14.5
―――時は、戦いの中盤ほどまで遡る。
「全ての人類と精霊の殆どを屠り去ったってどういうことですか!?」
「そのままの意味よ。つまりは、お主らは新しく生み出された第2の人類。先人類とは一切血の繋がりはない。」
「―――!」
「それに、精霊も我ら七柱を除いた全ての者が消滅させられた。希少属性であった闇や光の精霊も含めて、だ。」
「それ以外の生き物は...?」
「無論、草木は燃え尽き、獣は餓え死に、魔物は消滅した。生きとし生けるもの全ての命を奪っていったのだ、兄上は。消滅した精霊の中には我の親友もおってな...いや、この話はよそう。」
「...」
「とまぁ、そういう訳よ。」
普段、豪快かつ明朗快活な大王には似合わないしんみりとした表情を見ていると、やるせない気持ちが湧いてくる。
なんとか元気づけていつもの騒がしさを戻したいものだが、彼にかける言葉が見つからないのだ。
そして、励ます代わりに出てきた言葉は、きっと、彼の心をより抉る言葉だった。
「なんで、お兄さんは...その、全てを消滅させてしまったんですか?」
ちがう、そうじゃないだろう。そう自分を叱りながらも、やはり好奇心には抗えなかった。
「昔、国が―――
いやあ、こんなところで切るとは。
でも、ここで切らないと面白くないんだよね。許してくれなはれ