パーティーリーダーと浮気した恋人に裏切られ追放された俺、創造魔術で無双する。〜どうやら俺の作る道具は規格外に高性能らしい。元仲間達が大変な目にあって、助けを求めてくるがもう遅い。俺は美少女と旅に出る〜
こちらの作品は、
『魔王、育てます! 〜魔族に転生した俺、史上最強の魔族パワーで無双する! 俺を使い潰した軍隊に帰ってこいと懇願されるがもう遅い! 俺は超絶可愛いロリっ子魔王様を育てながら、世界征服を目指します!〜』
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の二部以降で登場するキャラクターを主役とした、短編小説となります。
続きが気になる方は、是非リンク先の本編をご覧ください!
「セト、テメェをこのパーティーから追放する。さっさと出て行け」
ギルドの酒場にて……。
パーティーリーダーのレドから、俺は唐突にそんなことを告げられた。
俺の名前はセト=ランゲツ。
平均よりはちょい上の顔と身長、真っ白な天然パーマ。
仕事はそこまで熱心に打ち込まず、だがある程度の成果は出せるように働いた。
特にクビになる心当たりもないので、突然の宣告で困惑している。
クビの理由をリーダーに尋ねてみた。
「ん? 出て行けって……急にどうした? 何かの冗談か?」
「は? 自覚ないのかよ? おまえは、このパーティのお荷物になってんの!」
あまりにも憎々しげに、そんな言葉をぶちまけるリーダー。
俺の胸ぐらに掴みかかり、リーダーが続ける。
「テメェは俺らのなかで最弱なんだよ! 戦闘じゃまるで役に立たねぇ! そんな奴を、お荷物と言わずになんて言うんだ!」
「ちょっと待て。戦闘には、役割ってものがあるだろ?」
頭に血が上った様子のリーダーに、俺が冷静に言い返した。
聞いて、ひとまず俺から離れるリーダー。
俺の役割は後衛。
あまり戦闘に関わらない役職だ。
あらゆる無機物を作り出す魔術。
その能力を使って、俺はパーティーで物資の管理を担当していた。
そのことは、リーダー以外の仲間たちもよく理解していることだろう。
他の仲間に頼ろうと思って、俺が続ける。
「なあ、ルー。俺はちゃんと、戦闘以外で役に立ってるよな?」
俺はパーティーの聖職者、ルーに尋ねた。
彼女は、俺がパーティーの中で一番中の良い人物だ。
というか、俺たちは恋人同士と言うやつなのである。
付き合って一月。
出来立て熱々のカップルなのだ。
ルーが続ける。
「まさか。貴方みたいな雑魚が、レド様の役に立ってると本気で勘違いしているの?」
「はぁ!?」
あまりにも敵意全開で語る彼女に対し、俺は気の抜けた声を出してしまう。
どうしてだよ……。
俺たちは恋人同士じゃないか!?
困惑する俺に対し、ルーが蔑んだ目を向けて続ける。
「悪いわね、セト。私、本命はレド様だったの」
「……この腐れビッチが」
俺が睨みながら言うと、鼻で笑いながらルーが続ける。
「だって、よく考えてみなさいよ? アンタみたいな貧乏人と、貴族出身で仕事もできるレド様とじゃ天と地ほどの差があるのよ。具体的に言うと金ね。レドとアンタじゃ、生まれ持った資金力が違うもの」
なんとも現金な理由である。
いや、確かに俺が貧乏なのは事実だ……。
そこを否定することはできない。
しかし、それはパーティーで仕事をした分の給料を、レドがほぼ独り占めするからである。
俺の手元に入る給料は雀の涙ほど。
それじゃあ最低限の生活しか送れない。
酒もギャンブルも嗜む程度しかできないのだ。
レドが続ける。
「ルーの言うとおりだ。男は所詮、金よ。金のないお前に魅力はない。それと比べて、俺は実家の金がたんまりと使える。冒険者としてもボロ儲け。まさに、勝ち組とは俺のことよ!」
「キャー! レド様ったらカッコいー! すいませんウェイターさん、ドンペリ一本追加お願いしまーす!」
レドをやたらと持て囃すルー。
いや、恋人ってか……やってることただのキャバ嬢ですが?
完全に財布としてみなされてるよね、レド?
