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王国編第2話 ユイレーンの功績と悪化する状況
ユイレーン令嬢が処刑されて約1年の時が経とうとしていたが、王国の内政はというと、あと1本の棒を抜いたら崩れてしまいそうなジェンガのような状態そのものである。
ユイレーンが内政を支えていた頃は今よりもずっと安定した内政であった。その要因としてユイレーンの人を惹きつけ信頼を得ることができる秀逸な能力、或いは熱い人望がある。外交面に非常に長けていたが、それだけではなく、国内の経済状況も徐々に成長傾向にあり、そのことに期待を持つことができた国民が一丸となってまとまっていた。
しかし、今の内政はというと、国内は街の活気がなく、国民の姿もさほど見られない寂しい風景が広がっていた。治安も悪化の一途を辿り、家計は乏しく、盗賊による蛮行も増加しているのが現実である。このことに不満を持つのが多くの国民と、一枚岩でなくなりつつある貴族たちである。そして、事態は急激に悪化する。
