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神々を超えし者を創りし世界  作者: 永澄水樹
第一章 入学騒乱編
12/70

♯12 1-11 4月7日の入学式とセレナの秘密

はい、今回の第12話もギリギリの投稿です。現在22時50分もう後書き書く時間ないぽ(ヾノ・∀・`)ナイナイ


という訳で第12話は前回の予告を無視してまだ入学式が始まる前の話しになります。


その理由はセレナという少女の魅力を作者が語りたかった為です。


なので、入学式後の新デバイスの登場や新技を期待していた方すみません。


でも、それを書かずにこの話を書いたのはきっと正解だと作者は思います。


これを読めばきっとセレナというキャラクターの魅力が伝わることでしょう。


どうしてセレナがこんなキャラなのかどうぞ存分にお読み下さい。


今回の話しは序盤はアルとセレナの大食いっぷりを堪能して、


遂に男3人と女3人の邂逅を楽しみ、


セレナの秘密を知る為の物語り。


神超第12話「4月7日の入学式とセレナの秘密」どうぞご笑覧あれ。


ちなみに後書きは今日の午前0時までに書いときます。


 刹那達と奏達がお風呂に入った後、両方共次の日の入学式の為に早めに眠りについていた。


  次の日刹那は鍛錬の為に早起きしていた。しかし、いつもとは様子が違った。



 「今日は4月7日か…俺は今日入学式だ。でも本当なら楓が迎える筈だったんだよな…」



  4月7日、それは楓の誕生日であり。本来なら13歳の誕生日の誕生日である。


  刹那は楓を守りきれず、それどころか自分の命すら救われた事を今でも悔やんでいた。


  もう二度とそんな公開をしない為に、心から楓の事を助けることを自分に誓い、鍛錬の準備をした。


  ただそんな為、今日の刹那はいつもより心が荒んでいた。


  刹那はその事をあまり考えないように、マキナに頼んで重量を80キロにしてもらったバリアジャケットを装備して鍛錬を開始した。



 「ふぅ。こんな物か」



  刹那は1人呟きながら朝の鍛錬を終了して、部屋に戻った。


  その頃奏も早く起きて楓の事を考えていた。



 「お姉様、お誕生日おめでとうございます」



  奏は1人呟きながら楓の事を祝福し、絶対に助けると願っていた。


  すると、今日はやけに早く起きたリースが話し掛けて来た。



 「奏さんどうしたの?今お誕生日おめでとうって言ってたよね?それにお姉さまって?お兄さんじゃないの?」



  そう尋ねてきたので奏はちょこっとだけ楓の話をした。



 「お姉様って言うのは、4月7日、つまり今日生まれの私の実の姉よ」


 「へぇ、お姉さんいたんだね?でも何で本人に言わずに祈るようにしてたの?」



  リースがそう聞いてきたのでちょっと複雑な気持ちのまま答えた。



 「お姉様は5年前にお兄様と私が襲われた時に、お兄様を庇って犠牲になった姉なの」


 「ごっ、ごめんね。聞いちゃまずい事だったね…」


 「いえ、でも助けられる可能性はあるのよ?」


 「えっどういう事?」



  リースの質問に奏は答えた。



 「私とお兄様がこの世界に来たのは楓お姉様を蘇らせる為なの」


 「そんな事が可能なの?」


 「神々を超える神…それになれれば救える可能性はあるそうよ」


 「でも…」



  リースは言い淀んだ。何故なら神を超える神は実在はしたようだが、作り出す事はできていないのだ。


  そもそもこの世界は自主的にその神を創る為に、あちこちの世界からその存在を創る為に、優秀な人材を集めた世界なのだ。


  それでも未だに神々を超える神を作り出せずにいる。


  その事をリースは知っていたがどの道やらなければならないと決めているなら、この情報はやる気を阻害するのではと思い告げるのをやめた。


  こうしている間に奏は鍛錬に行ってしまった。


  リースはそんな奏を見て、自分も皆の助けになるよう頑張らなきゃと気持ちを新たにするのであった。



  そして、刹那は鍛錬を終えた後アルとミリスを連れて食堂のいつもの席に着いていた。



 「アル、お前朝からそんなに食って大丈夫なのか?」



  アルは朝から大盛りでは無く、特盛でもなく、アルにしか食せないのではないかと思われる、アル盛なる物を食べていた。


  アル盛というのは刹那が命名した物だが、既に食堂のおばちゃん達から、アル君が来たと伝わるだけでこの量が出る様になっていたので、アル盛と呼称しても問題ない。



 「アル君よくそんなに食べれるね。僕胸焼けしそう…」



  ミリスはアル盛を見てげっそりしているのだった。


  刹那は鍛えてるので食事は特盛で頼んでいるが、ミリスは少食なのか並盛りでは無く小盛りを注文していた。


  男性陣では1番食べないミリスは刹那の量でも驚いていたので、アルの量だと言葉にしにくい程の様だった。



 「いや〜食堂はいいな。定額で量が変えられるんだから、俺にとっては天国だぜ」


 「ああ、まぁ量によって値段が変わらないのはいいな。だが、俺は今日で食堂のチケット切れちまうから飯ないんだよな」



  その呟きを聞いたミリスが刹那に聞いてきた。



 「チケットが無いって、買えばいいだけじゃない?」



  だがその当たり前が刹那は出来なかった。何せこの世界の金を持っていないのだから。



 「実は俺は今日までしか食事のチケット持ってないんだよ。それ以降は自分で稼いで買うしかないんだ」


 「自分で稼ぐ?」


 「そうだ。俺は特待生になれなかったし、転移者だからな。お金も無いから自分で稼いで生活しなきゃならないんだ」



  そう言うと今度はアルが聞いてきた。



 「自分で稼ぐって言ってもどうするんだ?その年齢じゃ働き口を探すのも無理そうだし、どうするんだよ?」


 「それは学園長と教頭の計らいで、冒険者と闘技者になってやっていく事になってる」



  それを聞いた2人は驚きながら質問をしてくる。



 「確かに冒険者ギルドに登録するには、12歳からってなってるから大丈夫だけど。登録料はどうするの?」


 「それもちゃんと準備がある。大丈夫だ」


 「大丈夫って、登録するのに銀貨50枚必要何だよ?ローンも出来るけどしばらくは全然稼ぎが出ないよ?」


 「そうだぜ刹那?登録料をローンにすると、返却が優先されて殆んど稼ぎがでなくなる。それじゃあ生活が厳しいだろ」


 「それに闘技者って、確かに年齢制限無いけど。大怪我したりする危険な物だよ?僕は反対だな」


 「ミリス、俺は一応それなりに戦えるし大丈夫だ。それに冒険者の方も大丈夫だ」


 「おい、刹那。冒険者の方大丈夫ってどういうことだ?」



  アルが冒険者の事について質問してきたので教えてやった。



 「さっき言っただろ?学園長と教頭の計らいがあるって。冒険者登録料は既に渡されてんだよ」


 「それって、銀貨50枚あるって事?」


 「そうだ。だから、すぐにでも冒険者になれる」


