刹那大繁盛です!
3月14日。ミリスの誕生日です!
ヽ(*´∀`)ノオメデト─ッ♪
という事で、ミリス誕生日記念投稿です。
今回の第50話で第三章は終了です。
とりあえず、お疲れ様でした。
次回は刹那さんの前に、皆に忘れられてそうですが、神超の目的である、楓さんの誕生日があるので、それまでには第四章スタートしたいです。;
第四章は原初の炎、聖炎に関わるお話です。
遂に刹那のエレメンタル回収ミッションスタートです。
ではとりあえず、第三章完結の神超第50話「刹那大繁盛です!」をどうぞご笑覧あれ。
刹那は視察の為に表に出てきた。
流石にメインストリートの一つであり、一等地。すごい数の人が行き交っていた。
その中で本日開店の刹那のお店は皆に興味を持たれている様に思われる。
メイド喫茶から出てきた刹那は、その客の多さに当初の予定より多いなと思いながら、周りを見渡す。
とりあえず、クレープ屋が大反響なのはここからでも分かるので、早速執事カフェから視察する事にする。
刹那が執事カフェに入ると、皆にお帰りなさいませお嬢様と言われたので、刹那は客じゃないですよと告げる。
「皆さん刹那ですよ。気合入ってる様でいいですけどね」
「あっ、刹那さんでしたか。どうかしましたか?」
刹那に接してきたのはこの前と同じ、チーフのリヴィスであった。
「今他の店を見て回ってるところなんですよ」
刹那にそう告げられると、現在の状況を教えてくれる。
「今執事カフェは結構人入ってる感じですね。開店して間もない事を考えると人が多い位です」
「そうですね……かなり人入ってますね。このままだと列もできるかもしれませんね」
「そうなんですよ。それと、皆さんやはり店頭での試食でケーキの美味しさに惹かれてる様でして、持ち帰れるといいのですが」
刹那にそんな相談をしてくるリヴィスであったが、刹那はそれは難しいと答えた。
「確かにケーキを持ち帰れる様に出来ればいいんでしょうが、今のままだと店で出す分で全部はけちゃいそうなので難しいですね」
「そうですか、残念です」
「リヴィスさん、残念がる必要はないですよ。ケーキ屋さんを店前でオープンすればいいだけですから。今はまだ無理ですが、人員と機材等が揃い次第、店頭でのケーキとドリンクの販売もしましょう」
刹那がそう言うとリヴィスは驚いた表情と共に刹那に感謝の言葉を告げる。
「有難う御座います刹那さん。やっぱり、皆さんに喜んでもらいたいですから。店頭販売、楽しみにしています」
リヴィスが刹那に感謝してくるので、一応釘を刺しておく。
「でもリヴィスさん?店頭でケーキが手に入るという事は執事カフェに客が入りづらくなるって事ですからね?そうなったら店頭販売は中止になるので気をつけて下さい」
「分かってます。しっかり店内にもお客を呼び寄せるので任せてください」
リヴィスがそう断言したので刹那はしばらく、リヴィスと話した後、リヴィスに仕事に戻らせ、店の様子を見て居た。
若い人は時間的に少ないが、それでも、若い客が結構来ている様である。
その若い客は身なりがいいので、かなり良い家の出の様だ。
刹那は他にも色々な歳の客が来ているなと関心しながら見ていた。
皆ケーキを食べ、紅茶やコーヒーを飲み、またケーキを食べ幸せそうにしているので、刹那は良しっと心の中でガッツポーズをした。
ただ、メイド服姿のまま来た刹那だったので、従業員と間違われて、注文を受けたのは誤算だった。
何故か執事カフェでメイドが働くという状況だったが、刹那には他の店舗の様子見があるので、しばらくしたら、リヴィスに言って店を出てきた。
「ふぅ、何故か働いてしまいましたが、クレープ屋でも見に行きましょう」
刹那はそう言うとクレープ屋の列をスルーして、店の裏から、入る。
「2人共どうですか?」
「見ての通り大繁盛ですよ刹那さん!」
「本当に凄く忙しいです!ポテチとドリンクもかなりの数出てますよ」
ロシオが言う通り、ポテチと炭酸飲料を注文する客もかなりいるようである。
しかし、クレープは物凄い勢いで注文が殺到しているので、ハンナはクレープを作りっぱなしである。
ロシオはクレープとポテチと飲料と3つをしっかり販売していた。
このままだと、材料が尽きるのではと心配になるのだが……刹那がもう昼だなと思ったら、通りの向こうから、何故か大きな馬車が来るのでなんだろうと見てみる。
