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勇者・高ノ原剛造

快適な旅だった

魔族と人族との緩衝地帯まで安全に送り届けられた

もちろん魔族によってだ

勇者は「お車代」の入ったアタッシュケースと「粗品」と書かれた

高級日本酒がつまったケースを担ぐと国境近くの宿に到着した


「お早いおかえりでしたな」

宿の主人が出迎える

黒服の男たちも出迎える。政府機関の使者達だ

「あ、どうも」

勇者がアタッシュケースを指差すと中を確かめ

「おお!これは凄い!!さすがは高ノ原先生!」と深々と頭を下げて領収する

このうちの6割が勇者の報酬、4割は王様に献上される形で国庫に収まるのだ

「王様はたいへんお喜びにございます」

「そりゃよかった」

勇者はそういうと一升瓶をラッパ飲みした

「粗品」のほうは全て勇者のものであったが使者と宿の主人にも振る舞った。

次の朝になると政府の高級車が迎えに来た

いよいよ国境付近で勇者を下ろすと、「では」と去っていった。

「うむ」

あーめんどくさ!でもここからが本番なんだよな。

重傷者メイクを施した勇者・高ノ原剛造がヨロヨロと国境へ向かい、バッタリと倒れる

予め連絡を受けていた警備隊が駆けつけると抱え起こすと大声をあげる

「こ・・これは、高ノ原殿!しっかりなさりませ!」

他の警備隊員が駆け寄ってくる。

「高ノ原殿ともあろうお方が!」「魔族恐るべし!」

大病院に担ぎ込まれ、国一番の名医の手によってなんとか一命だけはとりとめたが

勇者高ノ原剛造はうわごとのように

「ま・・魔王が来る、ぐああああ!助けてくれ!助けてくれーっ!」

と叫び続けていたという


その話を聞いた国王は激怒!

「なんたる不覚!高ノ原ともあろうものが!!」

大臣以下を呼びつけ高ノ原の処分を決めようとしたところ

大臣たちから声があがる

「高ノ原の回復は思うよりも早く、次の遠征を望んでおります、

きゃつめは国一番の勇者、この敗北を必ず挽回すると誓っております!」

国民からも高ノ原への擁護の声があがっているという

「うむむ・・よかろう、さすれば此度だけは不問にいたす!」

国民思いの国王は高ノ原を許すことにしものの、

よりいっそう強く魔王と魔族の脅威を国民に訴えた、

戦いは続く!備えを怠るな!一致団結せよ!!


その夜、高ノ原は王宮に呼ばれた

「高ノ原、魔族からのお車代が過去最高であったとのこと、天晴じゃ」

「ははっ、ありがたきお言葉!」

「うむ、高ノ原よ、その方への報酬は近々口座の方に振り込むとして、

特別ボーナスと日本酒も用意しておる」

「ありがたき幸せ。この高ノ原剛造、国王様のため、お国のため、いつでも

一身を投げ出す覚悟にござります」

「うむ、頼もしき言葉、そなたには今後も国家最高師範として

腕を振るってもらうとして……」

呼ばれた大臣が次の任務を告げる「・・・・」

「ははっ!必ずや成し遂げてご覧に入れましょう」

「うむ、頼むぞ」

勇者・高ノ原剛造は次の任務へと向かうために王宮を後にした

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