そんなバカ二人を横目に、俺が続ける。
「貴族つったって、所詮田舎の小さな領土しか持ってない家だろ? そんなに見栄はって遊び歩いて、資金が尽きたらまた実家にせびりにいくのかよ?」
「あん? テメェ、今なんつった?」
キレて、ウェイターが運んできたドンペリの瓶を奪い取るレド。
瓶を開け、その中身を俺の頭にぶっかけてきた。
口周りに垂れてきた酒を一口……。
うん、美味い。
こんな高い酒、久々に飲んだ。
ここ最近、安い酒ばかり飲んで体調最悪だったからな……。
などと強がっている俺を見て、レドが続ける。
「この貧乏人が! テメェと俺は地位が違うんだよ! 俺はどんなに高い酒だろうと、湯水のごとく雑に扱うことができる! だから、これはお前にやるよ! そんなに酒が好きなら、地面に這いつくばりながら泥水のように啜ってろ!」
言って、レドが酒瓶を地面に投げつける。
パリン。
酒瓶が割れ、地面が水浸しになった。
それを見て、ルーが口を開く。
「ざまぁないわね、この負け犬が! どんなに強がったって、アンタは結局レドに私を取られた敗北者なのよ!」
「敗北者?」
「その通りよ! 冒険者として働き、何も得ず! リーダーに女を奪われる! 実に空虚な男じゃないのよ!」
言われて、少し納得する俺。
俺が空虚な人間だと言うのは確かだ。
それを言い返すつもりはない。
夢も希望も、生きる目的まで……。
そんなもの、とっくに捨てて生きてきたんだ。
挙句、片田舎のギルドで安月給で働く底辺に成り下がった。
まさしく空虚……。
実に無様な男じゃないか?
そんなことを思っていると、ルーがレドに近づいて言う。
「ともかく、そこにいられると目障りだから……さっさと消えてくださる? もっとも、私とレド様の熱い蜜月を見ていたいと言うのなら……止めはしないけど?」
言って、レドとルーが唇を重ねる。
情熱的でディープなヤツだ。
しかも、ワザと俺に見せつけるようにやたら長くキスし合っている。
流石に、これは見ていても気分が悪くなるだけだな……。
早々にその場を立ち去ろうとすると、レドが呼び止める。
「なんだよ、何も言わないのか? 彼女を取られて、間男に何も言えない腰抜けなのかよ……おーまーえーはー!」
馬鹿にするよう吐くレドに、俺が気怠げに言い返す。
「まあ、いい女だ。大事にしてやれ。安い娼館に通うよりは、面倒が少なくて楽かもだぞ?」
「ちょ……セト、アンタ!」
コケにされて、キレるルー。
キレたいのは俺の方だ……。
こんだけコケにされて、腹が立たないわけがない。
だが面倒だから早く帰ろうと思っただけだ。
それを呼び止めるなら、いいぜ……言ってやるよ。
俺がレドに向かって、あることを尋ねてみる。
「最後に一ついいか? 俺がパーティーから抜けたら、多分……いや、ほぼ確実にアンタらは大変なことになる。それでも、俺をクビにするのか?」
聞いて、鼻で笑いながら答えるレド。
「なんでだよ? なるわけねえだろ! 役立たずが一人いなくなるだけだぞ?」
「そうか。なら、俺の魔術の効力が切れても大丈夫ってことだよな?」
うっすら笑いながら俺が言う。
俺の使える特殊な能力、魔術。
それはごく一部の人間だけが持つスペシャルな力。
しかし、俺の魔術はあまり強い能力ではなかった……。
だから実質、それが原因で俺は前の職場を追い出されていたりする。
だが、このパーティーで俺の力はそこそこ役に立った。
というか、なくてはならない存在になったのだ。
何故なら、このパーティーが使っている道具はほとんど俺の魔術で作られている。
材料費も、道具を買う金も一切必要ない。
最高にプライスレスな能力なのだ。
それを聞いて、レドが吹き出しながら続ける。
「プフッ! お前の魔術が消えて、俺たちが困るだぁ? 馬鹿も休み休み言いやがれ! お前はただ、道具を量産するだけの能力だろうが! そんなもん、俺の財力で同じもんを買い揃えばなんとでもなるんだよ!」
俺の想像通りの言葉を並べるレド。
確かに、俺の作る道具は普通の道具と大差ない。
ただ一つ、魔力を纏っているという点で俺の道具の方が優れているのだ。
魔力を纏った道具は、そうでない道具と比べて機能がちょっぴり向上する。
その力を使えば、まあそれなりに楽に仕事がこなせるのだ。
道具を変えれば、その恩恵も受けられなくなるだろう。
それでも、まぁ……。
レドがここまで言うのなら大丈夫なのだろう。
これ以上言い争っても仕方ない。
そう考えて、ここで俺は折れることにする。
その場から立ち去りながら、俺は最後に言い残した。
「そうか。じゃ、これでさよならだ」
「おう! 二度とその汚ねぇツラ見せんじゃねぇぞ!」
言って、ルーといちゃつき始めるレド。
「はっはっは! 使えないクズを追い出せると気分がいいな! 今夜は寝かせないぞ、ルー!」
「ああん! もちろんですわ、レド様ぁ〜! 今夜もたっぷり、可愛がってくださいまし!」
という、アホなやりとりがギルド中に響き渡る中。
俺はアクビをしながらギルドを出て行った。
*
なんだかんだあって、俺は働き口を失った。
次の職場を見つけなければ、日々の生活費でさえすぐに尽きてしまうだろう。
俺は残りの少ない資金を持って、大きな賭けに打って出た。
文字通り、ギャンブルである。
「さぁ! 張った! 張った! 丁か、半か?」
賭場にて、振り子が俺たち参加者に選択を要求する。
丁か半か。
どちらか的中させれば、俺は利益を得られる寸法だ。
覚悟を決めて、言った。
「丁ウォォォ!」
結果は半だった。
「はぁ……不幸だ」
賭場の外で項垂れる俺。
こうして俺は全財産を失った。
パーティー共有で借りていた宿からも追い出されている。
俺は一文なしで真冬の星空の下に放り出されたわけだ。
これを不幸と言わずなんと呼ぶ?