するとその正体はネスタであった。
「おや、刹那君?君もいたのかい?」
「えっと、私は今日は朝から店に顔出してるんで……ネスタ先生こそどうしたんですか?」
「私の部下にクレープ屋の状況を聞いたら、在庫が切れるかもと聞いたのでその補給をしに来たのだよ。それとお昼なので、ケーキと軽食等が食べられるという執事カフェに食事を取りにきたんだ」
「ネスタ先生……昼休みだからっていいんですか?学校出てきて」
「別に今日は時間があるから大丈夫なのだよ。それより私は荷物を渡した後、執事カフェに行くので、ここらで失礼するよ」
「はい、分かりました。ありがとうございます」
刹那はそう挨拶をネスタにして、その後の様子を見守る。
ネスタはハンナとロシオに挨拶をした後、部下にクレープ屋の冷蔵庫に材料を満タンに補給させて、その後執事カフェの方へ行ってしまった。
結局、材料はなくなりそうにないなと、刹那は安心して、ハンナとロシオにそっと挨拶をして薫香味亭2号店に移動する。
薫香味亭2号店は昼時になり人が増えてはいるが、それでも伸び悩んでる様子である。
刹那はとりあえず店に入ってみた。
「おう、いらっしゃい刹那」
「マージリーさんどうも。どうですか?」
刹那がそう説明するとマージリーは微妙な表情で説明を始めた。
「そうさね。流石にいきなり食堂が一等地に出来ても人が来ないね。このままだと不味いかもね」
マージリーに聞く限り、人が思うように入らず、苦戦している様子だった。
刹那はこのままは流石にまずいと判断して、メニューの変更と店頭での試食の変更を考える。
そして、刹那は急いで、キッチンから材料をかき集めて、店頭で刹那自身が調理して提供をし始める。
刹那は店頭で、とりあえず、ベターなステーキを焼いて試食させる。
刹那はステーキをオリジナルの醤油ベースの和風ステーキや、ベターだが、いい肉と火の通し方をしている肉等を提供する。
そこで、刹那は集まった客に向けて演説をする。
「当店は他の店と同じメニューでも独自の調理により、より次元の高い料理を提供しています。一度食べたらやめられない、そんな料理を提供している自負があります。是非食事していってみてください」
刹那の調理と演説により、人が入り始める。
そこで、刹那はハンバーグやステーキ等のメニューから、生姜焼きやとんかつ等、刹那の世界で当たり前の定食系等もどんどんメニューに追加して再配布する。
結局、刹那は当初の予定を大きく変更して、新しい料理の投入を決断した。
しかし、まだ、カレー等の中毒性のある、メニューは隠してある。
それでも、当初は薫香味亭と同じメニューで乗り切る気でいたので、かなりの痛手だった。
今後、刹那の作ったオリジナルメニューばかり注文されないように、薫香味亭のメニューも美味しいという事を客に伝えなければいけない。
それが、課題だが、マージリーが店頭で薫香味亭の料理を2号店バージョンで提供し始めたので、なんとか乗り越えられるかと、ヒヤヒヤしながら、時間が経つ。
刹那はそれぞれの店の従業員に適度に休憩入れて、仕事をするように指示して、メイド喫茶に戻り、仕事を再開する。
しばらく、仕事に耽っていると店にミシェルが駆け込んで来る。
「あっ、出勤ご苦労さまですミシェルさん」
「えっ?あぁ、メイド長。どうもです」
「どうしたんですか?そんなに慌てて?」
「いえ、初出勤だったので急いで来たのですが」
「そうなんですか?そんなに急がなくても大丈夫ですよ?っていっても、ご覧の有様ですが」
刹那の言った、ご覧の有様とは、既にメイド喫茶には列が出来ている事だった。
「えっと、私も早く入った方が良さそうですね」
「まぁ、確かに混んでますが、ゆっくりでいいですよミシェルさん」
「とりあえず、着替えてきます!」
ミシェルは刹那がゆっくりでいいと言ったのに慌てて着替えに行ってしまう。
その後着替えて来たミシェルは、刹那に店の様子を聞く。
「そうですね。皆さん最初は緊張してましたが、今はもう普通に接客出来ていますよ?ミシェルさんも他の人を見てやってみるといいかもですよ」
「分かりました、頑張ります」
ミシェルは気合をいれて接客をしに行ってしまった。
