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ペルギスの帰還②

 私はまず初めに自分のいる場所を把握することにした。私が死ぬ前に居た地を探し出すことができればきっと、このコークォスのすべてをもっと早く取り戻し、快適な世界にすることができるだろう。

 現在の私の体は目が見えないようだ、知ることはできても見ることも聞くこともできないこの体ではすべてを理解することはこの私であっても不可能に近い、なので私は体の中に存在する精霊大気、通称アレパスを放出することによって私のいる場所を把握しようと考えた。

 アレパスは、音のようなものだ。超音波を発し跳ね返ってきた音を頼りに障害物や獲物などの位置をとらえるコウモリがやっているようなことをしていると考えてくれればいい、アレパスは音よりも水に近いので細かく知ることができるという点では超音波よりも上位互換といえるだろう。

 私は概念の()()を理解できるのでアレパスをコントロールすることによってアレパスに触れた物体がどのようなものなのかを判断することが可能だ。

 私がやっているこのスキルは誰しもが簡単にできるというものではない、そもそも体内のアレパスの存在を知らなければいけないのだがこのコークォスに存在する魔法使いというのはごく少数に限られ、今は分からないが私がこの世界に君臨していたころは、全世界の約二パーセントほどの人間のみが魔法使いといえるほどの魔法を扱うことができた。

 のだがその魔法使いが複数の魔法を非常に広い範囲で大量に使用しようとしていると考えてくれ、その魔法使いのアレパスの使用量は瞬時に体内に含まれるアレパスの百パーセントを使い切り、体内のアレパスが足りたとしても脳がそのアレパスが感じる感覚に耐えることができずに熱で焼け死ぬ。

 要するにコンピュータの熱暴走による故障が発生するのだ。このスキルは体内アレパスを豊富に持っていて、かつ脳で情報処理ができる、というのが条件になるいわば魔法使いの目指すべき頂点と言えるだろう。

 だがそんな私でも残念ながら魔法やアレパスによって種族の寿命を延ばすことも、また龍の賢者が作ったとされる龍秘石を作り出すことはできなかったのだからまだまだその域には達せていないと感じている。



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