ?てめえホモか?」

「なんだとコラア!?」

「みんなー!同性にネチネチつきまとって辱めて楽しむ、

このイジメ野郎はホモ野郎なんだぜええ!!」

「てめえっ!!」


マサトシは殴りかかるが『送り足払い』でまた転倒させられる

「このお・・!」


ケンタは尚も突っかかってきたマサトシの身体の下に身体を潜りこませると

そのまま『水車落とし』で一味に投げつける


「ぐあああっ!」

「ぐははは、どしたい?もう終わりかよ!?ムハハハハハ!」

「ちっくしょう!」


一味たちが目配せしあうと一斉に襲いかかってきた!

1人が囮になってケンタと組みつき、

他の連中がケンタを背後から羽交い締めにする!


マサトシは懐から何やら取り出した

鉄の棒を削ったような武器だ


マサトシは狂気に歪んだ顔で突進してきた!

尖った先端をケンタの目に突き入れるつもりだ!


「オラア!泣けえっ!」


「泣くのはテメエだ!!」


ケンタは巧みに身体をよじらせて拘束をすり抜けると

肘を突き上げて凶打をかわす!


そして流れるような体捌きでがっちりと奥襟をめると、

マサトシの内股を刈り上げて投げ飛ばす!


「おりゃあああっ!!」


宙を舞い、転倒したマサトシの髪を掴んで引きずり起こす


「立たんかコラアああ!!」


その背後をとって手首と腕を絡めとり『立ち関節』を極める


「ギャアアアああっ!」


マサトシがあまりの痛みに泣きながら絶叫する


「ギャアギャア喚くんじゃねえや、ケンタの痛み、

苦しみはこんなもんじゃねえぜ!!」


ケンタ、いや、魔王はマサトシの腕を極めたまま、

支点に力が加わるようにぴょんぴょんと跳びはねてみせた


「オラオラオラアアアア!!」


そのたびに関節が軋み、マサトシが悲鳴を上げ、泣きながら無様に許しを請う、

その光景を目にしたイジメ軍団はすっかり戦意喪失、

その場にへたり込んでしまった


「わかるか!?ケンタは・・、って、オレはよお!

今までだって勝てたけど、勝たなかったんだよ!

てめえらを傷つけねえためにな!」

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