しばらくすると、店の前が騒がしいのに気づいた刹那は、お店から出る。
するとそこには奏達一行が何やら揉めていた。
「えっと?どうしたんですか皆?」
刹那がそんな感じで皆に聞くと、アルが刹那を見た後、そっと目をそらしたので、皆がちらちら見てる物体に目をやる。
それはミリスメイドフィギュア完全版だった。
それを見た刹那はミリスが何かしら文句を言ってるのかと、思ったが、実際はもっと大事になりそうであった。
「せっ!刹那君!あの人形なにさ!」
刹那に気づいたミリスは早速刹那に詰め寄る。
「えっと……人形ですけど?」
「刹那君?人形ってただの人形じゃないよね?」
「何がですか?」
刹那は思いっきりとぼける。
だが、ミリスは怒り心頭である。
刹那に詰め寄って問いただす。
「あれって、ただの人形じゃないよね?」
「何がですか?」
「ごまかさないでよ!どう見ても僕の人形じゃないか!」
そこで、遂にミリスは核心をついてくる。
だが刹那は認めるわけにはいかない。
「何の事ですか?他人の空似では?ミリスはメイド服なんて着ませんし?」
「なら、あれは壊しても問題ないね!」
「えっ?」
ミリスはそう言うと、デバイスを展開して、変身する。
その姿を見た周りの人間は慌てだす。
「ちょっと!ミリスそれは洒落にならねぇぜ!」
「ミリス君落ち着いて下さい。お姉様にもきっと何かお考えが!」
「ミリス君落ち着こう!」
「ミリス、落ち着くんだ!」
「ミリス君落ち着きなって!」
「ミリス!ちょっと冷静になるのじゃ」
アル、奏、リース、セレナ、メリッサ、レーシャルと、一緒にいた皆がミリスを止めようとする。
さらに後ろに控えていた、学園生はミリス人形の前に盾になる覚悟で、ずらりと並ぶ。
「ミリス落ち着け!」
「お願いだ!俺達の希望を壊さないでくれ!」
「頼む後生だミリス!」
何故学園生が奏達と共に来ているのかは疑問だが、ミリス人形を守ろうと必死だ。
しかし、ミリスはその様子を見ても頭が冷静になっていない様で、二丁の銃を出すと空中に全弾撃ち、巨大な魔法陣を作り上げる。
「ミリス!それは洒落になってないですよ!」
「刹那君こそ洒落になってないよ!そこどいて、人形壊せないでしょ!」
ミリスは空中に巨大な先端の尖った氷の柱を生成して、人形に狙いをつける。
しかし、ミリスファンクラブの面々は皆、ミリス人形死守の意気込みで皆逃げない。
遂にしびれを切らした、ミリスは魔法を放つ!
流石にこんな大魔法をここで炸裂されては店ごと半壊してしまう。
ミリスは正気ではなかったので人形デストロイモードになってしまっていて、魔法は止まらない。
もうダメかと思った時、奇跡が起こった。
というか、流石にヤバイと思った様子で伺ってたアイナによって、標柱は熱で消失して、水蒸気になっていた。
「何やってるの?外が騒がしいから来てみればミリスちゃん!こんなところでそんな魔法使っちゃ駄目でしょ?他の皆も何やってるの?」
アイナの登場でなんとか最悪の自体は避けられたのだが、ミリスが泣き始める。
「だって、刹那君。こんな恥ずかしい人形作って飾ってるんだもん!アイナさんも知ってたんなら止めてよ」
「ええ?可愛くていいじゃない?何が不満なの?私だって作ってって言ったのに刹那ちゃん作ってくれなかったんだよ?なんかミリスちゃんの人形には色々と事情があるから作ったんだって」
アイナは密かに自分の人形も作ってもらおうと刹那に言っていたのだが、却下されていた。
ミリス人形は皆の願いで作られた物なので、まぁ、しょうがないところであるが。
そこで、ミリスが泣きながら刹那に言ってくる。
「刹那君はこれがどれだけ恥ずかしいか分かってないんだよ!刹那君のメイド服姿の人形も一緒に飾ってみなよ!恥ずかしさがわかるから」
ミリスがそう言って、恨みがましい目で見てくるので刹那は確認する。
「ミリス?私の人形を飾ればもう怒らないのね?文句も言わないでよ」
「言わないよ……でも刹那君の人形は僕以上に目立つ様な人形にしてくれなきゃ駄目だよ?」
「えっと?どんな人形にすればいいの?」
「美味しくなる魔法をかけてる時のポーズで作ってよね」
「えぇえええ、それはいくらなんでも酷くないですかミリス」
「じゃあ、その人形壊してよ」
ミリスがそう脅してくるので、刹那は周りを見る。