 「おい、刹那?それっていつから始めるんだ?」


 「一応、入学式までは駄目と学園長と教頭に言われてたからな。早速今日にでも登録に行こうかと思ってたんだが」



  その事を告げるとアルが一つ提案をしてくる。



 「なぁ、相棒?俺も一緒に冒険者になっちゃ駄目か?」



  突然アルが一緒に冒険者になると言い出した。



 「あのな。俺は金が必要でやるんだ。なのに何故アルがやるんだよ」



  そう言うとアルは微妙な笑いを浮かべ言ってきた。



 「俺はな、家の面子の為にこの学校に入れられたんだよ。だからお金は実家から払われる」


 「それなら、何で冒険者になんてなるんだ?」


 「家の金を使って世話になってる間は俺は道具と同じだ。だから、1人でやっていけるようになりたいんだよ」


 「確かにお前には家の事情があるかもしれないがいいのか?」


 「ああ、俺は早く独り立ちしたいんだ。折角刹那が冒険者になるなら俺もなる」



  アルは刹那にそう宣言してやる気を出していたが、ミリスが話しに入ってきた。



 「2人がやるなら、僕もやろうかな?」



  突然ミリスまでも冒険者になるというので、流石に止めようと刹那はしたがミリスは言った。



 「仲間はずれは嫌だし、それに強くなるチャンスだと思うんだよね。それに冒険者ランクは学園の成績にも反映されるのは知ってる?」



  刹那が知らない情報をミリスが出してきたので刹那は聞いてみた。



 「冒険者ランクってのは成績に影響するのか?」


 「そうだよ。僕はロウペンタゴンだしあまり、能力としては芳しくない。でもね?冒険者として強くなれば大学へ行く為に役立つかもしれないんだ」



  ミリスはそういい刹那を力強い決意の眼差しを向けて言ってきた。



 「僕は魔法大学に入りたい。確かに学園を卒業するだけでも就職は十分出来る。でもどうせならやれる所まで自分を試してみたいんだ」



  そう宣言するミリスはとても格好良く見えた。なので刹那はミリスに言った。



 「冒険者ってのがどんなのか分からない。多分危険もあるだろう。それでもミリスは良いのか?」


 「うん。僕も2人に負けない位に頑張るよ」


 「なら、決定だな。とりあえず今日は、入学式が終わった後どうするかだな」


 「一応、今日までは生活出来るから、登録だけ今日して、活動は明日からでどうだ?」


 「僕はそれでいいよ」


 「俺もそれでいいぜ」



  そう言って2人は乗り気だった。なので一つ聞いてみる事にした。



 「冒険者ギルドの登録料はどうするんだよ?」



  さっき自分が聞かれた事を聞いてみたが2人は簡単に答えた。



 「俺は仕送りがあるから、すぐに稼ぎがでなくていいからローンで登録するさ」


 「僕もローンで登録かな?すぐにお金が必要って訳はじゃないし、仕送りは使わない分は貯めとくよ」



  結局2人共ローンを組んで冒険者になるそうだ。


  こうして3人は冒険者になる話をしながら朝食をとるのだった。



  その頃奏達は食堂に来ていた。



 「おおっ、こっこれは食べ放題か?」



  セレナが目を爛々とさせ聞いてきた。



 「はい、朝はバイキング形式ですので、好きな物を好きなだけ食べれますよ」


 「ほっ、本当か?」


 「ここはいつも朝はバイキング形式よ」


 「それじゃあ、本当に食べ放題なんだな?」


 「そうですよ〜。とりあえず自分の食べる分取って席につきましょう」


 「分かった。どれも美味そうだな…とりあえず片っ端から食べるか!」


 「あまり、はしたない事しないで下さいね?セレナ」


 「好きな物を好きなだけ食べる。それがバイキングだろ?私はそれに則るだけだ」



  奏とリースは必要な食事を取り、席でセレナを待っているとしばらくしてやって来た。



 「ちょっと置くぞ」



  そう言ってセレナは色々な物が山盛りになっているトレイを置くと又、フラフラとバイキングエリアへ戻っていく。



 「ちょっとセレナ!貴方まだ取ってくる気?」


 「すっ、すごい量だね?セレナはまだ取ってくるの?」


 「当然だ!これじゃ足りないからな」



  そう言い残し、さらに料理を求めて行ってしまった。



 「朝からよく、こんなに食べようとするわね?」


 「そうだね。奏さんも見かけによらず食べるけど、セレナは異常だよね」



  奏の場合しっかり鍛錬をしてる為、食べる量もちょっと多めなのだが、セレナは特に何もしていないのに、とんでもない量の料理を運んできた。



 「まぁ、とりあえずこんなもんだろ」


 「とりあえず?」


 「こんなもん?」



  2人はセレナの言動に驚いていた。



 「早く食べてしまおう。腹が減って力が出ない」


 「いえ、貴方を待ってたんですよ」


 「そうだよ。セレナを待ってたんだから」


 「そうか。それじゃ、いただきます!」


 「「いただきます」」



  3人ともいただきますをして食事を始めた。


  奏とリースは食べ終わる頃、セレナというとさらに料理を求めて又旅立っていた。



 「あんなにも食べて、まだ食べる気ですね」


 「そうだね。最初の量でも驚きだったのにまだ食べるんだ」



  どうやらまだ食べ足りないようでお代わりをしに行っていた。


  なので、2人は紅茶を飲みながらセレナの食事が終わるのを待っていた。



 「もう、食べるのはいいかしら?」



  奏の質問にセレナが答える。



 「おお、満足したぞ。昼が楽しみだ」



  今食べ終わったのに既に昼の心配をしているセレナであった。



 「とりあえず、今日の予定を立てましょう?」


 「そうだね。まず私達は奏さんのお兄さんと合流するんでしょ?」


 「ええ、入学式の日は講堂前で待ち合わせしていますので」


 「奏の兄か。どんな男か楽しみだ」


 「お兄様は女性を決して待たせないタイプなので、早めに出ますよ」


 「そうなのか?でも別に早く出る必要はないのではないか?」


 「いえ、お兄様に「今来た所ですよ」って言いたいんです!だから早く出ないといけないのです」


 「奏さん、何だか可愛らしいですね」


 「私は別にどうだっていいのだが」


 「駄目です。とにかく部屋に戻って入学式へ行く準備をしますよ」



  そう言うと3人は部屋に急いで戻っていった。


  その頃刹那はアルとミリスと部屋で準備をしていた。



 「奏を待たせる訳には行かないからな。早く準備しろよ」


 「そんなに急かすなよ。別に入学式始まる前に行けばいいだけだろ?」


 「俺のポリシーが許さないんだ。女性を待たせるなんて失礼だろ」


 「刹那君はいつも妹さんと待ち合わせる時に先に待ってるの?」


 「ああ、待たせないように気をつけてるからな」


 「なんで、そんなに待たせる事気にするの?刹那君」


 「奏の奴、いつも早めに来てるのに、待たせて悪いって言うと、今来た所とかって言ってずっと待っちまうんだよ」


