表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
154/264

z ヒミツの探険2

 別館のエレベーターホールは円形状で、空間の中央にエレベーターの乗降口があった。


「プエルマさん、音声入力となりますので、私がこのカードを使ったら、『所属先と名前、管理責任者』を言ってくださいね?」


「ええ、わかったわ」


 プエルマの返事を聞き、LISUのロゴの入ったカードをパネルにかざした。


「LISU所属、プエルマ・アルカード。管理責任者は、ルナ・ロークス」


 プエルマが言い終わると同時にエレベーターの扉がサッと開いた。


「お2人とも、行きますよ?」


 私とカナル、プエルマがエレベーターに乗ると、扉が閉まり、動き出した。エレベーターの中はボタンや表示パネルが1つもなく、透明で外が見える。青い芝に覆われた丘が目下に広がっていたが、すぐに地中に入り真っ暗になる。一瞬、遅れてエレベーターの照明がつき、辺りが青緑色になった。まるで海の底にいるような気分になる。

 扉が開き、私達は迷わずエレベーターから降りた。ホールの中は、さっきよりもさらに薄暗く、ディープブルーの照明が足元と円形の壁に埋まっている6つの扉だけを照らす。


「最初は正面の扉から行きましょうか」


 プエルマを扉の正面に立つように促した。足音を立てず、静かに扉の前に立ったプエルマの真上から、一瞬にして稲妻のように赤い光が足元に向けて降り、続いて網膜認証システムが作動した。

 プエルマの生体を使って扉を解除した1つ目の部屋には、手術台があった。

 2つ目の部屋、3つ目の部屋も同じように扉を解除して中に入ると、それぞれユニットになっている歯科手術用椅子や顕微鏡つきの手術用椅子があった。なんか違和感を感じる。でもなぜ違和感を感じるのか分からず、スッキリしない。


 4つ目の部屋に入ったとき、プエルマの反応が今までの反応と違った。何もない空間だけれど、プエルマは部屋を1周して確認している。この部屋にあるのは多数の照明と、壁に埋め込まれたミストの吹き出し口のような小さな孔がバラバラにいくつかあるだけだった。壁の中央に掲げてあるLISUのエンブレムに白い光が何ヵ所から当てられている。


「この場所……知ってる」


「え?」


「ココ、分かれて、私が生まれた場所」


 プエルマの話が正しければ、つい数日前、秘密裏に『呪いの美術品コレクター』がココを訪れたことになる。そして、LISU(ユニオン)内部の誰かが手引きしている可能性も考えられた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