2回目の召喚
俺は、ジャイアントキリングを発動させながら、象もどきを狩る。
象もどきは動きが遅いので、結構余裕を持って倒せた。
安定して狩ることができるのは、象もどきだけだったので、俺はしばらく象もどきばかりを狩った。
最初の召喚から10日。
象もどきはもう5頭狩っていて、レベルも56に上がった。
しかし、生まれた時に与えられたステータスに変化はない。
何か法則性があるのだろうか?
そんなことを考えていると、再び俺の足元に幾何学模様の魔方陣が展開される。
「ウルフちゃん!何とか、リリアーナちゃんを守ってあげてください!」
急な指示だったが、俺は気配察知を最大限に発動。
思考も加速させ、リリアーナに馬乗りになろうとしている男子生徒の腕に食らいつく。
「なんだ?なんで、僕の邪魔をするんだよお!」
男子生徒は情けない声を上げながら暴れる。
俺は、手を決して千切らないようにだけ気をつけて待っているとすぐにエリクシルがやってきた。
「リリアーナちゃん!大丈夫ですか?」
「…。なんとか大丈夫。ありがとう。」
「…この人いったいなんなんですか?」
「確か、私と結婚を前提にとか言ってた人。あまりにうっとおしいから相手にしていなかったんだけど…。」
「…ウルフちゃん。はなしてあげてください。」
俺は、殺気のこもったエリクシルの言葉に従う。
「うう。いてえよ。お前!エリクシル!なんで邪魔するんがっ!」
エリクシルは、男子生徒の顔面を蹴り上げた。
「はんで?」
男子生徒は情けない声で言う。
エリクシルは何も言わずにこやかに男子生徒に近づいていく。
「はんだ?ほれにほんなほとしてどうなってもしらぶっ!」
男子生徒はエリクシルに腹を蹴り上げられる。
エリクシルは、笑顔のまま手をぶらぶらとする。
「【攻撃アップ】、【硬化】、【パラライズ】、【激痛付与】、【恐怖付与】、【防御貫通】。」
まがまがしい気配の平手。
男子生徒は顔面で、それを受けた。.
俺はいつの間にか俺をだっこしているリリアーナと一緒にそれを見ていた。
服を破かれているリリアーナの胸が背中に当たっている。
俺は、正直少し興奮した。
エリクシルが戻ってくる。
「…む。」
エリクシルが俺をリリアーナから引きはがす。
「リリアーナちゃんは私の友達だからダメです。」
それから、俺は、元いた荒野に戻された。
男子生徒があの後どうなったかはわからない。