ファンクラブの会長であるアルや他のファンクラブ会員達。
可哀想な目で見ているリースや、刹那を馬鹿そうに見ているセレナ。
微妙な感じで見ている奏とメリッサなどなど。
レーシャルは事の顛末を静かに見守っていた。
「ああっ!もう分かったわよ。私の人形作ればいいのね!もう!」
刹那はそう言うと店の中に入って、皆がいないところで自分の人形を泣きながら作る。
結局、刹那人形も飾ったところでこの騒動も鎮火する。
「で、皆学校終わったから働きに来たんですよね?」
「はい、お姉様。私とリース、レーシャルはメイド喫茶でよろしいんですよね?」
「ええ、それで大丈夫よ」
「じゃあ、俺ら執事組は執事カフェに行けばいいのか?」
「そうよアル。ミリスもとりあえず仕事はしっかりやってね?メリッサも」
刹那がそう促すとミリスは文句を言いながらも了承する。
メリッサも今日は女性客が殆んどと聞いて楽しそうにしている。
結局、騒動が収束したので皆持ち場に着くように言って、刹那もメイド喫茶に戻る。
ただ、気になったのが、刹那ファンクラブと思わしき学園生が既に列に並んでる事と、執事カフェにもミリスファンクラブと思わしき学園生が並んでいる事だった。
ファンクラブも頑張るなと微妙に嬉しくない頑張りに感心しながら刹那は仕事を再開する。
午後からはミシェル等の学園に通ってる従業員も戦列に加わり、刹那の仲間も合流したので一層賑わった。
客は新たなメイドが増えた事に喜び、午後から入ったメイドは午前からいたメイド仲間に聞きながら頑張っていた。
今日は珍しく仕事に熱中してるアイナがやっと一息つけると言いながら刹那に寄ってくる。
「刹那ちゃん、お疲れ様〜。やっぱりミリスちゃん、人形の事怒ってたね?」
「えぇ、流石に魔法を放つとは思ってませんでしたが。結局私の人形まで飾る事になりましたし……」
「それはいいじゃん。私の人形は飾ってくれなかったのに〜。刹那ちゃんのケチ」
「ケチって言われましてもそんなに人形飾りすぎても管理が大変ですし……」
「管理って?」
「いや、盗まれそうじゃないですか?一応特殊ガラスのディスプレイに入れてますけど」
「なら私のも飾らない?皆のアイドルである私を飾ればきっと集客にもいいと思うよ?」
「名札に紅蓮のアイナって書いていいならいいですよ?」
「そんな事したら皆逃げちゃうよ〜!刹那ちゃんのいじめっ子〜」
「それより仕事しましょう。仕事」
刹那はなんとかアイナをやり過ごして、仕事に集中する。
バイト組も順調に仕事が出来てきた頃、刹那はそろそろ、Gランク戦があるので、出場する為、着替えを始める。
そして、皆にそろそろGランク戦にエントリーするので、後の事は頼むと言って刹那は執事カフェに移動をする。
「メリッサいるか?」
刹那がそう言いながら執事カフェに入ると、メリッサが顔を出す。
「刹那君いらっしゃい?どうしたの?」
「いや、今日Gランク戦だろ?メリッサは出ないのか?」
「あれ?刹那君出るの?」
「当たり前だろ?今連勝中だし出ない理由が無いだろ?」
「いや、メイド喫茶の開店の日だったし休むのかと」
「流石に開店の日でもGランク戦には出るぞ?メリッサも出るなら準備しろ。今から行くぞ」
「あれ?皆は行かないの?」
「流石に見学の為に店を空けさせられないからな。出場者だけだ」
「そっか。じゃあちょっと待ってて」
メリッサはそう言うと、着替えに戻る。
その間執事カフェにいたが、メリッサと親しげに話していたので、メリッサのファンらしき客に睨まれてしまった。
意外とメリッサも人気あるんだなと思いながらメリッサを待ってると、着替えて戻ってきた。
「刹那君お待たせ。じゃあ行こうか?」
「あぁ、メリッサ。それにしても意外と人気あるみたいだな?」
「ん?何が?」
「執事としてだよ。さっきお前の客らしき人達に睨まれたぞ?」
「あぁ、あれは私の関係者というか……軍関係の人達だよ。どうやらここで働く事知られてたみたいで?なんか来たみたい」
「そうなのか?まぁ、客になるからいいんだが……睨むのは勘弁してほしいな」
「刹那君なら別に大丈夫でしょ?喧嘩売られても負けないわよ」
「そもそも喧嘩をしたくないんだが」
メリッサの話を聞いて刹那はどっと疲れたが、そのまま居てもしょうがないので、執事カフェを後にする。