 「それって、妹さん別にそのシュチュエーションが好きなだけじゃないかな?」


 「でも、ほっとくと本当に早く来過ぎちゃうんだよ。だから、俺の方が早めに待ってて諦めさせようとしてるんだが」


 「上手くいってないの?」


 「いや、自分が早すぎると俺が早く来すぎるから、ある程度早く待ってれば諦める」


 「だから、今日もちょっと早めに待とうと思ってな。だから2人共早くしてくれ」


 「わかったよ。まぁ、持ってくのは鞄位だろ?」


 「そうだね。今日クラスが決まって。教科書とか配られるから」


 「そうなのか。そういえばクラスはどうなるだろうな」


 「大体はルームメイトは同じクラスになる様になってる筈だよ」


 「何でだ?」


 「一緒の方が互いに一生懸命に頑張るからって」


 「へぇ、そうなのか」


 「そんな事より早く行くんだろ刹那?」


 「そうだな。行くか」



  こうして3人は講堂に向かって出発した。


  その頃、奏もセレナを急かして出発していた。



 「早くしないとお兄様が来てしまいます」


 「別に急がんでもいいだろ?」


 「ちょっと歩くの早いよ、奏さん」



  急ぎ足で行動の入口に到着するのだが、そこで刹那達と鉢合わせる。



 「お、奏。今来た所か?」


 「はい、今来た所です…」


 「そうか、良かった。」


 「良かったじゃないか。今来た所か聞かれて答えられたな。まぁ、本当に今来た所だが」


 「セレナ、そういった事じゃないよ!それに本当に今来た所じゃ奏さんの思ってた物と違うよ」



  リースは奏が、結構待っていたのにいじらしく今来た所と言って、その事を刹那に気を使って貰うといったシュチュエーションに、憧れてたのだと気づいていた。


  なのにセレナは本当に今来た所などと言ってしまったのでこれじゃあ台無しである。


  実際奏は悲しそうにしていた。



 「あっ、あの。奏さんのお兄さんですよね?」



  リースは慌てて話題を出した。奏の事を呼び捨てにしているので兄だと思ったのだが、あまりにも女性らしいので、ちょっと勘違いかなと心配しながら聞いていた。



 「はい。俺の名前は時乃宮刹那です。妹の奏がお世話になってます」



  刹那はリースに丁寧に挨拶した。すると会うまで散々警戒していたのに、刹那の態度に何故かドキッとするリースであった。



 「私はリース・フラメルです。奏さんにはお世話になってます。リースって呼んで下さい」



  そんな感じで刹那とリースは紹介し合った。そこで刹那はアルとミリスを紹介しようとする。



 「えっと、こいつはミリスだ。この間言ってた奴だ」


 「貴方が、ミリス君ですか。よろしくお願いしますね。時乃宮奏です。奏とお呼び下さい」


 「えっと、僕はミリスティム・セフィラムです。ミリスと呼んで下さい」


 「私はリースって呼んで下さいね。ミリス君」


 「はい、リースさん。よろしくお願いします」


 「おい、刹那!早く俺を紹介してくれ!」



  アルはとても興奮気味に刹那に訴えた。



 「えっと、こいつはアル。適当に扱ってくれ。呼び方も適当でいいぞ」


 「なんだよその紹介は!」


 「おい、いいのか?みんなの前だぞ?」



  そう言うとアルはシャキッとして奏とリースに話しかけた。



 「奏さん!アルフォートと言います。アルと呼んで下さい!」


 「はい。アル君ですね。よろしくお願い致します」


 「リースさん!アルフォートです。アルです。よろしくです」


 「リースです。アル君よろしくね」



  あまりの勢いに少々ひかれ気味なアルだがまだ暴走していた。



 「長い黒髪と白い肌がとても印象深く、この世の物とは思えないとても可憐な奏さん。鮮やかな水色の髪をなびかせ、透き通る様な声に清楚なリースさん。2人共私と付き合いませんか?」



  会って間もないのに何故かアルは2人に交際を求めていた。



 「おい、アル。お前なら口説きそうだとは思ってたが2人同時とかどんだけだよ?」


 「何かおかしいか?」


 「いや、普通1人だろ?2人とかがっつき過ぎだろ?」


 「何言ってんだ?相手を作るなら何人を作れるかが男の甲斐ってもんだろ?こんなに素敵な2人がいてアタックしないなんてそれこそ失礼だろ?」


 「えっと、刹那君。一応アル君の言ってる事合ってるよ。僕の種族なんかも子供ができる可能性が低いから何人もの人を囲んでるし」


 「マジで?」


 「刹那君の所は違うの?」


 「いや、俺の所は一夫多妻は駄目って習慣だったからな…な奏」



 そう奏に同意を求めたが奏から返ってきた答えは違っていた。



 「好きな人が何人もいてもいいじゃないですか?皆をちゃんと愛せれば問題ないかと思います。私はお兄様しか興味ありませんが」



  奏は見事に刹那を裏切っていた。それは奏自身が姉の楓に一生勝てないと知っているから出た答えだった。


  刹那は今でも楓を好きで、自分に大してとても優しいが、それでも楓の事を一番に考えていると考えての事だった。


  だから、例え2番目でも、リースを好きになり3番目になろうとも一生ついて行く覚悟を奏はしていた。


  そんな事を知らない刹那は困った顔で周りを見ていた。すると奏とリースの影に埋もれていた中二な奴が名乗りを上げる。



 「そろそろいいか?私こそ、魔より魅入られし魔眼の持ち主であるセレナ・クロウリーだ!うっ、今宵も我が魔眼が疼きよる…」


 「えっと、セレナさんでいいのかな?僕はミリスだよ?よろしくお願いします」


 「何だ?このちみっこい眼帯眼鏡は?今宵って今は朝だぞ。それに何か可愛いのに残念臭がする変な奴だな」



  ミリスとアルはセレナの紹介に返事をしていた。だが刹那はワナワナとしていた。



 「おっ、おい!魔眼って本当に持ってるのか?」


 「うん?本当に持っとるぞ!我が魔眼は最強無敵で危険だからな封印もしておるのだ」


 「って事はその眼帯の下がまさか、魔眼か?」


 「えっと、そっ、そうだ!我が魔眼に恐れ入ったか」


 「おお、まさか魔眼が実在するとは!眼帯かっけえし、眼帯の上に眼鏡ってのも新鮮で可愛いな」


 「うむ、お前はよく分かっているではないか!奏の兄だったな。私はセレナと呼んでくれ。お前なら呼び捨てでいいぞ!」


 「分かったセレナ!俺も刹那って呼び捨てでいい。これから宜しくな!」


 「お前とならよろしくしてやってもいいぞ!」



  そう言って2人は何かしら通じるものがあるようで、強く握手を結ぶのであった。その絆は中二という名の絆であった。



 「やっぱりこうなりましたか…お兄様がセレナに興味を…ライバルがリースの他にもできてしまいました」


 「えっと、奏さん落ち込まないで、それにライバルって私は刹那君を取ったりしませんよ?」


 「お兄様は素敵です。兄馬鹿かと思われるかも知れませんが、本当のお兄様に触れ合っていれば、惚れない女はいないと思います。セレナも男に興味ないと言ってたのに仲良くなってるでしょ?」