俺はいつだってそうだ……。
ずっと不幸な人生を歩んできた。
親に捨てられ、生きるために必死だった少年時代……。
前の職場、軍に入ってからは……。
まあ衣食住充実した、それなりに満足できる生活だった。
だが気に食わない上官をぶん殴ってから、生活は一変。
それから俺は軍に追われる身となった。
だから国の端っこ……。
こんな田舎町で細々と逃亡生活せざるを得ないのだ。
ならいっそ国外に逃亡しないのか?
そう思うだろうが、俺にそんな気力はない。
新しく言葉を覚えるつもりはないし、何より俺はこの国を気に入っているのだ。
死ぬまで、この国のどっかで生きてられりゃそれでいい……。
それでいいのだが、今回は特に最悪だ。
前のパーティーをクビになった後、すぐに別のパーティーを探した。
だが俺を雇ってくれるパーティーは、ついぞ現れなかったのだ。
というのにも理由がある。
俺が話しかけた連中は、みんな声を揃えてこんなことを言った。
『悪いけど、アンタを仲間にするわけにはいかないんだ。レドの命令でね』
『あの貴族のボンボン。アンタをギルドで働かせないため、そこら中に根回ししてるみたいだぜ?』
『まあ、私らも貴族様に逆らうわけにはいかないからねぇ……悪く思わないでくれよ』
『レドとかいう貴族? ああ、来た来た! 二日ぐらい前にウチの娼館に来てねぇ? その、なんていうか……相手した子が言ってたんだけど、粗末なブツだったらしいよ? そのくせ、態度だけやたらデカいんだって。その態度のデカさを、少しはテメェのチンポに分けてやれないのかね? ギャハハハハハハ!』
要するに、権力に物を言わせて俺の再就職を阻止するつもりらしい。
ったく、貴族様の権力ってのはスゲェよなぁ!
ちなみに最後のは、俺がさっき行ってきた娼館のマダムの証言である。
さて、この状況で俺は何をするべきか?
問題は山積みだが、まず最初に片付けるべき事柄は明白だ。
……今夜寝泊まりする宿どうしよう?
そんなことを考えながら、目的地もなくフラフラと歩く俺。
「金ぇ借りるか? にしても、担保にする物なんざねぇし……」
俺が言うが、疑問に思ったんじゃないか?
俺の能力を使えば、金でも何でも作ることができるんじゃないかと?
まさか、そんなセコイこと俺が試さないわけがないだろう?
だがその時に失敗したから、この作戦は使いたくないのだ。
具体的に言うと、俺の能力には射程距離と持続時間がある。
俺が作った物は、俺本体から離れたり時間が経つと消滅するのだ。
それ以降、俺は金にゃ誠実に向き合っている。
二度と偽物の金は作らねぇと決めた。
だからと言って、宿無しはまた別の問題である。
この問題を解決するためには、仕方ない……。
信念を曲げて金を作ろう、そう考えた瞬間。
「誰か、助けて!」
助けを呼ぶ声が聞こえた。
女の子の声だ。
大通りから外れた路地裏。
人気のない真っ黒な場所で、ガラの悪い男二人に絡まれる少女を見つけた。
「助けて欲しいのは俺なんだがね……」
そんな言葉を吐き捨てながら、路地裏に入っていく俺。
ここで見捨ててしまったら、寝つきが悪くなる。
それ以前に、俺は女には優しいタチだ。
女に手を挙げる輩は、相手が誰であろうと許せない。
俺は男二人に近づき、言った。
「楽しそうだな、俺も混ぜてくれよ」
聞いて、こちらを振り返る男たち。
俺の姿を発見した少女が、声を張り上げる。
「助けてください! 私、この人たちに襲われて……」
「うるせぇ! テメェは黙ってろ!」
少女にそんな言葉を吐き捨てる男。
もう一方の男も俺に近づき、言った。
「へっへっへ。あいにく、この女は俺たち二人専用なんだ。欲しいなら他を当たんな」
「それに、何もやましいことはしてないぜ? 俺たちはただ、この子に同じパーティーに入れと勧誘してるだけだ。決めるのはこの子。自由意志、ってヤツだぜ?」
半笑いで、そんなふざけたセリフを吐く男二人。
男はデカいのが一人、ヒョロいのが一人と言ったところ。
女の子は華奢で、茶髪で、ツーサイドアップの美少女だ。
身長は低めで、僧侶っぽい格好をしている。
パーティーへの勧誘か……。
それは余計に都合が良い。
俺がデカい方の男の胸ぐらをつかんで、言った。
「その女を仲間にすんのは俺だ」
「はぁ? いきなり何すんだよ、テメェ!」
大きい男が言うと、ヒョロい男が懐からナイフを取り出す。
そしてそのまま俺に遅いかかかってきた。
「やっちまえ! 相棒!」
「ケケケケケ!」
ヒョロい男が高笑いしながら、ナイフを振り下ろした瞬間、
ダダダダダッ!