そして、メリッサと一緒に闘技場まで行き、出場登録をする。
今回も最後のDグループ戦に出場である。
刹那とメリッサは控え室で、今日はどうするか話す。
「今回も対した人はいなさそうだな?」
「刹那君がそういうならそうなんでしょ?」
「まぁ、今回も初手で一気に全体攻撃して終わらせるか」
「えっと?て事はまた私は全力で初手を防がないといけないのね……」
「そうだな。防がないと一緒に吹き飛ぶと思うぞ?」
「分かったわよ。でもなんだか私の力で勝ってる感じがしなくて嫌なのよね」
「そうは言ってもな?それなら今度からは違うグループ戦に出るか?」
刹那がそういうとメリッサは微妙そうな顔をする。
「確かに違う組になるって手もあるかもだけど、どの道刹那君が本選に出るから正直微妙なのよね。違う組でも結果は同じになりそうだし」
「なら我慢するしかないだろ?」
「そうよね。それに刹那君と組が違うと決勝までに戰う羽目になってポイント稼げなさそうだし」
メリッサはそういいながら溜め息を吐く。
刹那も決勝でメリッサと戦いたいのでここは我慢してもらおうと、だんまりを決め込む。
そうしている内にDグループ戦が開始される。
実況兼審判であるクーフェの合図で武舞台に刹那とメリッサは登る。
そして、開始の銅鑼が鳴り……一瞬で皆が吹き飛ぶ。
唯一メリッサのみが刹那に対して剣を振り下ろして、何かしらの攻撃を防いで立っていた。
その瞬間Dグループ戦は刹那とメリッサの勝ち残りで、今回も4人ではなく、2人しか残らなかったのでシード扱いになった。
今回も無事にシード権を手にいれた刹那とメリッサは今日の闘技場は終わりなので各店に戻って仕事をする事になった。
刹那が闘技場から戻ると、シセリーが闘技場の事を聞いてくる。
「メイド長?闘技場はどうでした?」
「無事今回もシード権を手に入れてきましたよ?試合も直ぐ終わったのでこうやって仕事にも戻れてますし」
「戦った後くらいゆっくりしてもいいんじゃない?」
「いえ、せっかくの開店日なので頑張って働きますよ」
刹那はそう言って、接客を次々こなしていく。
そして、刹那が戻って来てから、何故か学園生の数が増えた。
刹那は途中から抜けてたにもかかわらず、何故か刹那が店に戻ってるという情報が筒抜けの様であった。
刹那が嫌だったのは、食堂や風呂場で見かける同じ寮生が、何故か刹那を指名してオムライスを注文してくるので、そのたびに刹那はオプションを全てつけられあ~んをしなければならない事だった。
他の客は刹那が男等とは知らない筈だが、学園生は別である。
刹那が男と知りながら来ている事を考えると刹那は頭が痛くなってくる。
しかし、その事で頭を痛めていたのに何故か店員は嬉しそうなので、目の前を歩いていた手ごろなミシェルを捕まえて聞いてみる。
「あの、ミシェルさん?質問いいでしょうか?」
「えっと?メイド長なにかありましたか?」
ミシェルがなんだろうっといった顔で刹那を見てくるので、店員の態度について、聞いてみた。
「なんか私の学園の生徒が来ると従業員が喜んでいる様に見えるのだけど?なにか知ってますか?」
「あぁ、メイド長達の通ってる第7学園って言うのは神に選ばれた者しか通う事のできないエリート学園ですから、その生徒とお近づきになれるから嬉しいんじゃないでしょうか?」
「でも私の同級生というか、同じ寮生がほとんどなんですけど?まだ12、3歳ですよ?」
「この世界では中等入学が成人の証なので、一応メイド長も成人ですよ?それに学園生が来れば先輩の学園生もくるかもとか色々打算もあるのかもしれませんね?」
「ミシェルさんもそう思いますか?」
「私は今は料理の事で頭が一杯なのでそういうのはいいかなぁ~なんて」
ミシェルさんの言葉で刹那は少し救われた思いがした。
だが、学園生とはそこまで、皆に贔屓にされるのだと、刹那は今回初めて知った。
しかし、刹那にとって学園生が来れば来るほど……というか指名が入れば入るほど嫌になるのだった。
ただ、学園生でも、知らない顔の人達も結構来てるので、なんでだろうと様子を伺ってると主に奏を狙って来ているようであった。
他にもリース目当ての客もいる様であったが、セレナ目当ての客はどうやらいないようであった。
