後2時間
なんかサイドストーリー的感覚で書きました。短いです。
アラス様のお話
森で暮らすのは良い。
大自然に囲まれ、なんの悩みもなくのんびりと日々を過ごすことができる。
暇なときにはただ草むらで寝転ぶ。すると、不思議と満足感に満たされる。
まるで体が、大自然に囲まれ触れ合うことのできるこの環境を喜んでいるかのように。
確かに、人はもとは自然に囲まれて生きていたんだ。人工物ではない。
だから、多少魔物や精霊がいて謎の遺跡があちらこちらに転がっていようと大した問題ではない。
散歩をしていると死霊に襲われる事もあるが、もはや日常だ。
微笑むと勝手に浄化されて逝ってしまうからね。死霊は全く危なくない。なんで他の奴らはそんな怖がっているのか。うーむ、理解りかねる。
いつも通り大陸の二割を占めるこの広大な森を散歩がてらに探索していると、一際大きな木を見つけた。
樹齢千年は軽く超えているであろう、大木だ。
すごくお爺ちゃんな大木さんを触ってみようと皮の表面に手を近づけると、指と木の間でバチッと強い電気が弾ける。
「っ!痛ぅ」
慌てて手を引っ込める。怪我はしていないが、どうやらこの木からは古代魔法独特の気配がする。
「これも遺跡かぁ...でも、樹系の遺跡とは珍しいなぁ。入ってみよっかなぁ?
あ、この入口、開くにはアラヴァザの石が必要な気がする。勘だけど。あー、でも今アラヴァザのストックないや。どうしよ、困ったなぁ」
そういえば今度、帝都でオークションが開かれると小耳に挟んでいた。
確か、出される品の中にはアラヴァザの石もあったはずだ。
「帝都かぁ...久し振りに行ってみようかな。彼奴等が今どうしてるかちょっと気になるし。観光観光!!」
僕は万が一、あいつらに出くわした時に正体がバレないよう、口元だけ仮面で隠す。
目元などは出ているが、まぁ鈍いあいつらなら気が付かないだろう。
確か15年ほど前にカインと似た魔力が帝都付近で一つ発生していた。
おそらくはあいつの子供だろう。魔力のゆらぎ方からして男の子。
此度の帝都観光ではその子供も見てみたいな。
接触する気はないけれど。
「ん~~、じゃ!死んだふりがバレないよう、冒険者?みたいな感じで一般人、装って行きますか!!」
......彼が人を蹴飛ばし壁にめり込ませるまで、あと2時間。
勘に従順な僕がいる。
数学図形の問題を勘でといて先生に方法聞かれてわからなかったり
社会の記号選択問題で適当に勘でウ、エ、イって書いて正解してウェイしそうになったり
鍵消えたと思って勘が液タブ裏見ろって告げてくるんで覗いてみるとあったり
勘最強。
と、いうわけで皆さんも勘に従順になって下のお星さま押してみましょ!
次回更新はやいぜ!多分!しらんけど!
追記:アラス氏サバイバル強い説。