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ak おじ様の救出

 プエルマは片手でもう片方の手首を外す。手首の中は空洞で、そこから花びらを型どったブルーダイヤを1つずつ含む液体が幾筋もの糸状となり、勢いよく飛び出した。そして、パネルのシーリング材をシュルッとブルーダイヤの尖った先で深く削っていく。


「プエルマさん、パネルも取り外せますか?」


 プエルマは頷くと、そのままパネルの下にニュルリと入り、パネルを持ち上げて横へとずらした。私は「ありがとうございます」と言いながら、外されたパネルの床下を覗きこむと、そこには頭を垂れ、背中を丸めたまま膝を折った状態で狭い場所に詰め込まれたおじ様がいた。


「おじ様! おじ様!?」


 意識があるか確認しようとしたが、返事がない。私が焦っていると、いつの間にかナイフを手にしていたカナルが、「ルナさん、口が塞がれてますし、手足も拘束されてます」と冷静にツッコミを入れながら、おじ様の拘束を解く。


「おじ様、ご無事ですか?」


「ああ……ありがとう」


 長い間、拘束されていたせいか、おじ様の動きはぎこちなく、声も掠れている。


「おじ様、まだ動くのは良くないです。救護チームに連絡を取りますので……」


「無理だよ。ココには私を敵視する者がいるからね。邪魔されるのがオチだ」


「シャロン・ライナーですね?」


「ああ、そうだ」


「先ほど、負傷して救護チームの手当てを受けているようでした」


「負傷?」


「お兄様が囮になってくださって、特別区画で戦闘状態になっているようです。シャロン・ライナーは、そのときに負傷したかと。今は、おそらくキメラになったブレア・ライナーと、何も知らないLISUの皆さんがお兄様の敵になっている状態です」


「アイツは、まったく。自己犠牲的な考えをどうにかしないとな。フィルが犠牲になっても、周りの人間に良い結果をもたらすことはないことをいい加減理解させないとダメだ」


「ええ、そうですね」


 おじ様の話に私が頷くと、プエルマが「え?」と首をかしげ、カナルが「『強いから』って兄さんを囮に使ったルナさんが、同意するなんて不自然極まりない」と言う。


「私は囮になることは勧めてないですよ? お兄様は自分勝手なので、今回も勝手に自分で囮になると決めたんです。なので、解決するためには、おじ様のチカラが必要です」


「フィルのところに連れて行ってくれるか?」


 おじ様の差しのべられた手を取り、「わかりました」と答えた。


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