刹那は奏が狙われてる事とセレナに関心を寄せない事に怒り心頭で殺気が出初めていた。
ちなみに、レーシャル目当ての学園生が結構多いのは刹那的には微笑ましいので良しとした。
だが、奏とセレナの事については腹がたったので、客の顔をしっかり覚えておいて、後ほどなにかあったら、懲らしめようと刹那は誓った。
そこで刹那が気になったのは執事カフェの方である。
メイド喫茶にはこれだけ学園生が来てるので、執事カフェは学園生は来ているのかと思ったのだ。
刹那は思い立ったので奏に後を任せて、執事カフェに偵察に行く。
偵察に来てみると一番最初に気になったのはネスタが何故か居る事であった。
ネスタは大量にケーキを頼んで、コーヒーと共に楽しんでいる様である。
丁度、近くにいたアルをとっ捕まえて聞いてみた。
「ねぇ、アル?なんでネスタ先生が居るの?」
「いや、こっちが聞きたいんだが?授業が終わって、俺らが店に向かってた時には既にネスタ先生もこっちに向かってたぞ?」
「そうなの?」
「あぁ、なんかカフェとクレープ屋の材料を大量に補充するついでに居座ったみたいだぜ?」
「居座ってるの?」
「まぁな……俺達が来てからずっとケーキ食ってるぜあの先生……大丈夫なのかあれ?」
「まぁ、ネスタ先生は超甘党みたいですし、ほっといてもいいのかしらね……」
『はぁっ』
刹那とアルは同時に溜め息をついた。
そこで、刹那はネスタの事は保留して学園生について聞いてみた。
「そういえばアル?こっちは学園生いっぱい来る?」
「学園生?俺達の寮の生徒なら結構来てるぞ?主にミリス目当てで」
言われて店の様子を見ると、あちこちでミリスは声を掛けられ右往左往していた。
「確かにミリス狙いの寮生が結構来てますね……」
「だがな、刹那?意外なのは他の寮生だ。よく見てみろ。俺達の寮じゃない学園生が結構居るだろ?あれメリッサの知り合いみたいだぞ?」
「メリッサの?」
刹那は言われて様子を見てみると確かにメリッサの事を呼ぶ学園生が多い事に気づいた。
しかも、メリッサに声を掛ける学園生は女子生徒ばかりである。
ただの友達かと思いきや、お姉様と呼ばれているところを見ると、ちょっと違った関係があるのではと、頭痛がしてくる。
「アル?あれはなに?」
「俺に言うなよ。メリッサの奴、同じ年の奴にお姉様って呼ばれてるんだもんな。驚きだぜ」
流石メリッサというところか、百合百合しい香りが漂ってきそうである。
そうして、メリッサを見ていると、刹那に気づいたメリッサが声を掛けてくる。
「あれ?お姉様どうしたの?」
刹那に何気なく声を掛けたメリッサだが、刹那をお姉様呼ばわりしたのが、悪かった。
刹那に対して、どこか羨ましそうな目や、妬ましそうな目等、色々な視線が向けられる。
「メリッサ!この状況で私をお姉様呼びしないでくれない?なんか色々な目が怖いのよ」
「お姉様って肝が小さいのね?別に誰もお姉様に手出し出来ないわよ。というかお姉様めっちゃ強いじゃん?何に怯えてるの?」
「あのねメリッサ?私は女性じゃないの!男性なの!こういう状況の女性は怖いのよ」
「お姉様も今は女性じゃん」
「もう!そういう事じゃないのよ!とにかく、これ以上の視線は受けたくないからメリッサは接客に戻ってちょうだい」
「分かったわよ。お姉様の意気地なし〜」
メリッサはそう悪態をついて戻っていった。
そして、刹那はミリスの働きぶりを見た後、厨房に寄る。
「デニスさん?どうですかケーキ間に合ってますか?」
刹那は執事カフェの料理長であるデニスに質問をする。
「焼き続けてますのでなんとか大丈夫です。だけど、これ以上売り出すとなると少々きついかもしれませんね」
「店頭販売するなら、機材と人員を増やさないと無理ですか?」
「正直、きついと思います」
「そうですか。分かりました。こちらで調整出来る様にしておきます」
刹那はそう告げてから執事カフェのフロアへ戻ってくる。
確かにこれ以上のペースで商品を捌くのは難しそうだなと、思った後。
アルやミリス、メリッサの働きぶりを見て、他の従業員の接客も見る。
メイド喫茶と違い、色々なオプションがある訳ではないので、皆しっかりと出来ているので、刹那は執事カフェは大丈夫だと思い、後にする。
次はクレープ屋だが、朝からずっと凄い賑わいで、ハンナとロシオは一生懸命働いていた。
