未だ誰も知らない世界を創造するものの名は
草木もまばらに岩肌をさらす
急峻な斜面が続く道
雲を突いてさらに伸びる先端は
夜空を映したモノクロの世界
鬱蒼と茂る葉に空は覆われ
月のない夜を歩むかの如く
花の色も葉の色も
一様に黒く染め上げられた世界
触れることなく温もりを感じ
手にすることなく重みを感じ
望めば想いが伝わっていく
一切が透明に変えられた世界
誰も踏み入れたことのない
誰も体験したことのないそれらの世界は
前人未踏で前人未到
未知の世界であるはずなのに
思考は常にその先を行く
今はそこにあるはずのないもの
この先どこにもないはずのもの
知見も、経験も、体験も
あらゆるものを持たないけれど
あればいいのにと作られる世界
そこに人は夢を見る
あってほしいという夢を
そこに人は想いを載せる
実現したいという欲求を
夜空を映したモノクロの世界も
一様に黒く染め上げられた世界も
一切が透明に変えられた世界も
元は思い描かれ作られた世界
数々の困難を乗り越えて
数多の失敗を積み重ねて
前人未踏を、前人未到を
踏破し、至ろうとする彼らのことを
人は冒険家と呼んで
人は探検家と呼んで
人は研究家と呼んだ
ならば前人未到のその先を
思い描いた人々のことは
なんと呼ぶべきなのだろうか
夢や明日を描くのだから
夢想家
夢描家
未来語り
未来が視えてるわけではないから
先見家は違う気がする
無いものを創り出すのだから
想像家 にして 創造家
無創家にしたら
「無い」を創るになってしまう
けれど悩むことはなかった
誰も見たことが無いものを
知りたい、得たいと望むものを
多くの人に夢を与える
そんな力を手にしようとする彼らを
古くからの人はこう呼んでいた
それは作家であるのだと
なりたい自分を
見てみたい景色を
ありたい世界を
描き出してく
なりたい世界を描くから
希望を描くわたしたちを「なろう作家」と人は呼ぶ