ヒョロい男の体に、一瞬で俺が左腕の連打を叩き込んだ。
鼻を潰され、血を吹き出しながら倒れる男。
表情が一気に暗くなったデカい男が、続ける。
「ヒッ! い、命だけは……助けてくれ」
「じゃ、あの女の子から手を引くか?」
「も、勿論だ……」
男の返答に、俺は笑顔を見せながら。
ドゴッ!
路地裏の壁に向かって男を投げ飛ばした。
建物には人型の穴が空き、内部に男が転がり込む。
これで野郎二人の処理は終わりだな。
だが、肝心なのは女の子が無事かどうかである。
腰を抜かし、地面にへたり込む少女へ向かって俺が話しかけた。
「立てるか?」
言って、俺が差し出した手を少女が掴みながら、
「……ありがとうございます」
笑顔でそう言った。
さて、これはなんとも理想的な展開だ。
うまくいけば、今ある問題が全て解決するかもしれない。
お互いに面と向かい合った状態で、俺が少女に向かって言った。
「頼みがあるんだけどさ。宿代、貸してくんない?」
「……へ?」
*
女の子を助けたことで、無事泊まる宿を確保した俺。
宿の一室で休みながら、女の子が俺に話しかける。
「すみません。私もあまりお金なくて、こんな安い宿になってしまって……」
「いや。寝泊まりできる場所が確保できただけ、ありがてぇよ」
申し訳なさそうに語る少女に対し、俺があっさりと答える。
優しい子だな……。
見ず知らずの男に金をせびられて、普通は迷惑がるだろうに。
だがこの子は黙って俺を宿に泊めてくれた。
しかも同室になったってのに、嫌な顔一つせず接してくれる。
少し警戒心が薄い気もするが……。
この子はきっといい女に成長するだろう。
ちなみに俺はロリコンじゃないので、この子を襲おうなんて考えは微塵もない。
それを先に言っておく。
見境なしの変態と思われたら、後で面倒だからな。
少女が続ける。
「そういえば、自己紹介もまだでしたよね?」
聞いて、そういやそうだなと思う俺。
続けて少女が名を名乗った。
「私はミカ。ギルドで働くためこの街へやってきました。歳は十二です」
十二か。
思っていたより若いな。
落ち着いた様子だったので、もう少し年上に見えた。
次いで俺も自分の名を名乗る。
「セト=ランゲツだ。ここのギルドで一年ぐらい働いてる。一応、アンタの先輩に当たるわけだ」
「え、セトさんも?」
聞いて、目を輝かせながら続けるミカ。
「私、まだ分からないことが多くて。でも、セトさんみたいな優しい人が先輩なら……あの、私にギルドでの仕事を教えてくれませんか?」
優しい人、か……。
嬉しいこと言ってくれるじゃねぇの。
でもそれは間違いだ。
そのことをはっきり俺は伝える。
「ああ、俺でよけりゃなんなりと。だが、見た目に騙されちゃいけねぇよ。男ってのは、みんな女の子には優しいもんなんだぜ?」
聞いて、キョトンとするミカ。
しばし待って、ミカが続ける。
「でも、さっきの人たちは見るからに怖かったですよ?」
「ありゃただのチンピラだ。長生きしたけりゃ、あーゆーのには関わらねえのが得策だ」
言って、俺はベッドに横たわる。
目を閉じながら続けた。
「ともかく、俺はもう寝る。何か聞きたいことがあんなら、また明日な」
「……はい!」
やたら元気なミカの返事。
寝る前に大声を聞くのは、酒浸りの頭には響いてキツいな……。
だが、おかげで俺もそれなりに明日が楽しみになった。
んのことに感謝しながら、ゆっくり眠りについていく……。
*
翌日。
早速ギルドにやってきた俺たちは、ミカの登録手続きを済ませた。
これで晴れてミカは冒険者になったのだ。
笑顔でミカが言う。
「ありがとうございます! これでようやく、私も冒険者になれました!」
「そうか。だが、喜ぶのはまだちょいと早いぜ」
俺がミカの頭に手を置きながら、続ける。
「仕事をキチンとこなして、帰ってきてこそ一人前の冒険者だ」
聞いて、意気込むミカ。
真面目な子だな。
こっちの言うことを、一言一句キッチリ守ろうとしやがる。
少し気負い過ぎな気もするが……。