 「それは、魔眼の事を褒められたから仲良くなっただけで、男として好きになった訳じゃないでしょ?」


 「いえ、セレナは自分は周りから認められないとか、男が自分を女として見ないと言ってましたがお兄様は違います」


 「えっと?それはどういう…」


 「お兄様は問題を抱える人、弱い人、辛い目に遭ってる人とにかく、不幸な人程とても優しく接し、結果として惚れられる事が多々有ったんです」


 「へぇ、そうなんだ。お兄さんの話は今まで聞いてきたけど。正直、へん…変人って印象しか無かったなぁ」


 「でもリース。貴方、お兄様とあって嫌悪感減ったでしょ?それにお顔が女らしいから警戒も薄れたんじゃない?」


 「うっ」



  実は奏の言った通り、今まではシスコンで、妹の事を思って変な事をする変人ではなく変態な人と勝手に思い込んでいた。


  しかし、時間を気にして来たり、女から見ても綺麗な顔で、にこやかに笑いかけられながら挨拶された時に嫌悪感が消え、警戒心も忘れ去っていた。それどころか一瞬ドキッとしてしまったのだ。


  その事でリースが悩み始めるとミリスが会話を再開させた。


 「えっと、クロウリーさん?僕はミリスティム・セフィラムです。よろしくお願いしますね?」


 「おい、ちみっこいの?魔眼とかふざけた事はいいとして、とりあえずこれからよろしくな。アルって呼んでくれ!」


 「ミリスと馬鹿アルだな。分かった。ミリスは可愛いから仲良くしてやる。アルは馬鹿そうだからあまり近づくな。移りそうだから」



 セレナはミリスを可愛いと評した為、ミリスがちょっと落ち込んでいた。真の男を目指すミリス残念そうにしているがやっぱり可愛かった。


  そして、アルに対しては馬鹿と言い、とても友好的でない対応をしていた。


  なのでアルが文句を言う。



 「おい、魔眼馬鹿のセレナ!俺を馬鹿呼ばわりするとはいい度胸じゃないか?」


 「ふん、魔眼をふざけた物呼ばわりするからだ!刹那は我が魔眼をとても評価してくれたぞ!可愛い顔してるが男気のあるいい奴だ。だがお前はな…」


 「お前は何だって言うんだよ?」


 「自分の名も堂々と名乗れない、肝もアソコも小さい男だというのがよくわかる奴だな!マギヌス」



  セレナはアルが名乗らなかったマギヌスという姓を知っていた。



 「何で俺の事知ってるんだ?」



  アルはちょっと怖い顔をして睨みつけた。


  するとセレナは眼鏡と眼帯を外し右目を瞑り、左目を凝らす。すると模様が浮かび始めてから言葉を発し始めた。



 「アルフォート・マギヌス。8月31日生まれのブラットタイプA型。好きなのは馬鹿騒ぎする事、食事、特に肉を食べる事。嫌いな事は名前を貶される事、自分を見下す者、ミリスに害をなす者。現在したい事は気力付加をマスターする事、刹那とミリスを…女装させる事?」


 「おっおい、ちょっと待て何でそんな事知ってるんだ?」


 「そんなのどうでもいい。好きなのが食べる事なのは共感が持てる。そして、ミリスを守ろうとする男気も良い…しかし刹那とミリスを女装させる事が今したい事って、お前は正真正銘の変態馬鹿だな!まあこうしてお前を見てみると悪い奴じゃなさそうだな」


 「いや、それよりも何でそんな事を…」


 「何を言っている。お前が馬鹿にした眼の、識別眼の力だ」


 「げっ、マジかよ」


 「はっはっはっは。どうだ私を崇め奉りたくなっただろ?」


 「誰がだ!この胸無しのちんちくりんが!もっと魅力的になってから言うんだな!」


 「なん、だ、と。この馬鹿がやはり肝もアソコも小さいのだな!」


 「はん!肝はでかいしアソコだって大きいわ!」


 「ならば、見させてもらうぞ!」



  そう言うとセレナの眼の模様が変わり透視眼に変わる。



 「ふん、ボクサーパンツか、ブリーフなら笑ってやったんだが…どれどれ?あははははは、まだまだ、皮を被ったたけのこでは無いか!立派な傘を持つきのこになってから言うんじゃな!」


