41、第二次大高城の戦い
岡田助右衛門重頼は采配を握りしめ、馬上で情勢を窺っていた。いつも通り、坂井下総守重忠がいる。のっぺりとした顔の大人しい男だが、用兵に関しては助右衛門ですら認める異才を持つ。
猛る愛馬をなだめながら、助右衛門は息を吐く。
「悪運の強い御方よ……」
大高城は落ちていなかった。神谷の大軍に囲まれながら、生き残っていた。というより、元気に敵兵を押し返している。
「あれなるは太田重助の兵じゃな……よし、平九郎殿と兵庫殿の陣へ伝令。一気に攻め破るぞ」
助右衛門はニヤリと笑みを浮かべる。自信が漲って来る。この戦は勝てる、助右衛門の長年の武将の勘はそう告げていた。
梶川平九郎は馬に跨がると、采配を振り上げた。
「者ども、攻め込め――――ッ」
太田軍が弓矢を放ってくる。梶川軍は怯むことなく前進する。矢は梶川軍の盾に防がれてバタバタと地面に落ちた。
梶川軍の三輪次郎兵衛宣政、魚住隼人、桑山修理大夫といった槍自慢が槍を押し出せば、太田軍も徒武者が相手する。
「ほほう」
梶川平九郎は余裕だった。周りを見る。一騎討ちだ。やんややんやと周りが囃し立てる。武者が崩れ落ちた。勝ったのは桑山修理大夫だ。
「ウオ、ウおおおおおおーーーーッ」
修理大夫が雄叫びを上げる。梶川平九郎は頷いていていた。
「修理大夫、ようやった! 徒を押し出せッ、この勢いに乗るのだ――――ッ」
平九郎が大声で命じる。太田軍は急いで後退を始める。太田軍の総崩れは誰の目にも明らかだった。