まあ、こちらとしてはやりやすくて助かる。
一緒に仕事しながら適切な距離を図っていこう。
そんなこんなで、ギルドから出ていこうとすると、
「おうおうおう! 負け犬のセトじゃねえか! 何やってんだ、こんな場所で?」
やたらテンションの高い男の声が聞こえる。
レドだ。
野郎が傍にルーをはべらせて、俺を見下すように言う。
「もう、このギルドにお前の居場所なんざありゃしねえんだよ! お前、確か一人じゃ仕事受けらんねんだよなぁ? しかも、どこのパーティーにも入るのを拒否られたと聞く……嫌われすぎだろ! お前!」
よくもまぁ自分のやったことを棚に上げて、そこまでイキれるもんだ。
しかし、俺が一人で仕事を受けられないのは事実である。
そも俺は逃亡者なのだ。
ギルドに個人情報を登録できるわけがない。
だからパーティーに入る必要があるのだ。
他の連中に協力して、その分の報酬をギルドからでなく仲間から貰う。
そうやって俺は今まで稼いできた。
だから今回はミカに協力して、報酬を山分けする約束になっている。
そうなっては、もう以前のパーティーリーダーに関わる理由はない。
レドを無視して、俺がミカを連れて横を通り過ぎようとすると、
「ちょっと待て! なんだこのガキは!」
レドがミカの腕を掴んで止めた。
レドが続ける。
「お前、こんなガキを仲間にしてんのか? 落ちぶれたもんだな! 元はギルド最強の、俺のパーティーに所属していた癖にヨォ!」
「離してください!」
抵抗し、男の腕を振り払うミカ。
ニヤリと笑ってレドが続ける。
「おっと、言葉には気をつけたほうがいいぜ嬢ちゃん! 俺の気分次第では、お前みたいなガキでも俺のパーティーに迎え入れてやってもいいんだからな! 俺のパーティーは違うぞ? エリートしか入れねぇ! 給料もトップクラス! 薔薇色の人生が待ってるぜぇ?」
「お断りします」
ハッキリ拒絶するミカ。
「チンピラは相手にするなって、セトさんから教わりましたから」
「チンピラ!? この高貴な俺様が? ふざけんな! おいセト!」
言って、レドが訂正しろと言わんばかりに俺を睨みつけてくる。
なのでお望み通り訂正してやった。
「違うぞミカ。こういう奴はチンカスってんだ。チンピラより尚、タチが悪い」
「なるほど、わかりました!」
「いや、女の子になんつー下ネタ吹き込んでんの!? お前!」
元気よく俺の言葉に賛同するミカを見て、言葉を荒げるレド。
無様なもんだな。
俺がフッと笑い、最後に言葉を言い残してその場を去る。
「じゃあな、粗チン野郎」
「ちょ! 何でお前がそれ知ってんだよ!」
言って、慌ててレドが必死の形相でルーに尋ねる。
「男って大きさじゃないよね! 大事なのはテクニックとかだよね!」
「いや、夜のアレは大きさもテクニックもセトの方が……」
「前の男と比べるの辞めてもらっていいかな! それ、男が一番傷つくやつだから!」
まーたそんな阿呆どもの会話を聞きながら、俺たちはギルドを出発するのであった。
*
だだっ広い平原にやってくる。
ミカ最初の仕事ということで、そこまで難易度の高くない場所を選んだ。
この平原には、レベルの低いモンスターしか出現しない。
初心者でも、安全に仕事をこなすことができる人気のスポットだ。
ただ一匹。
このエリア最強の主と呼ばれるモンスターが存在する。
そいつは、この世界でも五本の指に入る凶悪なモンスターの一匹らしい。
というわけで、今回の標的はソイツ……、
「『神天覇王龍ヴァイス=ウロボロス』の撃退をしてもらう」
俺がミカに言う。
「神天覇王龍ヴァイス=ウロボロス!? いや、無理!」
速攻で拒絶するミカ。
否定から入るとは感心しないな?
まずはやってみないと何も始まらないぞ?
と、目の前で神天覇王龍ヴァイス=ウロボロスと戦うミカを見物しながら、のんびり俺は考える。
神天覇王龍ヴァイス=ウロボロスは、まさにドラゴンの覇王といった見た目をしていた。
デカい体に、強靭な鱗。
おまけに、口からは常に超高温の炎を吐いている化け物だ。
ドゴッッッ!!!