 「うっ、お前もしかして見えてるのか?」



  その言葉を言った瞬間ミリスは後ろを向き胸とアソコを隠した。


  一方、刹那の方も両手で股間を隠していた。



 「ミリスは細くて、くびれてて、しなやかで、まるでおなごだな。首から背中のラインとか尻が堪らんなぁ」



  セレナはミリスを見て完全にオヤジ化していた。



 「刹那は…これっ、隠すんでない!手をどけんか!」


 「誰がどかすか!」


 「ええぃ、折角刹那のイチモツも拝んでやろうとした我が心を読まん奴だな。私と刹那の仲だろ!手をどかせ」


 「確かに、セレナは俺も気に入ってるが、それとこれとは別の事だ!見たいならベットでいくらでも見せてやる!だから今見るんじゃねぇ」


 「ちっ、透視眼の力をこれ以上強くしても肉体の組織や骨しか見えん。手で隠されたんでは見えん。ちっ使い勝手の悪い眼だな」



  そう言うとセレナは眼から力を抜き、瞑った右目を開けて綺麗な銀色の両の瞳を見せた。



 「もう、魔眼は発動してないのか?」


 「いや、眼帯つけんとまだ完全に抑えられてる訳じゃない、それに眼鏡を掛けんと良く見えんし、右目が暴発する」



  セレナはそう言って左目に眼帯をつけ、眼鏡を掛けて皆を見回した。



 「もう、大丈夫だぞ。識別眼も透視眼も発動してないし、眼鏡を掛けたから魔眼も発動せん」



  その言葉を聞いていた刹那が疑問を上げた。



 「ちょっと気になったんだが、魔眼なのにオッドアイじゃないし、それに右目も魔眼なのか?」



  その質問にリースが答えた。



 「あの〜刹那君。セレナの魔眼は右目だけで、左目は正しくは神眼です。それに力を使う時しか色は変わらない様です」


 「えっ、そうなの?」



  リースの言葉を聞くとちょっぴり残念そうにする刹那にセレナは言った。



 「色が違う、オッドアイの魔眼持ちは確かに居るが、私の銀色の眼は特別製だぞ?色持ちは1つの力しか持たない物が多いし、オッドアイの者はそういった者達だ」



  そう言うと刹那はちょっと嬉しそうにしながらセレナの前に来ると右手を顔に添え、セレナの瞳を見てきた。



 「そう言われると、何か凄そうだな。それに銀色の眼はとても綺麗だ」



  その言葉を聞くとセレナの頬は染まり、セレナの心でキュンと言う音がした。



 「せっ、刹那。今言った事は本当か?銀色の瞳が気持ち悪いとは思わんのか?」


 「何でだ?とても綺麗で神秘的で素晴らしいじゃないか?」


 「眼帯つけてたり、その上眼鏡何か掛けてて可笑しくは無いのか?」


 「ん?眼帯だけってのも素敵だが、その上に眼鏡は有りだと思うぞ!」


 「ほっ、本当か?私は…その、言葉遣いは荒いし、生意気だし、口うるさいし変だろ?」


 「何でそんな事言うんだよ。言葉遣いとか、生意気だとか、口うるさいとか全部個性だろ?それにセレナはその方がセレナらしくていいと思うぞ?」


 「私は可愛いか?」


 「ああ、とっても魅力的で素敵な女の子だよ。だから泣くな」



  そう言うと刹那はセレナの左頬に添えてた右手をセレナの頭に乗せて撫でた。


  するとセレナは刹那の胸に飛び込み、抱きしめて泣き出した。刹那は左手で抱き、右手で泣き止むまで頭を撫でてやった。


  しばらくすると泣き止んだセレナは恥ずかしそうにしながら、頬を染めながら手をもじもじさせて、言葉を発した。



 「すっ、すまんな。取り乱して。ちょっと感傷的になっただけだ!涙も魔眼を使いすぎてつい出てしまったんだ」



  セレナは誰でも分かるような嘘をつきながら刹那を見ていた。


  セレナは今まで銀色の眼をしていたので気味悪がられていた。


  小さい時は神眼も魔眼も制御ができず、皆から虐げられていた。


  いつも皆に仲間外れにされ、図書館で本を読むのが唯一の安らぎの時だった。


  そして、父と母に眼帯を貰って神眼が抑えられた時、もう一度皆と仲良くしようとした。


  だが、外で遊んでいた時にたまたま魔物に襲われ、本能的に自分を守ろうとした右目の魔眼が発動した。


  3匹のコヨーテ型の魔物はセレナに見られた途端に燃え上がった。


  1匹、2匹、3匹と襲ってくる毎に魔眼が発動して全身を焼かれた魔物の死骸だけが残った。


  その時、街の人が助けに来たのだが、その状況を見て、大人達はセレナを危険視し、子供達も又、セレナを仲間外れにした。


  そうした状況で育ってきたセレナだが、だが、1人の男の子が引っ越して来てセレナと普通に接してくれた。


  その子との時間はセレナにとって幸せな時だった。だが、セレナの情報が伝わるのは時間の問題だった。


  しかし、知らずにセレナはその男の子に告白の様な事をしていた。まだ幼かったので好意があるという感じだったがその子は困った顔をしていた。


  それからしばらくして、なかなか遊ぶ機会が無くなってきていた、セレナはたまたまその男の子が他の男の子と話してる現場に遭遇した。


  話しの内容はセレナの悪口で気持ち悪いとか、恐ろしいとか今まで言われて来た内容と一緒だった。


  だが、その男の子はセレナの味方をしていた。でも段々と話が進むにつれ雲行きが怪しくなってきた。


  その男の子は自分に嫌な事をしない事や、むしろ好いてくれている事を他の者たちに主張した。


  でも、ある男の子の発言で全てが瓦解した。セレナが小さい時にまだ神眼が暴走していた時の話しをしたのだ。


  その内容は神眼の内の1つ透視眼。全てを見通す眼は心も見通していた。小さい時に知らずに人の心を読んで話してた時期があった。


  その時の話しをして、1人の男の子が言った。きっと引っ越してきたお前は嫌われないように心を読んで接していたのだと。


  実際はそんな事はしていない。セレナは眼帯と眼鏡で完全に能力を封じてる。なのでその様な事は完全なデタラメだ。


  しかし、その男の子はセレナの事を考えた。いつも自分になつくセレナ。自分の嫌がる事をしないセレナ。自分に好意を寄せてくるセレナ。


  言われてみればセレナは男の子の望む様に動いていた様に感じる。しかし、セレナは自分が散々嫌な事を味わって来たからこそ、人に嫌がる事をしない優しい子に育っていた。


  だが、それも引っ越して来た男の子の話しの内容の変化と共に崩れ始めた。


  セレナを擁護できなくなった男の子は、このままだと自分まで仲間外れにされると思い、皆に同調し始めた。


  話しの内容はセレナを酷くいう事になって行きセレナは心が潰れそうになった。でも聡かったセレナは男の事を責める気にはなれなかった。


  でも、そのまま立ち去る事もできなくセレナは自分から禁忌を犯した。眼鏡を取り、眼帯を外し、右目を瞑り、左目の透視眼を使った。


  男の子達の心は予想通りの物で安心した。しかし、神眼の制御が完璧でないセレナは制御崩壊を起こし、暴走した眼を好いていた男の子に向けてしまった。


  すると男の子の考えが頭に入ってくる。表層はひとりぼっちのセレナを同情して仲良くしてた事、セレナが結構好みだった事。