遠くから見た感じ、忙しくて話せなさそうなのと、問題はなさそうなので、薫香味亭2号店を見てみる。
薫香味亭に入ると、結構人が入っていた。
「マージリーさん?結構人入ってきましたね?」
「あぁ、刹那。そうだね。あんたが店頭で料理してから人が来る様になったよ」
「薫香味亭の既存メニューより新しいメニューがやっぱり注文されるみたいだね。でも一等地の客は薫香味亭を知らない奴も結構いるから、家の料理も結構出ている様だよ?」
「そうなんですか?」
「あぁ。それに家も食材には気を配ってるけど、ここみたいに全部を一級品にしてる訳じゃないからね。金持ち達に満足される品質の様だよ?ここのは」
「それは良かったです。まぁ、ネスタ先生が特待生寮で使う食材の流通経路から調達してるみたいなのでかなり良い食材みたいですからね」
「そうだねぇ。バターは私の店でも使いたいね。料理の幅が広がるからね。それとソース系も使ってみたいね」
「ソース系ですか?」
「しょうゆとか言うソースも独特で美味しかったし、とんかつにかけるソースも美味しかったからね」
「まぁ、しょうゆは確かにこの世界じゃ珍しいと思います。というかソース系は確かにこの世界はあまり無いですよね?」
「基本は塩、胡椒で味付けだからね。高級料理店だとソース系を使ったりもするみたいだけど、普通の食堂じゃあまり使わないねぇ」
どうやら、普通の食堂の料理は本当にシンプルに出来ている様である。
その点刹那の店の料理は多種多様で、色々とあるが、刹那は最初だからなんでもありにしているが、このままだと、食堂がめちゃくちゃになってしまうので、早期にメニューに工夫をしなければと思った。
だが、開店したばかりにしては上出来と思い、納得しておくのだった。
そして、刹那はメイド喫茶に戻り、閉店まで働き、開店当日は無事終了するのだった。
メイド喫茶ではかなりの売上になっており、オムライスは飛ぶように売れていった。
また、ホットケーキやパフェの試食を店先でした事によって、女性客を取り込む事にも成功した。
次に、執事カフェである。執事カフェではケーキを主力に店先で試食させていた。
その為、老若男女が店に来てくれており、お腹がすいた人は軽食や、イタリアン系の食事もしていってくれたそうである。
そして、クレープ屋は開店から閉店までフル稼働で、何度も食材が危うかったらしいが、ネスタの滞りの無い補給で無事終了出来たらしい。
最後に、薫香味亭2号店。流石に食堂は皆未知による不安から、客足が伸び悩んだ。
しかし、刹那の料理解禁で、なんとか客を取り込む事には成功。
だが、一番苦戦を強いられるのは間違いなく食堂だろう。
結局、4店舗共にとりあえずの成功を収められたので、刹那はなんとか成功を収めた。
店が閉店になったので、刹那は皆に挨拶をする為、メイド喫茶に集合を掛ける。
「皆さんお疲れ様でした。今日は開店当日でしたが、無事成功を収める事が出来ました。それも皆様のおかげです。ありがとうございました」
刹那がそう皆に告げると、皆が嬉しそうに笑い出す。
こうして、無事刹那の店一日目が終わる。
刹那達学園組は食事は途中で、各自済ませているので、23時終了の風呂に入らないとならないので、急いで学園に帰る。
アイナとレーシャルはレーシャルの家で今日は酒盛りするらしい。
なので、途中で直ぐに別れた。
そして、学園につき、奏達と別れる。
「奏。それにリースにセレナも今日はありがとうな」
刹那が感謝の言葉を告げると3人とも嬉しそうに、刹那に別れの挨拶をして別れる。
そして、メリッサとも別れる時に、メリッサに楽しかったと言われて、刹那はなんとか報われた気がした。
刹那達が寮に着く頃には既に22時25分であったので、直ぐに風呂に行った。
すると風呂は何故か終了間際なのに、大いに人で溢れていた。
なんだろうと、不思議に思った3人だったが、皆の言葉で理解した。
「刹那!メイドめっちゃよかったぜ!よっ!メイド長!」
「ミリス〜執事服でも凄く可愛かったぜ!またご主人様になりに行くぜ!」
「アル会長〜はどうでもよかったっす」
刹那やミリスファンクラブの面々が結局刹那達の帰りを待っていたようで、皆に今日の事を色々と言われた。
そのどれもが良かったという意見であった。