その一撃は、地面を大きく抉る。
回避しながらミカが言った。
「だって神天覇王龍ですよ!? 名前からして絶対強いですもん! 間違いなく初陣で戦っていい相手じゃありません!」
「はーい、集中して。相手から目を離さなーい。ともかく、攻撃を一発当てるとこから始めようか」
後方コーチ役を買って出る俺。
ミカには、俺が作った剣一本を持たせて戦わせている。
ともかく、相手に攻撃を当てることができなければ何も始まらないのだ。
ミカが続ける。
「というか、そもそも私後衛なんですけど! 仲間にバフとか掛けるのが仕事なんですけど! 何で、前衛で剣持って戦わなくちゃいけないんですかね!」
「泣き言を言うな。冒険者たるもの、できることは一つでも多い方が良いに決まってる」
言って、親指を立ててミカを応援する俺。
「大丈夫、お前ならやれるさ! 何故なら、俺がついてるからな!」
「ならセトが代わりに戦ってくださいよ!」
ミカが言うと、相手が大きく前足を振りかぶる。
「ええい! ままよ!」
覚悟を決めて、剣を振るうミカ。
その大量の魔力を孕んだ一撃は、
ズバッ!
楽々と神天覇王龍の片腕を切断した。
「……え?」
呆気にとられるミカ。
その後ろから俺が近づき、ポンと手を置く。
「やったな、ミカ! ナイスファイト!」
「でも、セト……これって」
俺の作った剣を見つめるミカ。
そこで俺が剣の仕組みを説明する。
「コイツは俺の能力で作った剣だって言ったよな? 見た目は普通の剣と変わらないが、俺の魔力が込められている。だから武器としての性能が大幅にアップしてんだ。今回は魔力を多めに込めたから、たった一撃であれだけの威力が出せたってわけ」
言って、神天覇王龍を見る俺。
右腕を切断された神天覇王龍は、すぐさま飛んで逃げ去った。
任務成功である。
確認して、ミカが続けた。
「性能がアップするって……凄すぎますよ! こんなの、量産できたら軍隊より強いじゃないですか!」
「ああ。できるよ、量産。俺の魔力が尽きるまで、何本でも」
聞いて、絶句するミカ。
そんなに凄いことか?
量産できたところで、所詮パーティーなんざ四人ぽっちだ。
四人全員が俺の武器を使ったって、到底軍には叶わない。
おまけに俺のこの性格だ。
仲間どころか、友人すらマトモに作れない……。
だからこんな能力、俺にとっては宝の持ち腐れでしかないのだ。
それを否定するようにミカが言う。
「セトは凄い人です! 見直しました! 最初は、私を見殺しにするつもりかな? とか思いましたけど、違いました! セトはちゃんと、私の勝利を信じてくれてたんですね!」
聞いて、オイオイ……と考える俺。
俺がミカを見捨てるわけがないだろう?
単独でアイツと戦わせたのも、ミカに勝たせて自信をつけさせるためだ。
俺の目論見通り、今のミカは自信に満ち溢れた顔をしている。
成功は自信に繋がり、自信は次の成果につながるのだ。
俺はそのことをミカに教えたかった。
無事成功して、安堵の表情で微笑む俺。
そのままミカの頭を撫でて、言った。
「よくやった。じゃ、今日はもう帰ろうか」
「はい!」
こうしてミカの冒険者業……。
第一日目が、見事成功に終わった。
*
セトたちに遅れて……。
レド、ルーらも仕事をしにギルドから出発したのであった。
その最中での出来事である。
彼らが向かったのは深い森の奥。
セトらがいた平原より、何倍も強いモンスターがうろつく危険地帯だ。
そこで、彼らはとんでもない事実に気づくことになる。
「なんだ! 何でこんなにモンスターが強いんだ!」
狼型のモンスターに苦戦し、そんな言葉をぶちまけるリーダー。
続いてルーが言う。
「どうして! セトが作った武器より、遥かに高品質な武器を仕入れたのに!」
彼らはセトを追い出した後、自費で高級な装備を買い揃えた。
品質は悪くない。
見た目も豪華になった。
しかし、何故か以前より戦いに苦戦する。
信じられない現実だけが、彼らの目の前にあった。
レドが気づく。
「まさか、セトの作った武器の方が強いってのか? そんなことがあってたまるか! 俺がいくら出して、この装備を買い揃えたと思ってやがる!」
言って、ブンブンと剣を振り回すレド。
剣術の基礎もロクになっていない、お粗末な剣裁き。
そんな彼でも、今までモンスターと互角以上に戦えていたのは……。
全て、セトの作った高性能の武器のおかげであったのだ。
そのことを察したレド。
彼は持っている武器をすぐさま投げ捨て、セトの武器に切り替えた。
振りかぶりながらレドが言う。
「馬鹿だな、セトの野郎……この武器を俺たちに残していきやがった。おかげで、俺は前みたいに戦える!」
狼の頭に振り下ろされる一撃。
バキンッ!