  しかし、どんどん表層から深層へ入って行くにつれ男の子のセレナに対する邪な感情が入って来た。


  仲間外れにされてるセレナと仲良くすればセレナを好きにできるかもしれないという打算。


  仲間外れにされてるセレナと仲良くしてやってるから自分はいい人だと思う自己顕示欲。


  さらに深く読んでくと言葉では言い表せない程の深い深い人の業という物が見えた。


  セレナは知らずに涙を流していた。そのままセレナは人の心の深い部分を読みすぎて心が壊れた。


  放心状態で崩れて倒れていた所を、セレナの帰りが遅い事に心配して探しに来た父に保護された。


  それからのセレナは自分の魔眼、そして、神眼を過剰に怖がる様になった。


  眼帯と眼鏡を絶対に外さなくなり、人と視線を合わせない様にした。


  何があったのか両親は聞いてくるがもう言葉も発しない人形と化していた。


  それを見かねた父と母は必死に娘の事を調べた。


  父は国立図書館の司書長で母も同じ場所で司書をしていた。


  2人の馴れ初めは職場であった。そして結婚して出来た子がセレナであった。


  セレナの事は職場である国立図書館の禁書に書いてあった。


  父は司書長で禁書を扱う資格を持っていた為、それを活かしてセレナの事をずっと調べていたのである。


  セレナの眼帯も文献を見て特注したものであり、眼鏡も同様だった。


  そして、調べている内に神眼の透視眼の項目の禁呪の文があった。


  それは決して透視眼で人の心の最奥を見てはならないということであった。


  それを見る事は神をも恐れぬ行為であり、もし禁を破り見てしまうと心を壊す可能性があると書いてあった。


  それに気づいた父は家に帰り、自分の妻と2人で話した。そして出した結論は自分達の心の奥底を見させる事だった。


  生きる人形と化したセレナは感情が欠落し、必要な事だけをこなす生きた屍状態だった。


  そのセレナを父と母は抱きしめ、眼鏡と眼帯を外した。


  セレナの左目は透視眼の最も危険な状態…つまり人の全てを見通してしまう状態で固まっていた。


  その状態のセレナを父が胸に抱きしめる。しばらくするとセレナに変化があった。


  次に母がセレナを胸に抱きしめた。するとセレナは目から涙を流し始めた。


  セレナの眼は確かに人の醜い部分の全てを見てしまい心が絶望していた。


  だが、それでも自分を大切にしてくれる父と母の愛がセレナには伝わった。


  この2人だけは損得勘定抜きに本当に自分を大切にしてくれている事


  この2人だけは決して自分を裏切らない事。


  この2人だけは自分の命がどうなろうと自分を一番に考えている事。


  人の悪い部分ばかり見ていたセレナは始めて、人の純粋で綺麗な部分を見た。


  その後、1年間もの間セレナは何度も透視眼による父と母の心を見て来た。


  ずっと変わらず自分を心配し愛してくれている事。


  その事を理解したセレナは自分がこのままじゃ駄目だと思い立ち直る。


  実に1年ぶりにセレナは自分を取り戻したのだ。


  それからのセレナは図書館の禁書コーナーの主になり、ありとあらゆる知識をつけて行った。


  特に神眼と魔眼の文献は全てを読み、書いてある技は全て使える様に鍛錬するようになった。


  さらに、自分の魔力と気力を同時行使して戦う戦闘術や、禁術になってる類の術なども覚えていった。


  国立図書館の禁書を好き勝手に読みまくり、危険な知識や考えなどもどんどん吸収していった。


  セレナが10歳になる頃には気のコントロールを完璧に出来る様になり、魔力のコントロールと共に合わせて戦う、幻の技法まで身に付ける様になっていた。


  そんなセレナは神眼の1つである記録眼などを使い、テストは常に満点。武術も魔法も使い、大人達が怯える魔物すら1人で倒せる神童と呼ばれる様になっていた。


  しかし、セレナの属性適性は無し、属性の無しはこの世界では無能な一般人として扱われる。


  だが、セレナは魔眼に魔法回路が繋がっている為に、測定できないだけで全属性を使いこなせる為、ペンタゴン級であった。


  でもセレナは成長して行くにつれ、昔の様な可憐な乙女では無く、自分を俺と呼び、言葉遣いが荒くなり、自分が正しいと思うと是が非でも曲げない生意気な性格になり、思った事を溜めると心を病んでしまう為に、言いたい事は絶対に言う性格になっていた。


  そして、そんなセレナは街の有名人になっていた。銀色の眼は皆に畏怖を集める物になり、セレナ自身は神童と持て囃されるがそれは恐ろしい為に、自分達が被害を受けない為だけの仮初の物だった。


  セレナは昔からとても心が優しく、とても両親思いで、本当なら皆から本当の聖人と崇められてもいいような人物だった。


  だが、昔の出来事で、良い事は悪い事と同義と考え、あえて悪こそが正義と言い、光と闇なら、皆を照らす光では無く、皆を安心させる闇を好きといい。神と魔、どっちが好きかと聞かれれば神眼で嫌な思いをしたセレナは神と名がつく物より、幾度も自分を救ってくれた魔の力である。魔眼を好きになっていた。


  そして、12歳になり国立魔法学園第7学園より特別特待生として招待されることになり入学を決意し、父と母にその事を話すと両親は今後も辛い事があっても自分達が居るからといい。


  よく食べるお前の為に仕送りもしてやると、言ってきたが最低限で良いと言い。魔物と戦える自分は12歳になったので冒険者登録できるのでそのお金を借り、後の仕送りはお小遣い程度で良いと言い残し学園にやって来た。


  ちなみに、過去の事もあり、男の子とあまり仲良くできなくなっており、母が旅立つ前に最低限女の子らしくしてと頼み込み何とか自分を、俺と言うのだけは直させたので現在のようなセレナになったのだ。


  そうして出来たのが神秘的な銀色の瞳をした、男の子がちょっぴり苦手な俺っ子で、考えが中二っぽくなってしまった。胸無しセレナである。


  だからこそ、女の子の様な顔に、人を安心させるような爽やかな笑顔、そして、楓を失った事により過剰にまで人に優しく、又、厳しくなった刹那は、セレナから敏感に何かの事情があるのではと思い優しくするのであった。結果が今回の行動である。


  その行動でセレナは刹那から自分の失っていた物を貰っていた。


  刹那を透視眼で調子に乗ってガン見した時に少しだけ気持ちが伝わってきたのである。それは両親から感じるような優しさだった。


  そして、この日、セレナ・クロウリーという少女は、初めて男性に恋をしたのだった。


  こうして入学式前に出会った6人、刹那、奏、リース、アル、ミリス、セレナは互いに色々話して入学式の始まる時間まで話しに花を咲かせる。


  知らぬ内に刹那は奏とセレナという少女に恋をされていたのである。そんな2人は話しに花を咲かせながらも刹那の事を愛の眼差しで見るのであった。

最初にお詫び。現在0時25分つまり25分オーバー。楽しみに待っていた方ごめんなさいm(_ _)m


第12話はお楽しみ頂けたでしょうか?


