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ai 第4手術室

 プエルマの特殊な体質のおかげで、LISUのスタッフに見られることなく立ち入り禁止区域に着いた私達は、エレベーターホールでロックを解除し、地下の第4手術室へと向かう。

 扉は開きっぱなしで、扉の横の壁には立ち入り禁止の文字が表示されていたけれど、構わずに堂々と中に入った。部屋の中は黒焦げで、壁や天井が一部崩れていて、破裂した配管が丸見えになっていた。


「この部屋だけ、まるで廃墟ですね。むやみやたらに爆破させたようです」


「むやみやたらじゃないですよ、ルナさん。普通は他の部屋にも影響が出るものだけど、建物の骨格が崩れないように、計算されている。こんなに上手く爆破できるのは、ボクが知っている人物だと1人しかいない」


「そうですか。プエルマさん、行きましょう」


 プエルマの手をそっと握り、部屋の奥の壁にできた子供が通れるぐらいの大きな風穴に足をかけて、壁の向こう側に移動した。


「ルナさん、誰か聞かないんですか!?」


「聞く必要はないです。わかりきっていますので」


 プエルマもカナルの話に反応せず、穴を通り抜けると、カナルが不服そうにプエルマの後に続いた。


「プエルマさん、タンクが倒れてくるかもしれませんので、振動させないように、ゆっくり静かに歩いてくださいね? それに触ってはダメです」


 ぶらさがった配管を避けて、ひしゃげたタンクの間を緊張しながら歩き、次の部屋に繋がる扉の前に来た。LISUのカードを使って扉を開き、崩れていないまともな部屋に入ることができたので油断した。手動に切り替えるべきところを自動にしたままのため、シュンッと扉が閉まった途端、扉の向こう側でガラガラとタンクが崩れる音が聞こえた。


「ルナ、すごい音がしたわ」


「気のせいです。みなさんは何も聞いてません」


「いやいや、ルナさん! 悪化しましたよ!?」


「ココをどなたが後始末するか分かりませんが……頑張っていただきましょう! さぁ、先に進みましょう?」


 私は後ろを振り返らずに、次の部屋の扉へと進む。「少しは申し訳なさそうにしたらどうなんですか?」とか、「ヒドイ態度だ」とか、「ココの区域担当者は不幸だ」とか、すぐ後ろにいるカナルがブツブツ言っているけれど、無視した。

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