しかし無情にも、頭に直撃した瞬間ポロリと刃先が折れる。
『具体的に言うと、俺の能力には射程距離と持続時間がある』
セトが言う通り、彼の能力は万能ではなかった。
まず射程距離。
セトが作った道具は、セト本体から離れれば離れるほど性能が劣化する。
次に持続時間。
セトが一度作った物は、一日も経てば形を保てなくなり塵となる。
そしてちょうどこのタイミングで、レドらが持っていたセトの武器は全て消滅したのであった。
「なん……だと」
望みが断たれ、絶望の表情を浮かべるレド。
次の瞬間、ルーの悲鳴が聞こえる。
「きゃあ!?」
追加のモンスターに囲まれるルー。
ルーはレドに助けを求めた。
「助けて、レド様!」
しかし、逆にレドはこれをチャンスだと捉える。
モンスターがルーに集中してる間に、自分はこの場から逃げ出せるのでは?
そう思って、すぐさまその場から逃げ出すレド。
「この粗チン野郎がァァァ!!!」
逃亡するレドを見て、絶叫するルー。
見捨てられたことを悟ったルーは、ただ体を震わせて死を待つだけとなった。
「ふざっけんじゃねぇ! こんなところで死んでたまるか!」
言って、レドが思い出すのはセトのこと。
「全部あのクソ野郎のせいだ! 俺たちは、アイツを追い出して上手くいくはずだったのにヨォ!」
レドは泣いた。
惨めに喚き散らした。
「お前に頼めば! 俺たちは助かるのか! なあ、頼むよ! 俺は死にたくないんだ! 靴でもなんでも舐めてやる! お前の舎弟になってやる! だから、俺の命だけは助けてくれ!」
それでも一心不乱に走り続ける。
全ては、己が生き残るために。
「ゼェ……ゼェ……ここまでくれば、流石に」
息を荒げるレド。
見事、モンスターを振り切り森の外へ逃亡を成功させた。
しかし森を抜けた先で、予想外の相手と出会うこととなる。
「見つけたぞ、レド」
「貴方は……ジェイク卿!?」
馬の上に乗り、威厳たっぷりに語る大柄な男。
彼は周囲の小貴族を統括する、その地域最大の権力者。
立場的には、レドを遥かに上回る大貴族なのである。
空いた口が塞がらないレド。
そんな姿を見て、ジェイク卿が言う。
「私が貴様に会いに来た理由、分かっておるな?」
聞いて、レドの頭に思い浮かぶのはセトのこと。
レドはジェイク卿と、ある取引をしていた。
セトの作った道具を、セトに無断でジェイク卿へ売りつけていたのだ。
勿論、その利益はレドの独り占めである。
そして当然、セトがパーティーを抜けたことで道具を送れなくなる。
代わりに、レドは別の場所で仕入れた道具を売りつけた。
しかしその性能は、セトの作った道具に遠く及ぶはずもなく……。
「よくもあんな使えぬ道具を、私に売りつけたな?」
激怒するジェイク卿。
すると、周囲で控えていた兵士がレドの体を拘束する。
弁解するレド。
「お待ちください! 私は……私は騙されていたのです! あの武器は全て!」
「言い訳は後で聞こう。もっとも、これから行われるのは尋問ではなく……拷問だがな」
聞く耳を持たず、ジェイク卿はレドを連行する。
この後、壮絶な拷問を受け絶命することとなるレド。
そんなこと知りもしないセトたちは、今も呑気に夕飯を食べているのであった。
*
ミカの初めての仕事から帰宅後……。
ギルドと併設された酒場にて、俺たちは宴会を楽しんでいるのであった。
「「カンパーイ!」」
ハイテンションで、グラスを当てる俺とミカ。
俺が飲むのは当然酒だが、ミカはオレンジジュースである。
テーブルに並べられた料理も中々に豪華な物だった。
久々にマトモな飯にありつけたな……。
それもこれも、ミカが頑張ったからに他ならない。
俺がミカに礼を告げる。
「ありがとうな。俺なんかとパーティー組んでくれて」
「そんな……お礼を言うべきなのは、こっちですよ」
言って、微笑みを向けるミカ。
「セトがいなかったら、気弱な私はすぐダメになってました」
「んなことねぇよ。ミカはよくやった。冒険者としての才能あるよ」
聞いて、ミカが信じられないと言った表情で聞き返してくる。
「本当、ですか?」
「ああ、本当だ。嘘をつく必要なんかないだろう?」
聞いて、ミカが大喜びで俺に抱きついてきた。
コラコラ。
急にどうしたんだ?