今回の主役はセレナです。


セレナの大食いに始まり。


セレナの皆への中二アピールがあり。


刹那と意気投合し、涙し。


その理由がセレナの能力と過去と今を繋げ。


そして、刹那のハーレム要員2号になる話しでした。


ちなみに、登場はリースの方が早いですが、惚れたのはセレナの方が早かった様です。


次回こそ、ミリスに新しい武器と刹那とアルと奏に新技を覚えさせたいです。


ちなみにミリスの武器と刹那、アル、奏が技を覚え終えた所で第一章の入学騒乱編は終了になり。


第二章の仮タイトルですが、学園生活と冒険者と闘技者生活編がスタートする予定です。


次回は序盤で入学式が始まり、その後ミリスの武器を受け取りに行った後にミリスの武器性能のテスト。


そして、前々から言ってる刹那とアルの新技と○○と奏の神気解放がなされる予定です。


それを書いて第13話で第一章の入学騒乱編が終了して第二章に移行します。


第二章ではまず、刹那、アル、ミリス、セレナが冒険者になる為に冒険者ギルドへ行きます。


ですが、その後すぐに結局奏とリースも巻き添えで冒険者になります。


その時に新キャラ、ロリババアが登場します。


又、刹那のみ闘技場にて闘技者登録をして、闘技者生活スタートさせます。


アルとかも闘技者にしようか悩んだんですが主人公と当たる時にどうするか悩んで現在はまだ闘技者にする予定は無いです。


ちなみに闘技者は学園の評価に含まれないので、主人公のお金稼ぎがメインになります。


逆に冒険者ランクは学園の成績に反映される為、全キャラを冒険者にする予定です。


そして、闘技場では新たに1人ヒロインが追加になる予定です。


つまり、第二章では2人ヒロインが登場する事になります。


一応仮ですが男性キャラも仲間になるかもです。


第3章では主人公達のクエストがメインになる予定です。


まぁ、第3章はまだまだ先の事なので置いといて、次回をお楽しみに。





今回は毎度お馴染みの刹那達の能力をちゃんと一から書きますので一度読んだ方も復習にどうぞ。



それでは男性陣より。



第一の男性キャラ 主人公 楓の事が忘れられないが、奏と、ついにはセレナに想われる様になったハーレム構築中 時乃宮刹那 4月12日生まれ。ブラットタイプB。


力 通常時でも普通の人間の頂点に君臨するレベル(12歳にしては)。

時守一族の異能者である為、身体の作りが人間離れしており、

気の力は通常の人間ではありえない量を保有。

現在気力付加を完全マスター。

魔力付加はトリプルチャントまでやると死にかけるのでダブルが限界。

現段階では魔力と気力を同時行使できないが今回の第12話でセレナが魔力と気力を同時行使する幻の秘技を学んだ事が明らかになりました。

つまり、セレナがそれを教えれば、第一章での刹那のステータスが確定する訳です。

次回をお楽しみに。


技 瞬刻永神流、基本技閃、これにはバリエーションがあり、一閃、翔波閃などがある。

他の瞬刻永神流の技は今の所画龍点睛と龍牙追。

神の一族の守護者として育てられた時に従者教育をされ執事の様になり、又、完璧執事に憧れるようになった。

その為、家事スキルは完璧な領域。炊事洗濯洗い物、なんでもござれの超絶執事。

しかし、料理で負けた奏がお茶を入れる事だけは負けまいと頑張った為にコーヒー^、紅茶、緑茶etcのスキルは負ける。

文献より得た技はクロノスシフト、クロノスドライブ、クロノスバインド、思考加速、アイテムを創造する技マジックルーフェンと消す技マジックラディーレン。


魔法 現在この世界に来て4日目魔法力がまだ内包できる量のMAX値に到達してません。

その為フレイムアローもどんだけ強くなってるか不明

ダブルチャント、トリプルチャント。そしてフォースチャント。

ちなみにフォースチャントは命を削る技の為使用不可。

一応技としてはあるだけ。


容姿 この項目は変化無し。

髪は相変わらず黒のショートボブ。目は黒。顔はやっぱり女の子に間違われるレベル。まだ女体化してないのにすでに可愛い。

体はまだ発展途上だが、現段階では限界まで鍛え上げた筋肉に包まれている。しかし、やっぱり筋肉質に見えない謎体型。

女子寮で女の子達から格好良い女の先輩と勘違いされるという、刹那ならではのイベント発生。今後もご期待をば。


支持される層 まだまだ最強物の主人公ではなく、女性かもしてない為どんな層に人気があるか不明

まぁ前と同じなら 変態という名の紳士を受け入れられる人 ミリスと危ない関係になりそうでも気にしない人



キャラを表すと この項目は変化無し

王子のキスで目覚めるヒロイン体質 今回は女子寮で女に間違われてた男。でも女の子化すればやっぱりレジェンドオブヒロイン






第二の男性キャラ ルームメイト1号 読者的立場の人間。一応そういった役割 熱血大食い馬鹿野郎 フードファイター アルフォート・マギヌス 8月31日生まれ ブラッドタイプA


力 強化素体の為刹那同様、普通の人間と違う作りで人間離れしている。通常時の力も刹那より上だが、気力付加状態の刹那には魔力付加しても敵わない。

刹那同様セレナより技を伝授され始めて能力開花。


魔法 この項目に変更無し

フレイムアローは属性的関係によりしょぼいと判明。しかし、ロックアローは刹那の通常フレイムアローと同程度だとか。

ただ、アルも魔力増幅は当然使えるわけで使い方次第でいくらでも強化できそう。しばらくは魔法は成長しません。残念。


変身 この項目に変更無し

全身鎧のガッチガチの盾職でした。正し盾は装備してません。使う獲物はランス。しかも馬上で使うようなどでかい奴。


容姿

髪は短め、目と髪が黄土色。顔は男っぽさのあるちょっと残念なイケメン。

某医務室の方からのコメント追加。「黙ってればそれなりなんだけど」だそうで密かに好感度アップしてました。


支持される層

暑苦しい奴 馬鹿共 エレウィスからは好感度高し。実は年上に好かれる体質。ちなみに登場してくるモブは意外とアルの事が好きだったりする。

セレナとは良きライバル。


キャラを表すと この項目に変更無し

1人だけ男で疎外感を感じ始めてる、根は寂しがり屋な馬鹿な真似もただのかまってちゃんなアル君でした。






第三の男性キャラ ルームメイト2号 セレナの神眼を向けられた時の反応は完全に女の子な魅了能力ヒロイン? ミリスティム・セフィラム 3月14日生まれ ブラットタイプO


力 鍛錬をする事にした為徐々に変化があります。現段階ではキャラ中最弱。リースと仲が良くなり、一緒に気力を鍛錬する様です。

魔力付加は出来るがそこまで強くない。魔力増幅の方が得意。


技 この項目に変更無し

コンダクトは主人公との契約。家事能力は結構ある。武術系統全般ダメポ。相手の力を利用する合気道すら使いこなせない残念さん。

ただし、いつかは男として見返すと息巻いているので暖かく見守っててください。でも技は全然追加されない。


変身 この項目に変更無し

デバイスは未登場だけど自動拳銃の攻撃用デバイスとリボルバー銃のサポート用デバイスの2丁拳銃でした。バリアジャケットはやっぱり刹那作画の執事服に決まりました。

字は銃を使い続ける内に○○(魔弾)のコンバットバトラーと呼ばれる様に。


容姿 この項目に変更無し

遂に判明。茶髪の長い髪をアップ気味に後ろでリボンを着けポニーテールに、目は皆を魅了する赤い瞳。

体は華奢で顔は小顔でとても可愛いのが特徴。


支持される層 この項目に変更無し

男同士のキスが許せる方 腐な方々 魅了され始めた寮生一同 新たなるジャンルを開拓するベンチャーな方々





ヒロイン説明


時間がないのでセレナのみ変更あり。奏とリースは誕生日と血液型以外に能力に変化無し



ヒロイン1 皆の妹と言うと「いいえ私はお兄様だけの妹です」と言う。キングオブ妹ヒロイン 時乃宮奏 3月3日生まれ ブラットタイプAB


力 多少の気のコントロールすると3階から飛び降り、登ってく位は朝飯前な模様、意外?と強い。神気は新キャラが出ないと発覚しないのでお預け!

