ボードゲーム
フルーツを食べて元気になった私は、お兄様と一緒に木製のボードゲーム――コリドオルで遊んでいた。
私は4才の頃からやっていて、シンプルなルールだから、子供でも遊べる戦略型ボードゲームだ。
「フフッ、お兄様の番ですよ?」
板をボードの溝に差し、お兄様の駒の行く手を遮る。
「うん」
――これは、しばらく時間がかかるかも
熟考した最高の一手だ。ボードを見て、考え込んでいるフィリーオ兄様を見てクスクス笑った。
――お兄様……良かった
こうやってボードゲームで遊んで笑うことができるのは、ジンが言っていた通り、フィリーオ兄様は『この世界に存在しない系統の人類』で、『キメラ』ではなさそうだという安心感からだ。ちゃんと体に触れ、骨格を確認したから間違いない。
もし、お兄様が『キメラ』なら、いづれは私と敵対することになることも十分に考えられる。
しかし、そうではなかった。そうなると、なぜキメラ研究に関わることになるのか疑問だ。お兄様がキメラならば、仲間を増やすためとか、色々考えられる。私がキメラのような空想動物を好きだからというのも理由にはならない。何か、もっと信念を貫かなくてはならない理由があるハズだ。
――わからない
「ルナ、いいよ?」
フィリーオ兄様の声で、ボケていた視界が元に戻り、パッと視線をボードに移した。
――あともう少しでゴールなのに!
置いて欲しくない場所に板があり、遠回りするハメになった。
「お兄様……イジワルです」
「勝負に大人も子供も関係ないって言ったのはルナだよ?」
お兄様の返しに何も言えない。
――勝負中に他のことを考えると負ける!
私は次の一手を思案しはじめる。
今日の出港から明後日まで、終日船内で過ごすことになっているので、のんびり遊べる時間はたっぷりある。たくさんフィリーオ兄様と過ごす貴重な時間を大事にしたいと思った。