そんなことやってないで……。
早く夕飯を食べないと冷めちまうぞ?
そんな考えとは裏腹に、ミカは言う。
「大好きです、セト」
「ああ、俺もだ……」
言って、ミカの頭を撫でる俺。
この生活も、なんとなく悪くないと感じた。
これからミカと一緒に働いていくのも……。
いつまで続くか分からねぇが、楽しくやっていけそうな気がした。
そんなことをしみじみと感じながら、夕飯を食べていると、
「セト! セト=ランゲツはここにいるか!」
突然、大きな声がギルド中に響いた。
俺の名前?
誰かが俺を探しているのか?
そう思って、ギルドの入り口を確認する。
そしてソレを確認し、絶句する俺。
「レッ……レドッッッ!!!」
そこにはボコボコにされたレドと、大勢の兵士たちが立っていた。
明らかに只事じゃない。
すると兵士の一人が要件を口にする。
「逃亡者、セト=ランゲツ! 貴様を拘束しに来た!」
ヤベッ!
軍に俺の所在がバレちまった……。
こうなったら、捜索の手が及ばない場所まで逃げるしかない。
だが、何でバレた?
見るからにレドは拷問されたようだ。
ちくしょう……。
あの野郎、俺を売りやがった!
こうしちゃいられない。
すぐにこの場から逃げなくては。
なーに、心配はいらない。
俺は今までこんな状況、何度も乗り越えてきた。
じゃなきゃ逃亡生活なんてできるわけないだろう?
幸い、俺がこの街を出てっても困る人間は……。
いや、今は一人いた。
ミカ。
お前をこの街に残していくことだけが寂しいよ。
俺の傍で震えるミカ。
だが、ごめん。
お前を連れていくわけにはいかないんだ。
お前を、危険な逃亡生活に付き合わせるわけにはいかない。
お前には幸せに平穏な生活を送って欲しいんだ……。
だから俺はミカを突き放し、言った。
「じゃあな、ミカ。短い付き合いだったが、後は元気でやれよ」
言って、俺は能力で煙玉を作り出した。
それをギルド中に撒き散らす。
「クソ! 煙幕か!」
先手を取られ、焦る兵士たち。
これなら逃げ切れそうだ。
すぐさまギルドから逃走を図る。
しばらく走り、街の端っこまできた。
ここまで来たらひとまずは安心だ。
後は馬車でも使って、街の外に出よう。
俺がそう考えていると、
「短い付き合いになんてさせませんよ」
声が聞こえた。
その声の主を見て、驚愕した顔で俺が言う。
「ミカ……なんで、ついてきやがった。んなことしたら、もう冒険者家業なんて続けらんねぇぞ!」
「いいんです。私、気づいちゃったから」
言って、微笑みながら続けるミカ。
「私、最初は冒険者になるためにこの街へ来たんです。冒険者って、なんか楽しそうな仕事でしょう? 平凡な私の人生には、ちょうどいい刺激だと思ったんです」
「……にしちゃあ、この選択はハードすぎるぞ?」
「はい。それでいいんです。だって、セトと一緒にいたほうが絶対に楽しいんですもん」
言って、譲らないミカ。
参ったな……。
そこまで言われちゃ、俺に彼女の意思を否定することはできない。
そもそも人に正しい道を解けるほど、俺は出来た人間じゃねぇ。
だから俺に言えるのは、これだけだ。
「好きにしろ……俺は、どうなっても責任は取れないからな?」
聞いて、ミカの顔が満面の笑みに変わる。
そのまま俺の背中に飛びついてきた。
「ちょ、なんだよ……」
「ここまで走ってくるので疲れたんで、おぶってください!」
「たく、しゃーねぇな……」
口ではそんな憎まれ口を叩きながらも、満更ではない顔をする俺。
久々に思い出した感情だ。
誰かと一緒に旅をするってのは、案外楽しいかもしれん。
居場所を失い、仲間を失い……。
ひとりぼっちになった俺の元に現れた、たった一人の女の子。
そいつは図々しくも、俺の人生に割り込んできた。
そして、俺にそれも悪くないと思わせやがったんだ。
じゃあ、俺はそれを受け入れるしかないじゃないか。
「とりあえずどこ行こっか」
言って、俺はミカを背負って歩き出す。
果たして、これから俺たちにはどんな運命が待っているんだ?
楽しみでもあるが、不安でもある。
どうなるかなんて分からない。
だったら、楽しんだ方が得だろう?
するとミカが、さっきの俺の問いに答える。
「私、温泉行ってみたいです!」
「温泉か……いいな、それ」
言って、俺たちは笑った。
笑いながら一歩を踏み出したのだ。
この先、俺たちがどうなるかは……また別の話。
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