神気を纏った奏さんはヒロインにあるまじき力技を使う可能性有り。現在力を使わなくてもそれなりに戦える事が判明


技 素敵な笑顔をあなたに届ける。パーフェクトスマイルと。泣き顔しながら上目線の誘惑攻撃。現在技の追加は刹那と同時の予定。

体術は全般を学んでいる様です。合気道等を使っている模様。


魔法 まぁ、どんな魔法もそつなくこなし、炎と雷系は正に神がかり的。そろそろ体調が回復してくる模様、実は旧型のスカウターは既にいくつもパリン済み。

魔法を使えばたちまち最強クラスの化物になる予定。


変身 まだ書かれてませんが黄色と赤が使われる予定。デバイスは杖を選択した模様


容姿 髪は黒のロング。刹那とデート後に髪型帰るか検討中。瞳は刹那とお揃いの黒。顔はこの世で表現できる限り最高の顔…の一歩手前。なぜなら一番は主人公に奪われるから♪哀れなり奏さん

身長体重BWHは乙女の秘密。正し12歳にして既に男性をその気にさせる色香を纏っているのでご想像にお任せします。


支持される層 妹萌えの方々 妹萌えの方々妹萌えの…以下永遠と 真面目に書けば男も女も魅了するので全層射程のあいも変わらずスーパーヒロイン


キャラを表すと 兄を他の女に近づけさせないように画策する影の暗躍者。妹分担当なのにお兄様しか目に入らない超絶ブラコン妹。読者様に対しても「私を見て良いのはお兄様だけ」と言ってしまう危険物指定系妹




ヒロイン2 皆のアイドルお嬢様。聖女の如き微笑みになぜだか萌え〜な言葉遣いの リース・フラメル 2月16日生まれ ブラットタイプO


力 通常時ひ弱。魔力付加はミリスより上。使っても常人よりちょっとだけ動ける程度


技 魔法担当なので技がでない可能性あり。力も無く技もないが氷系魔法の腕だけは超逸品。

刹那君のちょっかいで技が完成するのか乞うご期待。


魔法 水の属性のハイシングルなので聖属性の氷を使える。とにかく回復はこの人にお任せというお助けキャラ。


変身 まだ書かれてないのでしばしお待ちを。とりあえず青色なのは確定要素


容姿 見た目は先にウェーブが掛かった長めで水色に白を混ぜた様な色の髪に青い瞳。とてもおっとりとしている感じの顔立ちでとても可愛い。可愛さランクは10段階で8だがお好きな人には未知数。

身長体重BWHは乙女の秘密。まだまだ体は発展途上。餅をつく音が聞こえてくるような…


支持される層 何だか癒されたいと思う人々 言葉遣いが何故か萌える方々 普通に好みの方 ちなみに回復魔法を受けるともれなく惚れさせるスキル持ち


キャラを表すと 一見普通の美少女だが好みにハマると中毒になる可愛さ。言葉遣いもちょっと僕っ子よりなのが特徴のおっとりお嬢様。常に皆の心を癒す聖女様系ヒロイン。






ヒロイン3 眼帯してるのに眼鏡までしてる。眼帯メガネっ娘という新たなジャンルの開拓者。実は男性恐怖症な セレナ・クロウリー 2月14日 ブラットタイプAB


力 神眼により、肉体に宿る気力を操る謎の人。だったが今回の話で能力が判明

気力と魔力を合わせて戦う技を○○○○と言うのを禁書より発見し実践してる人

ちなみにこの物語で最初に気力と魔力を同時行使した人。

力は常人の遥か上を行く天才児(天災児)

既に冒険者の様に魔物退治などしてる戦闘経験者。



技 神眼。ヒロイン2人の心と身体(下着)を丸裸にした能力者。

他にも神眼により色々出来る模様。

神眼 千里眼で熱紋照合機能付き、ちなみに暗視もできます。

透視眼 使いすぎると廃人化するので注意が必要

便利な眼


魔法 魔眼は魔法を使う為の物。神眼は技。魔眼は魔法。これが神超ルール。

魔眼を遂に使いました。使い方は目を凝らして相手の姿を捉えるだけ。

それで無詠唱で魔法が発動。結構チート気味なお方。

コヨーテタイプの魔物を幼くして火炙りにした元幼女。



容姿 この項目に変更無し

青っぽい黒髪に銀色の瞳。左目に眼帯をしていてその上にメガネを掛けている眼帯メガネっ娘という新たなるジャンル。ちょっとツンツンしてそうな顔立ちで、とても可愛い顔をしている。

ちなみに胸からは餅をつく音が聞こえてくる。つまり(ペッタンペッタンつる?かどうかは秘密)です。でも胸はペッタン。体は引き締まっており意外と運動できそう。


支持される層 重い過去に共感出来る方 中二好きの方々 眼帯属性の方々 メガネっ娘属性の方々 ボーイッシュ1号のセレナが好きな人々 このお方についていける方々


キャラを表すと 実は結構重傷な過去を持っていたお方。ちょい格好良いけどとっても可愛いボーイッシュ娘。神眼と魔眼を持ってるので中二設定な女の子 ちなみに天才故に天災を巻き起こすヒロイン。









ここからは毎度お馴染み文書。



今回はそれなりのボリューム(文字数チェッカーで見たらちょっと文字数多かった。前回と逆)の後書き、


書籍化しても載せられない部分も書いてあるので小説家になろう限定特典とも言える物でござい。


作者は後書きが長くなってしまう呪いに掛かってます。神父さんがいたら解呪をば。


さて、--------ここまで読んだ-------方々は勇者の称号を与えましょう。


それでは毎度お馴染みのセリフと共にお別れしましょう。


目指せ書籍化!現在12話。第一章終了まで後1話?です。


現在ブックマークが増えて18人で安定中♪(感謝です感謝(*´ω`人)感謝(TдT) アリガトウ○┓ペコリ)


まだまだ伸びたいので、ですので皆さん御慈悲を下さいorz


では評価、感想お待ちしております。ちなみに感想くれた方ありがとうでした。


他の方もよければどんどん感想をば


今回はちょっとの変化をした後書きだけど使い回しと切りby貼るがありました。


というか最後の言葉はやっぱり書籍化目指して頑張るぞ(*´ノд) ダヨネー( ´゜д゜)(゜д゜` )ネー(*´・ω・)(・ω・`*)ネー(書籍化を望む人が増えてる気がする!(作者の中でだけw))


最後の方も使い回しでごめんね?では神超をよろしくです♪♪(音符を増やしたw)

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