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Part of me  作者: 遠藤 敦子
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 家に帰り、私は増田さんからの手紙を開封した。まさか憧れの増田さんから手紙をもらえるなんて思っていなかったので、震える手で中身を確認する。


佐野さんへ

始めまして。突然の手紙で驚かせてごめんなさい。

僕は3年1組の増田知哉と言います。

体育祭の応援練習で熱心に練習に参加している佐野さんのことが気になっていて、もっと仲良くなりたいと思いました。

良かったら連絡ください。

LINE:@mtomoya0515

インスタ:@m_tomoya0515


 という内容だ。まさかあの増田さんが私を気になってくれているなんて夢にも思わなかった。さっそくインスタグラムで増田さんをフォローし、ダイレクトメールに

「お手紙ありがとうございます! 1年1組の佐野優奈です。よろしくお願いします」

と送る。すぐに既読がつき、「増田です。よろしく!」と返ってきた。

「まさか佐野さんから連絡来るなんて思ってなかった」

とも送られてくる。その後もやりとりを続け、部活のことや趣味のことなどいろんな話をした。話の流れで

「こんなにたくさんやりとりしてたら、彼女さんに怒られちゃいません?」

と、私は増田さんに彼女がいる前提で聞いてみる。すると増田さんは

「彼女はいないよ。2年の時に秀英西の子と付き合ってたけど、いろいろあって別れた」

とのことだった。

「逆に佐野さんは彼氏とかいないの?」

と訊かれたので、私は

「彼氏はいないですね〜。文化祭のバンドで見かけた時から増田先輩が気になってるので」

と返す。「俺のこと気になってくれてるって嬉しい」と増田さんは言ってくれた。



 あれから増田さんとインスタグラムのダイレクトメールで毎日会話するようになり、校内ですれ違うと声もかけてくれるようになる。2年生の女子の間で増田さんのファンクラブがあるそうで、彼女たちに目をつけられたくないのか校内では話をしても短い会話くらいで終わっていた。それでもインスタグラムで会話できるので、私は嬉しかったのだ。

 そんなある日、増田さんから「放課後、体育館裏に来てほしい」とメッセージが来た。理由を聞くと、話があるからとのこと。何の話だろうかと思い体育館裏に行くと、すでに増田さんが待っていた。

「話ってなんですか?」

私が訊くと、増田さんが口を開く。

「体育祭の応援練習の時から佐野さんが気になってました。俺で良かったら付き合ってほしい」

増田さんに告白され、私はそれを受け入れた。憧れの増田さんから告白されて付き合えるなんて夢のようだ。いままで苗字で呼び合っていたけれど、これからは名前で呼び合うようになった。

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