ただ、ミリスはまだいいが、刹那は数十人の顔にとっても見覚えがあるのだった……何故なら一口食べさせオプションを利用していたからである。
刹那からしたら、同じ男子にあ〜んをしていたという事実が重くのしかかった。
だが、皆嬉しそうだったので良しとするのであった。
ちなみに、アルに良かったと言うものは1人も居なかったのは可哀想だなとちょっぴり同情した。
こうして、刹那達はお風呂で皆に盛大に祝われた後に部屋に帰って来る。
「刹那。よかったな?今日は店が大繁盛で」
「ああ、アルもミリスもご苦労さま」
「刹那君もご苦労さま。メイド長は大変だったみたいだね。僕も刹那君にあ〜んしてもらいにいこうかな?」
「おっ!それナイスアイデアだな!俺も刹那にあ〜んしてもらいに行くか」
「2人共絶対に来るなよ?」
「それは振りだよな?」
「そうだね。きっと僕達に来て欲しいんだね」
アルとミリスはそんな事を言いながら刹那をからかって遊んできた。
だが、刹那は今日は満足したので、程々にアルのみ締め上げて、ミリスは許してやった。
そして、アルとミリスに気の処置を施して、無事201号室の面々は一日が終了するのであった。
お店開店当日後編。
執事カフェやクレープ屋、薫香味亭を見回る。
途中で闘技場に行く。
ちなみに即効で刹那が皆を倒して、刹那とメリッサはシード権を獲得して直ぐに店に帰還。
ネスタを筆頭に、学園生が大量に押しかける。
刹那が目当ての客に、ミリスが目的の客は刹那達の寮生が殆どでした。
奏目当ての客は学園の一年生の色々な人が来てた模様。
他にはメリッサの友人やちょっとあれな関係にありそうな方も来てました。
薫香味亭は苦戦しましたが、他は大成功。
無事刹那のお店オープニングを終了出来ました。
ちなみに刹那が帰宅後お風呂に行くと、店に来てオムライスを食べさせた顔がずらりと並んでおり、刹那は女性かもしていたので凄くジロジロ見られて、怒りゲージが危うかったですw
結局、大成功で終わり、部屋でアルとミリスにオムライスオプションを刹那にしてもらいに行くと2人にからかわれ、201号室は今日も平和に一日が終了しました。
そして、第三章も完結です。
次回はお店の開店二日目から書かれますが、一気に聖炎祭という行事に話が飛びます。
そこからが、刹那達の目的であるエレメンタルの回収物語の始まりです。
つまり、ここからがメインストーリーです!
まぁ、今までもメインではあるのですけどね?よりメイン的な話しです。
それでは次回を第四章をお楽しみに〜
それでは毎度お馴染みのセリフと共にお別れしましょう。
目指せ書籍化!第二章終了で第三章開始♪現在第50話です。パンパカパーン♪♪♪第三章終了です♪
現在ブックマークが173人なう。ちょびっと増えたよ〜○┓(アイナ風)ペコリ(登録してくれてる人は感謝です感謝(*´ω`人)感謝(TдT) アリガトウ○┓ペコリ)
是非まだまだ伸びたいので、ですので皆さん御慈悲を下さいorz
では評価、感想お待ちしております。ちなみに感想くれた方ありがとうでした。
他の方もよければどんどん感想をば
というか最後の言葉はやっぱり書籍化目指して頑張るぞ(*´ノд) ダヨネー( ´゜д゜)(゜д゜` )ネー(*´・ω・)(・ω・`*)ネー(書籍化を望む人が増えてる気がする!(作者の中でだけw))
最後の方はいつも使い回しでごめんね?では神超をよろしくです♪♪♪(音符を増やしたw)
ちなみに第一章が終わったので第一章を読んでない方は要チェックや!
遂に二章完結。いや〜二章は長かったな…w第三章開始。というかもう終わるけどwというか終わったw次はいよいよ第四章です!
追加!追加!追加!?♪
小説家になろうの『ネット小説大賞5』に無謀ながらそのまんま又チャレンジ!すなわちエントリー(*´∀`)♪
そして『ネット小説賞感想希望』もしたので感想を書いた方はもれなく特典がもらえるかも工エエェェ(´д`)ェェエエ工
是非とも『ネット小説大賞』のノミネート作品になれる様に皆様ご協力をお願い致します。
後、感想がまた伸びたのですが、まだまだどんどん感想待っております。
目指せ書籍化!この調子でどんどん話を投稿するぞ!(* ̄0 ̄)/ オゥッ!!(。`・∀・´)⊃